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インタビュー

BOYFRIEND 『SEVENTH MISSION』



日本デビューから1年経たずして八面六臂の活躍を見せる6人。青春真っ只中な瑞々しさが魅力の彼らだが、本邦初のフル作で見せる姿はちょっと違う……!?



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これまでとはまったく違う魅力

毎年多くのK-Popグループが日本デビューし、いまや彼らが日本の音楽シーンに存在していることも普通だ。そして当然ながらもう〈K-Popアイドル〉というだけで成功が約束されているわけではない——そんななか、昨年5月に本邦初上陸を果たした6人組、BOYFRIEND。2011年に韓国でデビューした彼らは、タフで男らしいイメージを打ち出したグループが幅を利かせているかの地のアイドル勢にあって、その無垢なまでの清純な雰囲気は異質と言えた。しかし、どちらかと言うと線の細めな男性アイドル(清純かどうかはともかく……)が人気のここ日本においては、BOYFRIENDこそウケるのではないか——そんなデビュー前の予感は、やはり大きくハズれることはなかったようだ。

「とても忙しく充実した1年でした。日本武道館でのデビュー・ショウケースに続いて、去年のクリスマスには単独ライヴをすることができ、半年以上もTV番組にレギュラー出演できました。本当に感謝しています」(ヒョンソン)。

「いろんな活動ができましたが、そのなかでも映画(7月より全国順次公開予定のグループ初主演作『GOGO♂イケメン5』)の撮影がいちばん記憶に残っています」(ヨンミン)。

「この1年はとても早かったです。日本で活動をしながら韓国でもアルバムを発表し、アジア各地でファン・ミーティングもありました。たくさんの方々と会えましたね」(クァンミン)。

「聴いてると幸せになります」(ミヌ)とメンバーも信頼を寄せるSweetune(本国でのアルバムをプロデュース)が手掛けた、一聴して〈わかってらっしゃる!〉と膝を打ったスウィートなデビュー曲“Be my shine 〜君を離さない〜”をはじめ、これまでにリリースした3枚のシングルはどれもオリコン・チャートTOP5入り。加えてメンバーの発言にもある通りの幅広い活動ぶりは、同時期にデビューしたK-Pop勢のなかでも目立っている。一方で母国での動きも止まっているわけではなく、むしろ精力的なのだから大変だ……。このように多忙を極めるなか、ついにジャパン・ファースト・アルバム『SEVENTH MISSION』が発表される。

「『SEVENTH MISSION』は、僕たち6人と、〈7人目〉のファンの皆さんによって完成するアルバム、という意味があります。初回盤の特典DVDにはこのコンセプトに絡めた映像が収録されています!」(ドンヒョン)。

「〈スパイ〉をモチーフにしたアートワークや、テーマ曲も収録しました。これまでの僕たちのイメージとはまったく違う魅力をお見せできるかと思います」(ヒョンソン)。

そのテーマ曲というのが、冒頭の“CODE NAME; SPY GET LOVE”。〈ミッション・インポッシブル〉なフレーズも飛び出すダイナミック&エモーショナルなアッパー・チューンで、アルバムの起爆剤的な役割を担っている。しかしヒョンソンが言うところの〈まったく違う魅力〉をお見せしている楽曲はこれに留まらない。シングル作品に続き、本作でも数曲提供した先述のSweetune製ナンバー“Supernatural”がまずひとつ。

「このようなタイプは初めてだったので戸惑う部分もありましたが、何度か聴いているうちにハマりました。強く印象に残る曲だと思います」(ドンヒョン)。

こう語るように、これまでの彼らにはないエッジーな曲となっており、ドラムンベース風のビートも交えたエレクトロ・ハウス仕立て。ソリッドなヴォーカルもまた新鮮でカッコイイ。そしてそれとは対照的な、「少し懐かしさを感じさせるような曲です。聴いていると頭の中に映画のような映像が浮かびます……」(ドンヒョン)という“Waikiki”は、ビーチ・ボーイズなコーラスがウキウキ感を高めるサーフ・ポップ。ドンヒョンも〈懐かしい〉と言ってしまうほど、世代を問わずノスタルジーを掻き立てるオーガニックな質感のナンバーだ。



日本語はやっぱり難しい

メンバー自身もそれぞれこういった目新しい楽曲をお気に入りに挙げていたが、もちろんBOYFRIENDらしいエレガンスを覗かせた王道チューンもたっぷり用意されている。

「僕はぜひ“Dangerous”に注目してほしいです。昔からバンド(と共に演ること)に挑戦したくて、この曲でその思いが達成できました!」(ジョンミン)。

「“My I”は僕たちらしい愛しい気持ちを表現しています」(ヨンミン)。

「“Party Plane”! こんな雰囲気の曲が好きです!」(ミヌ)。

このような声もあるので、どんな仕上がりになっているかは自分の耳で確かめてほしい。それにしても、これまでにシングルを出してきたとはいえ、これほどたくさんの日本語曲をいっぺんにこなすのは初のこと。やはり苦労も多かったようで……。

「歌う時のヴォイス・トーンを変えたりとか、今回はいろいろ工夫しています。日本語は難しいですね。最初に比べると良くなった部分もありますが、このアルバムは4回もレコーディングしました(笑)」(ジョンミン)。

「日本で初めてのアルバムだからこそがんばりました。完成しただけでも胸がいっぱいです。日本語を間違えて発音して何度も歌い直した部分があるし、まだ歌う時の感情表現が難しいところもありますが、J-Popをたくさん聴いて勉強しています」(ヒョンソン)。

「いろんなジャンルに挑戦したので、歌い方や歌う時のトーンの幅が広がりました。日本語は特に〈つ〉と〈ず〉の発音が難しいのですが、少しは良くなってるかな……。聴いてくださる皆さんのことを思うとドキドキします!」(ドンヒョン)。

「僕の未熟な部分が聴こえる時はとても辛いです。でもそこを良くしようととても努力しました。完成したアルバムを聴いてみると、いろんな挑戦をしたなと思います」(ヨンミン)。

「日本語で話すのも難しいですが、ラップはもっと難しいです……。でもがんばった甲斐のある出来なので、早く聴いてほしいです!」(クァンミン)。

「新しいスタイルにチャレンジしたので難しい部分もありましたが、楽しかったです」(ミヌ)。

『SEVENTH MISSION』にはどこにも見せたことがないBOYFRIENDの姿がある。しかし彼ららしい溢れんばかりの瑞々しさが全体を覆っているのは間違いなく、心が沸き立つ瞬間を随所で味わえるだろう。ちなみに、最近ドンヒョンとジョンミンは作曲の勉強をしているそうで、すでにドンヒョンは何曲か作っているのだとか。今後、メンバー自身のクリエイティヴィティーをグループの活動に活かす時が来るかもしれない——まだまだ伸びしろ十分だ!



▼5月29日にリリースされるBOYFRIENDのジャパン・ファースト・アルバム『SEVENTH MISSION』(Being)。

左から、特典DVDとグッズ付きの初回限定盤A、特典DVD付きの初回限定盤B、通常盤

 

▼BOYFRIENDのシングルを紹介。

左から、2012年の“Be my shine 〜君を離さない〜”『キミとDance Dance Dance/MY LADY 〜冬の恋人〜』、2013年の“瞳のメロディ”(すべてBeing)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年06月20日 20:20

更新: 2013年06月20日 20:20

ソース: bounce 355号(2013年5月25日発行)

インタヴュー・文/加藤直子