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インタビュー

NICO Touches the Walls 『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』

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 NICO Touches the Wallsが初のベストアルバム『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』をリリースする。“手をたたけ”“夏の大三角形”などのヒット曲からライブの定番曲、インディーズ時代の名曲を再録した“image training-2014-”までを網羅した本作からは、このバンドの持つ多彩な音楽性が濃密に伝わってくる。

これさえ聴いておけば、初めて僕らのライブに来る人でも、間違いない。そういう曲を集めてみました



 昨年4月にリリースした5thアルバム『Shout to the Walls!』が過去最高となるオリコンチャート5位を記録。続く全国ツアーでもダイナミズムを増したサウンドとカラフルな音楽性を共存させたステージを繰り広げ、ロックバンドとしての奥深い魅力をしっかりとアピールしてきたNICO Touches the Wallsから、キャリア初となるベスト盤『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』が届けられた。昨年の終わり頃からライブやイベントなどで「2014年は攻めの1年にします!」(光村龍哉/Vo.&Gt.)と明言してきた彼ら。攻撃的な姿勢は、ライブをイメージして制作されたという本作にも強く反映されている。

「今回は<ライブで大事に演奏し続けている曲>をテーマにして選曲しました。<これさえ聴いておけば、初めて僕らのライブに来る人でも、間違いない!>、そういう曲を集めてみよう、と。もうひとつの特徴としては、最近の曲から昔の曲に向かってさかのぼっていっているという曲順になっていること。まっさらな新曲の“ローハイド”に始まり、インディーズの頃から演奏してる“image training”という曲で終わるという。歴史をはじめから振り返っていくというベスト盤は多々あるかなと思うんですけど、遡っていくというのは、ひねくれ者の僕ららしい(笑)」(光村)

 本作が示しているのは、このバンドが持っている驚くほど多様な音楽性だ。“夏の大三角形”、“バイシクル”といったポップな手触りの楽曲、とことんアグレッシブなバンドサウンドを軸にしたライブ・アンセム“N極とN極”、さらに「俺ら一貫した勢いというか、ボルテージの高さは、この曲がいちばんのターニングポイントかなっていう感じがしている」(光村)という“Broken Youth”、「NICOが最初にパッと開けた瞬間だったんだろうなって」(古村大介/Gt.)という“ホログラム”、「女の子(のリスナー)は、この曲の歌詞に出てく男の子がすごい好きだよね。みっちゃん(光村)とダブるんだと思う」(対馬祥太郎/Dr.)という“妄想隊員A”「あんまり俺らのことを知らない人でも、夏フェスとかでやると<あ、知ってる>って感じがあった」(坂倉心悟/Ba.)という“手をたたけ”など。ギターロックバンドという軸をしっかりとキープしながら、幅広い音楽知識とアレンジ能力の高さをフルに活かしながら、貪欲なまでに音楽性を広げ続ける。その存在感は現在のシーンにおいても、明らかに際立っていると思う。



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「最近は<変わった曲が多い>っていうところも愛せるようになってきて。バランスを取るんじゃなくて、とことん自分たちの好きなことをやろうって開き直れたんですよね。ただ、ここに来るためにはどのファクターも必要だったと思うんです。(去年の)ホールツアーもやってみなくちゃわからなかったし、(2010年3月に行われた)武道館ライブのときの悔しさもそうだし。そういう経験があるから、いまの自分たちがあるんだなって」(光村)

 初回生産盤限定盤に付いているDVDには、インディーズ時代にリリースした1stミニアルバム『Walls Is Beginning』(2006年)の楽曲をライブ録音した「Studio Live“Wall Is(re)Beginning”」を収録。ピンと緊張感に包まれたスタジオのなかで、メジャーデビュー後の6年間で培ってきた演奏テクニック、生々しいパワーをたたえたアンサンブルを駆使しながら、バンドの原点とも言える楽曲を演奏する4人(初期の段階からこんなに高いクオリティの楽曲を作っていたことも驚きだが)。その姿からは現在のNICO Touches the Wallsの状態の良さ、そして、<ここからさらに突き進んでいくんだ>という強い意志だ。

「今回ベストが出るっていうところで、改めて自分たちの本質みたいなものを見つめ直す機会にもなってるんです。そういう意味で言うと<シンプルなギターロックバンドで、変わった曲をいっぱいやってる>っていうのも大事なところだと思うし、このタイミングで完全にロックモードにスイッチしたっていう感じですね。スタジオセッションの撮影のときにもめちゃくちゃ手ごたえがありました」(光村)



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2月1日から28日にかけて「カベ ニ ミミ」(期間限定のライブハウスで行われる<篭城型>ライブ)を開催、さらに8月19日には二度目となる日本武道館公演も決定。『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』で改めて示した奔放なバンドサウンド、そして、これまで以上に強烈なロックモードをライブ・パフォーマンスとともに、NICO Touches the Wallsは新たなピークを迎えることになるだろう。

■Album……『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』now on sale!!

 ■Songlist
01.ローハイド(新曲)
02.ニワカ雨ニモ負ケズ
03.Mr.ECHO
04.夏の大三角形
05.手をたたけ
06.バイシクル
07.Diver
08.妄想隊員A
09.マトリョーシカ
10.N極とN極
11.かけら〜総べての想いたちへ〜
12.ホログラム
13.THE BUNGY
14.Broken Youth
15.梨の花
16.image training-2014-(新録)
17.パンドーラ(新曲)

【初回限定生産盤DVD】
・Studio Live"Walls Is (re)Beginning"
01.そのTAXI,160km/h
02.行方
03.プレイヤ
04.image training
05.病気
06.雨のブルース

 ■Profile…NICO Touches the Walls(ニコ タッチズ ザ ウォールズ)

光村龍哉(Vo&Gt)、古村大介(Gt)、坂倉心悟(Ba.)でバンドを結成。同年7月に対馬祥太郎 (Dr.)が加入。YAMAHAの「TEEN'S MUSIC FESTIVAL2004」に出場し、優勝に準ずる賞を獲得。バンド名「NICO Touches the Walls」は光村がよろめいて壁に触れた時に、壁に触れるという行為は壁の向こうにある世界、日常から新しい世界を創造するというイメージにつながり、バンド名に由来。

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記事内容:tower+ 2014/2/10号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2014年02月10日 00:00

ソース: 2014/2/10

TEXT:森朋之