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第15回 ─ TLC・イズ・アライヴ!! 3人が残してきた足跡、そして新作『3D』の全貌が明かされる!!

ソロ・ラッパーとしても魅力たっぷりなレフト・アイの10年を再検証!!

連載
360°
公開
2002/11/14   13:00
更新
2003/12/18   17:19
ソース
『bounce』 237号(2002/10/25)
テキスト
文/狛犬

 左目にコンドームをはめてキャラを補完していた、なんてことは誰も覚えてないかも知れないけど、TLCデビュー当時のレフト・アイは、〈セーフ・セックス〉をキャッチフレーズにしていたグループのキーパーソンだった。

 同時に新しい世代の登場を感じさせた異常に歯切れの良いファスト・フロウも一目置かれていた。その後グループ内のバランスが徐々に均等になっていくと、レフト・アイは数々の外部仕事にも乗り出していくようになる。予想外だったキース・スウェットとの共演以来、ミッシー・エリオットやダ・ブラットら女性MCが集ったリル・キム“Not Tonight(Remix)”への颯爽たる登場や、ムーディーなR&B曲にしっくり絡んだドネル・ジョーンズ“U Know What's Up”の大ヒットで、彼女はラッパーとしてのヴァリューをアップさせていく。一方で、彼女はブラック・アイヴォリーを発掘してトータル・プロデュース、アルバムにももちろん参加。さらにはポップス界からのアプローチにも応えてイン・シンクやメラニーC(スパイス・ガールズ)との共演も果たしている。変則的なビートを多用した唯一のソロ・アルバム『Supanova』はそんな彼女のヴァーサタイルで自然体な実力が窺い知れるポップで野心的な快作となっている。