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インタビュー

サカナクション 『sakanaction』

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<表>と<裏>を上手く織り交ぜながら今の日本というシーンの中で何を鳴らそうとするのか?

 ロック界のお山の大将ではなく、エンターテインメント界=マジョリティの中でのマイノリティになりたい――前アルバム『DocumentaLy』をリリースするにあたり、山口一郎(Vo&Gt.)はこんな企てをしばしば口にしていた。その後サカナクションは実際に鮮やかな快進撃を見せ、音楽的評価と高い認知度を両立する稀有なバンドへと成長。そんな中、前作から1年半を経て発表する6thアルバム『sakanaction』のキーワードは、<表と裏>と意味深だ。

「ドラマ主題歌やタイアップなど<表>の世界を経験したことで、ハッキリしたことがあったんです。<自分の好きな音楽>を作る気持ちを<裏>として、<表>と<裏>を上手く織り交ぜながら今の日本というシーンの中で何を鳴らそうとするのか? それを探すのが僕らの存在意義であり、渇望していることだって」

まずは、<表>を追う過程で見失いかけていた<5人の音>を取り戻すため、山口の自宅にメンバーが集合し楽曲制作を敢行。サカナクションの新機軸とも言える画期的なインスト曲“INORI”も、そんな自由な環境から生まれた。言葉にならない想いを吐き出した歌詞のない歌は、言語に限定されないイメージの塊を投げ掛ける。

「今まで通りのことをやっていてはつまらないし、斬新過ぎても違うし……今回は僕がよりリスナーであろう、と心掛けました。一番のサカナクションのファンで、メンバーのことを誰よりもよく知っていて、誰よりも厳しいリスナー。僕らの武器はやはり、内なるものと外に発信したいという情熱の両方を持っていることなんです。例えば、ドラマ主題歌だからと“ミュージック”を聴いてくれた14歳の女の子が、“INORI”をきっかけに高校でクラブミュージックに没頭していくかもしれないですよね? 僕らをステップに誰かがもっと音楽に興味を持つようになれば面白いし、それが若者に対する自分たちの一つの姿勢だと思っているんです」




■ALBUM……『sakanaction』 3/13on sale!

SONG LIST

\01.intro
02.INORI
03.ミュージック
04.夜の踊り子
05.なんてったって春
06.アルデバラン
07.M
08.Aoi
09.ボイル
10.映画
11.僕と花
12.mellow
13.ストラクチャー
14.朝の歌
15.バッハの旋律を夜に聴いたせいです。(Ks_Remix)※初回生産限定盤のみボーナストラック

■PROFILE…サカナクション

2005年、地元札幌で活動開始。文学性の高い歌詞、郷愁感あふれるフォーキーなメロディ、クラブミュージック、ロック……。様々な音楽的要素を混在させ、独自の楽曲を作り出す5人組ロックバンド。2010年代を牽引するロックバンドとして今、もっとも注目を集める。



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記事内容:TOWER+ 2013/3/10号より掲載

カテゴリ : brand new!!!

掲載: 2013年03月10日 00:00

ソース: 2013/3/10

TEXT:大前多恵