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インタビュー

EGO-WRAPPIN' 『ないものねだりのデッドヒート』

 

 

 

EGO-WRAPPIN'が待望のニュー・アルバム『ないものねだりのデッドヒート』をリリース!
自己模倣に陥ることなく、徹底したミュージシャンシップと飽くなきまでのクリエイティヴィティで
常に自らのサウンドをアップグレードさせ続けてきたEGO-WRAPPIN'。そんな彼らが放つ次なる一手とは?

 

「自分たちが本当に面白いと思えるものを<どうや! >って見せていくほうが結局は伝わるんじゃないかと思う」(中納 良恵)

 
さる5月にリリースされたEGO-WRAPPIN'とBRAHMANのコラボレーション作品
『SURE SHOT』。

多岐にわたる音楽的要素を柔軟な感覚で取り込むことによって、自らのサウンドを
ハイブリッドに進化させ続けてきた両者の邂逅は意外性と同時に、
ある種の必然性を伴って、多くの音楽ファンに受け入れられることとなった。

そしてまた、いわば<盟友>ともいえるBRAHMANとの共同作業は、
時を同じくしてスタートしたEGO-WRAPPIN'のニュー・アルバム
『ないものねだりのデッドヒート』のレコーディングにも少なからずの影響を与えたようだ。

 

中納 良恵(Vo.)「BRAHMANのメンバーは年齢が近いということもあってか、
うちらと感覚的にすごく近いものを感じるんですよ。
普通な展開を嫌がるっていうか、ギターのフレーズひとつとっても
一癖ある感じで(笑)。
カッコ良さとカッコ悪さのキワキワのラインを知ってるんですよね。
彼らと一緒にやることで、そのあたりの線引きの大切さを改めて確認することができました」

 

森 雅樹(Gt.)「BRAHMANと共通しているのは互いにドラマティックな部分があるということ。
今回の(アルバムの)楽曲はメロディだけをとってもすごくいいので、
バックの演奏は歌に沿ったり、突き放したりと、場面場面での意表のつき方とか、
より新鮮で斬新な部分を堂々と出せたかな」

 

 

 

 

 

 森の発言からも明らかなように今回のアルバムでは一聴してメロディアスな楽曲が多いことに気付かされる。
聴き手の心をザワつかせるアヴァンギャルドな感覚と、叙情豊かなセンチメンタリズムを内包する
ドラマティックなエゴ・サウンドはそのままに、メロディ・オリエンテッドな色合いをグッと強めた今作。
個人的にはEGO-WRAPPIN'史上もっともポップな印象の強いアルバムのように思えるのだが

 

 中納「そうなんですよ。今回、むっちゃポップなんです(笑)。メロディアスな曲も多いし。
でも自分たちでは特に<ポップなものを作ろう>とか全然意識してないんですけどね。なんでやろ」

 

(ポップな印象を受けたことに関しては)よっちゃん(中納)とやっている意味が表れていると思います。
ベーシックなラインだけではもったいなく、
どこかはっきりしたポップな部分を歌い上げるよっちゃんも僕は好きなんです。
どんな曲を演っても、よっちゃんと演るとうまくいい方向に転がっていく。歌の力は大きいです」

 

 中納「イイ感じで肩の力が抜けてきたっていうのはあるかもしれないですね。
曲作りもこれまでで一番と言っていいぐらいスムーズだったし。
なんかね、<そんなに考えてもしゃーない>って気持ちになってきたんです。
前は、色々こねくりまわしてしまうようなところがあったんですけど、
今はぱっと曲を聴いて、<ええやん>って素直に思えれば、もうそれでいいというか。
その結果、自分たちから自然に出てきたものがポップなものだったっていう」

 

 結成から14年、幾多の試行錯誤を積み重ね、理想のサウンドを追い求めてきた彼ら。
ここにきて互いの役割分担もさらに明確になってきたのだと語る。

 

 中納「たとえばドラムの音色とか、そういう細かい部分は森くんに任せるようになりました。
そこは私が気を配るポイントじゃないと思うから。
逆に森くんも歌詞や歌に関しては私に任せてくれているし。
長い間、一緒にやってくることで、互いのセンスを信頼できるようになっているんですよね」

 

 それはサウンドのみならずアートワークもしかり。
80年代の化粧品広告を思わせるキッチュでアヴァンギャルドな今作のジャケットのコンセプトも、
一風変わった作品タイトルもすべて森の案によるものなのだという。

 

 森「現在進行形のバンドとして、今、残せるものを作りたかったんでしょうね。
数年後見ても違和感がないような、時代が分かるような僕なりにポップな表現を
入れたかったんです」

 

 中納「森くんいわく<今の時代にあえてこういうジャケットを堂々とやるのがええんや>って。
タイトルも最初は「え!?」って思ったんですけど、だんだん<ええんちゃうか>と思えてきて。
それこそキワキワのカッコ良さっていうか。
でも今の時代、周りに合わせていくよりも、自分たちが本当に面白いと思えるものを
大胆に<どうや!>って見せていくほうが、結局は伝わるんじゃないかと思うんですよね」

 

 

 

  

 

音楽に対する真摯な愛情とオリジナリティに対する徹底的なこだわりに貫かれた
EGO-WRAPPIN'のニュー・アルバム『ないものねだりのデッドヒート』。
とってつけたようなサウンドに、とってつけたようなリリック──巷に溢れるそんな無味乾燥な音楽に、
もしもあなたが食傷気味だとしたら、ぜひとも今作を手にとってみてほしい。
ここには音楽を聴くことによって得られる、何物にも代え難い斬新な発見や驚きが、
瑞々しい形でしっかりと息づいているのだから。

 

 

■ LIVE…


EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX“デッドヒート”ツアー

09/17(金) SHIBUYA-AX
09/20(月・祝) 横浜 Bay Hall
09/23(木・祝) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
09/24(金) 広島 CLUB QUATTRO
09/26(日) 熊本 DRUM Be-9 V1
09/28(火) 鹿児島 CAPARVO HALL
10/01(金) 郡山 HIPSHOT JAPAN
10/02(土) Zepp Sendai
10/04(月) 青森 Quarter
10/10(日) 浜松 窓枠
10/14(木) 高松 オリーブホール
10/16(土) 福岡 DRUM LOGOS
10/17(日) 名古屋 CLUB DIAMOND HALL
10/20(水) 大阪 なんばHatch
10/22(金) 金沢 EIGHT HALL
10/27(水) Zepp Sapporo
10/29(金) 新潟 LOTS
10/31(日) 新木場 STUDIO COAST ※追加公演
11/12(金) 沖縄 ナムラホール

Midnight Dejavu 10th Anniversary 10days
TOKYO・OSAKA・KOREA

…その後のスケジュールはHPまで。

 

 

■ PROFILE…EGO-WRAPPIN' (エゴラッピン)

 96年に大阪で結成、現在は拠点を東京に置いている。
1年7ヶ月振りとなる通算7枚目の今作発表後は、全国で19本のツアーを経て年末には、
10周年を迎える恒例イベント“Midnight Dejavu”を東京・大阪・韓国で開催。 

 


記事内容:TOWER 2010/09/20号より掲載

 

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2010年09月17日 11:00

ソース: 2010/09/20

望月哲