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第11回 ─ プロレスLOVE

連載
Discographic  
公開
2003/02/20   11:00
更新
2003/02/20   17:24
ソース
『bounce』 239号(2002/12/25)
テキスト
文/JAM

世界最強タッグの覇者が語る、プロレスと音楽


やっちゃいましたね! 去る12月6日、日本武道館での全日本プロレス〈世界最強タッグ〉決定リーグ戦で、小島聡が太陽ケアとのタッグでついに第26代目の覇者に輝いたんです。パートナーのケアが膝の故障のためほとんど戦力に加われないなか、小島は大谷・田中組の容赦ない攻撃を耐えに耐え、まさかの大逆転劇! ……それにしても魅せてくれる選手だよなあ。小島聡にはプロレスラーとして眩し過ぎるほどの〈煌めき〉があるのに加え、音楽やファッションを通してプロレスのおもしろみを若者のカルチャー的なアングルからも伝えてくれる人だ。そんな彼を直撃してその純な心意気を語ってもらった。これはまさに小島選手だからこその語録、それでは早速、イッちゃうぞ、バカヤロー!!!!!!!

――小島選手はNIGOとコラボレートしたり、ZEPP東京でAPEとの共同興行を大成功させたりしていますが、それはどんな経緯で実現したんですか?

「プロレスって、何か体が大きくてゴツゴツしてて、着てるものもTシャツにジーンズっていうイメージが強かったりするじゃないですか。そういうのじゃなくて、プロレスをもっとカッコ良く見せたいなっていう気持ちが強くあったんですよ。ファッションとか、髪型とか、そういう所からプロレスに興味を持ってもらってもいいんじゃないかなって。それにプロレスというジャンルをもっとたくさんの人たちに知ってもらって、もっといろんな角度から憧れの対象になってほしいという気持ちもありましたし。プロレスはいつも人に見られている商売だから、僕自身も例えば普段着から気を遣うとか、そんな細かい所からも従来のプロレスのイメージを変えていきたいんですよね。もちろん、まずコアなファンの人たちがいてくれて初めて実現できることですけど」

――そう言えば、お兄さんがハードコア・バンド、鉄アレイのメンバーなんですよね。

「はい。CDとかはもらったりするんですけど、音楽的な影響は受けてないです(笑)。ライヴも観たことないんですよ。でも、ミュージシャンとして兄も僕と同じように人に見られる商売なので、お客さんに対するアピールとか、そういった部分で兄に教えられる部分は多いですね。お客さんに感動を与えて、なおかつそこで自分も感動を得ることがいかに大切か……お客さんがいて初めて成り立つものだから、自己満足だけだったら甘ちゃんだし、プロとしての意識という点で兄と共通するものは多々ありますね。それと兄はもともとプロレス好きで、僕がプロレスに興味を持ったのも兄からの影響なんです。兄もプロレスラーになりたいと思った時期があったと思うんですけど、そんな兄だから、僕がプロレスラーになりたいって言った時に〈お前がやりたいんなら、やれよ〉って言ってくれた唯一の人物だったんです」

――普段はどんな音楽を聴いてます?

「リラックスしてる時に聴いてて元気になったり、切なくなったりするような曲、例えばミスチルとかは大好きで良く聴きますね。でも、入場テーマ曲(“RUSH!”)だけは別で、自分のテンションを高めるためにリング上の自分をイメージしながら試合前に聴くんですよ。で、本番でテーマ曲がかかった時にイメージ通りにテンションを一気に上げて……」

……小島選手、素晴らしいお話、本当にありがとうございました。今後も既成概念にとらわれない新しいプロレスの行方をあなたに託していきたいと思います。それでは皆様、御唱和を。

「イッちゃうぞ、バカヤロー!」