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インタビュー

LONG REVIEW――VARIOUS ARTISTS『hide TRIBUTE VII –Rock SPIRITS-』



あいつはいない。でも、僕たちにはあいつが見える



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hideのソロ活動20周年を記念したトリビュート・シリーズもいよいよファイナル。Spread Beaverのメンバーを中心としたTHE PINK SPIDERSやZEPPET STOREなど、hideの周辺人脈が多数参加した本作は、99年に発表された『hide TRIBUTE SPIRITS』の直接的な続編だと言っていいだろう。

オープニングを飾るのは、今年の主催イヴェントにおけるまさかのhide出演が話題となった氣志團による“ROCKET DIVE”。ストレートなカヴァーで骨太な演奏を聴かせるが、綾小路翔のヴォーカルの意外なハマりっぷりに驚く。また、筋肉少女帯による“DICE”は年季の入った王道ハード・ロック/ヘヴィー・メタルなアレンジが逆に新鮮で、ハーモニクスを効かせたギター・ソロも圧巻。一方、ブルース・ハープやティン・ホイッスルを交えてパーティー・チューンに仕上げたTHE CHERRY COKE$の“D.O.D. [DRINK OR DIE]”や、ノイジーかつ広がりのある音響空間を構築したTHE NOVEMBERSの“DOUBT”といったあたりは、アルバムのなかで異彩を放つ存在となっている。

ハイライトは森雪之丞 with 今井寿(BUCK-TICK)の“EYES LOVE YOU~Ver.2013”。今井によるトランシーな4つ打ちのトラックに、オリジナルの作詞者である森のポエトリー・リーディングが乗った、7分超えのドラマティックな大作だ。〈あいつはいない でも 僕たちにはあいつが見える〉という一節は、本作のみならず、トリビュート・シリーズに参加した全アーティストが共通して抱えている思いに違いない。




掲載: 2013年12月11日 18:01

更新: 2013年12月11日 18:01

文/金子厚武