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インタビュー

Nothing's Carved In Stone 「A Silver Film」



ライヴ・バンドのお手本!? 卓越したプレイからオフショットまでを網羅した、こだわりのライヴDVD!



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Nothing's Carved In Stoneがこの秋に行った、最新アルバム『Silver Sun』のリリース・ツアー〈Silver Sun Tour〉。そのセミ・ファイナルとなったZepp DiverCity Tokyo公演を収めたDVD「A Silver Film」がリリースされる。彼らにとって3枚目のライヴDVDとなる本作は、この日のステージの本編からアンコールまでの全21曲を完全収録。途中、レコーディングやリハーサル風景、ツアーのファイナルとなった大阪公演の模様(東京で演奏しなかった1曲を追加)を観られるのも嬉しいところだが、さらには3曲分の最新MVもパッケージされている。

「たくさんの人にライヴを観てほしいし、本当は会場に来てもらうのがいちばんなんだけど……でも、俺たちにとってはCDと同じくらい重要なアイテム」と生形真一(ギター)が語る今作は、メンバーも編集に関わった、こだわりの映像作品。ライヴ・シーンは10台以上のカメラで撮影され、カット割りも多く、臨場感溢れる仕上がり。名うてのメンバーを擁するバンドだけあって、演奏している手元のカットも多数あり、頭上からのショットで彼らの使用機材を確認できるのも、バンド・キッズにはたまらないだろう。

「やっぱりライヴそのままの演奏が良いし、下手に加工しないほうが良いと思っていて。ちょっとくらいミスがあってもライヴだからいいんじゃないかなと、あたりまえだけど差し替えもしていません」(生形)。

そんな発言からは、音に関してのバンドの自信が伝わってくる。また、村松拓(ヴォーカル/ギター)の、観客を先導するフロントマンとして一皮も二皮も剥けた歌の表現力やステージングも素晴らしい。

「ツアーが始まった段階で、自分の内面をオープンにしていこうという気持ちがあったんです。いままではバンドをやってて怖くなってた部分や、好きなことをやっているぶん、人からの評価が気になる部分もあったんですが、今回はそれらをぶっちぎって関係ないところまでいこうと。そういう気持ちを持続できました」(村松)。

「おこがましいけど、うちのバンドはライヴ・バンドのお手本みたいなものだと思っていますね」(生形)。

ストイックなライヴ・シーンに時折挿入されるオフショットも、メンバー間の関係性を垣間見ることのできる貴重な映像だ。また、いちばん最後のエンドロールには、関係者のクレジットと同時にツアー各地でのMCのダイジェストも流れるが……。

「普段見られないレコーディング風景や、他の映像もいろいろ入っています。そういうのも観てもらいたいなと思って収録しました。あと、エンドロールは……普通はそこまで観ないですよね、ただ文字が流れてるだけだと(笑)。だから、そういうものを入れれば、最後まで楽しんでもらえるかなと思って」(生形)。

「最近U2のライヴDVDを観たんですが、やっぱり映像を観るとライヴに行きたいと思うし、生で観てみたいと思う。みんなにそんな気持ちになってほしいと思って作った作品です」(生形)──その言葉通り、この映像を観れば「みんなと顔を合わせながら、音楽を使っていろいろな思いを共有できる場所」(村松)に行きたくなるはずだ。



▼Nothing's Carved In Stoneの2012年作『Silver Sun』(エピック)

 

▼関連ライヴDVDを紹介。

左から、Nothing's Carved In Stoneの2009年作「Initial Lives」、2010年作「Time of Justice」(共にDynamord)、U2の2005年作「Vertigo 2005: Live From Chicago」(Island)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年01月28日 18:45

更新: 2013年01月28日 18:45

ソース: bounce 351号(2012年12月25日発行)

インタヴュー・文/溝口和紀(New Audiogram)