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インタビュー

INTERVIEW(4)――〈安住〉は絶対にない

 

〈安住〉は絶対にない

 

――よりリスナーを意識するようになったとか、より世の中に受け入れられたい気持ちが強くなったりとか、そういう感覚はあります?

白水「受け入れられたいというと言葉が違うかもしれないけど、でもありますよ。それがこの1年間でいちばん変わったことかもしれない。メンバー全員口には出さないけど、それはライヴにいちばん顕著に出てると思うし。前は自分たちの演奏が駄目だったら、ライヴが終わってすぐに帰るとか、一言もしゃべらずに楽屋から家に直行みたいな感じだったし、いくらアンコールされてもこっちが納得してなければ絶対やらないとか、そんな感じだったけど。いまはライヴに来てくれた人に対して、その人が何を感じたのであれ、楽しんで帰ってくれればいいなという気持ちになっているので。人からの見られ方だとか、カゲロウらしさだとか、嫌が応にも意識するようになったというのは、それは『SCREEN』を作った時にすごい思ったんですよね。人の曲をカゲロウのアレンジにする時に、〈カゲロウの何が武器になるのかな〉っていうのはすごい意識したし、『SCREEN』を作って頭が整理されたというのはすごいあります。カゲロウの良さとか、カゲロウのできることとか」

――2010年の大きな変化といえばもう一つ、〈club TEQUILA〉という自主イヴェントを始めましたよね。ガチンコのツーマン形式というスタイルで3回やって、あそこで得た刺激も大きかったのかなと。

白水「そうですね、Bloodest Saxophoneと、the NEATBEATSと、あとSOIL&“PIMP”SESSIONSのタブゾンビさんのいらっしゃるMA.KA.BAと。ツーマンはやっぱりいいというか、すごい楽しかった。3つも4つも出るとちょっと難しいというか、好きなバンドでも疲れてくるところがあるので、ツーマンがいちばんいいし、両方とも1時間ぐらいはできるし。今後も続けていきたいですね。特にMA.KA.BAはタブさんやレピッシュのTATSUさん、LITTLE CREATURESの栗原務さんがいるバンドで、カゲロウのメンバーもゆくゆくはこういう大人になれたらカッコいいね、みたいな感じだったんですよ。そういう人たちともいっしょにできて、NEATBEATSやブラサキともできて、そこは一つ筋が通ってるというか、いま売れてるバンドとかそういうことはどうでも良くて、カッコいい生き方をしてる人たちを呼びたかったから。渋いよね、こうして名前が並ぶと」

Ruppa「渋い。普通にツーマンのイヴェントを楽しくやろうぐらいに思っていた感じなのに、〈筋が通ってる大人ばかりだな〉と」

――来年もやります?

白水「まだ具体化してないけど、ぜひやっていきたいですね」

――このあとツアーが始まって、1月22日の新宿レッドクロスでのファイナルまで続くわけですけど、2011年にはどんな活動を予定してますか。

白水「来年はドラムの(鈴木)貴之がアメリカにドラム修行に出るんですよ。ツアーが終わったら、半年か1年か。僕らももしかしたらアメリカでライヴするかもしれないし、でも国内でやらないわけではなくて、貴之がいない時にはとんでもないドラマーを入れてやろうかなと思ってます。そこでまた新しいイメージがどんどん湧いてくるだろうし……全然気持ちが落ち着かないですね、いつまでも(笑)。カゲロウに〈安住〉は絶対にない。常に次に進む以外に方法はないし、ずっとそうなので、相変わらずですよ。毎回そういう気持ちでやっているけど、今回のツアーでは特に顕著にそれが出ると思いますね。今回のツアーは、絶対に今回のツアーでしかないので。成長しちゃうんで、次のツアーの時には」

Ruppa「そうだね、来年またガラッと変わってるんだろうね」

白水「来年の、貴之じゃないドラマーが入った時にも変化があるだろうし、半年か1年後に貴之が帰ってきた時にもまた変化があるだろうし。それはすごい厄介だなとは思うけど、幸せなことだと思いますよ。バンドとして、何で常にこんなに刺激のある環境にしかいないんだろう?っていうね(笑)。でも、〈楽にやろう〉と思った瞬間にカゲロウの音は一気にしぼんでいっちゃうのはわかってるから。カゲロウというバンドとして、すごい幸せな未来だなと思ってます」

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掲載: 2010年12月08日 18:00

インタヴュー・文/宮本英夫