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インタビュー

GLAY 『JUSTICE』 / 『GUILTY』

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2013年1月23日に2枚同時発売されるGLAYのアルバム『GUILTY』と『JUSTICE』。『GUILTY』はこれまで通り佐久間正英プロデュースによる作品だが、もう一方の『JUSTICE』はGLAY史上初めて彼ら自身のプロデュースによるアルバムとなる。<より剥き身のGLAY>に近く……そんなイメージも含めて、2作品についてリーダーのTAKUROに聞いた。

このメンバーだったら楽しくやるだろう、それがどんな結果になろうとも。

―2枚のアルバムのうち『JUSTICE』は、GLAY初のセルフプロデュース・アルバムになりましたね。

TAKURO(Gt.)今回は、佐久間さんと長いことずっとやってきて、また新しいところにいくこと、新しい世界に飛び込むのはすごく素敵なことだし、嬉しいことだけど、不安もある。94年にデビューして、手取り足取り教えてくれた佐久間さん、今度はいよいよ自分たちでプロデュースしてみます。で、百の正義があるわけなんですよね、やるにあたって。だけど、いつも思うんだけど、言えば言うほど、その中にある、おのれが顔を出すというか、それが笑顔のときもあれば、困った顔してるときもあるし。でもまあ、このメンバーだったら楽しくやるだろう、それがどんな結果になろうとも。でもやっぱり、振り返った時にバンドの歴史の中で2012年は重要な年だったよねって、たぶん言われるだろうなって予感もありながら。だから、2009年の『GREAT VACATION』の中で、ある種の終わりだったり、ある種のはじまりだったり、何かのけじめを付けなきゃいけない。その3年間のなかに、ほんとにもう……。

 

 ―格闘があると。

TAKURO:あんまり風通しの良くないっていうか、水の流れの良くない、沼の下に寝そべってる何か

―堆積してる何か。

TAKURO:に対して、やっぱどこかでけじめをつけなきゃな、って。ま、それはやっぱり、東日本大震災以降それぞれ、たくさんの人たちが、また改めて自分たちの人生を思っただろうけど、GLAYも例外ではなくて、何かこう、生き急ぐじゃないけど、明日が、あるという保証はもう……

―ないです。

 

TAKURO:崩壊してしまったと。朧げながらたぶん思ってたと思う、2011年の3月11日以前は。だけどやっぱり、GLAYのみんなとワイワイできる、あと新しい音楽を追究していける、新しい扉を開けるという作業は、あって当たり前じゃないんだなって。なんかそういうところを思った時に、メンバーみんなのやる気スイッチが、入ったんじゃないかな。



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―そうだと思うね。実際のところ、バンドという人生はそう、保証されて長く続くものでもないっていうのが、3.11以降、それはバンドという人生だけでなく~例えば僕だったら、ライターという人生とか、そういう自分の生業にしてるものとか、出来上がった肩書きのようなものとして、その人生が続行するように見えたけど、それはないかもしれないっていうね。

TAKURO:たぶんそれ、メンバーのみんな、それはやっぱイヤだし、受け入れたくないし、悲しかったんだと思う。今の世界にあること、ある種のすべてがなんだか悲しくなっちゃったんだと思うんだよね。だから俺たちは長居スタジアムで、5年後10年後を示しちゃったわけで。示したんじゃなくて、示しちゃったんだよね。なぜならば、悲しかったから。生きるということの辛さとか悲しさとかを、様々なかたちで体験してる。だけど、やっぱりロック・ミュージックっていうもっと希望のあるものにすがりたいわけだよね。で、俺たちはたまたまだけど、こういった音楽でつながるってやってるわけなんだけど。やっぱり、来週の約束をしたかったんだよね。<またね>って。

 

 ―スケジュールが入ってるっていう。

 TAKURO:ほんとに、毎年田舎に帰る、夏休みの子どもみたいな、おばあちゃんちに行って、川で遊ぶような、あの頃みたいな、そういった、当たり前にある未来みたいなものが、崩壊した時、誰もくれないんだったらもう自分で創るしかないって言う。バンドなんていちばん不確かな存在なんだけども、もうそんなことは、そんな小さなことはどうでもよくて、また5年後も会える約束しようぜ、っていう、そういう気持ち、なんですねきっと。

 ―なるほどね。でも希望を自己生産するバンドとしてのGLAYっていうのは、実にGLAYらしいですね。

 TAKURO:まあ、そうだよね(笑)



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―希望がないなら自分たちで創っちゃおうという。

TAKURO:約束があやふやなら、それを言葉にして向けてしまおうっていう。

 

 ―そう、箇条書きにして貼ればいいじゃないか、っていうのが長居スタジアム・ライブでの<7ビッグ・サプライズ>だったので。

 TAKURO:あと、誰かに自分たちの未来を委ねる<今>ではないだろう、っていう。やっぱりそこは、自分たちでいちばん楽しみな未来を自分たちで創らないとね、っていうのは、その2枚を通して感じたし、学んだことだよね。それともっと自分の作曲基準を上げることにした。今後の、この10年のGLAYを考えて。

 ―作曲の基準を上げるっていうのは、何かを自分に課すっていうこと?

 TAKURO:単純に、この手癖はやめよう、この気持ち良くなるメロディを、次からは全部やめようと思って。だから今回、<全部やろう>と思って。でも、俺にその手かせ足かせすると、書ける曲って結構少なくなるんじゃないかな。

―キラー・チューンがね。

TAKURO:キラー・コード進行とか、キラー・リリックとか。

 

―ありますよね。

 

TAKURO:そういうのを一回ちょっと封印しようと思ってるので、その前にやり残しのないように。もう、ドキドキですよ。だから『JUSTICE』の方は悔いのないように新しさも入れつつ、思いきりやりました。

 

 

■ALBUM……『JUSTICE』 1/23 on sale!

SONG LIST

1. WHO KILLED MY DIVA
2. ROUTE 5 BAYSHORE LINE(album ver.)
3. PARADISE LOST
4. LOVE IMPOSSIBLE
5. 真昼の月の静けさに(映画「草原の椅子」主題歌)
6. gestalt
7. JUSTICE[ FROM] GUILTY(album ver.)
8. 傷だらけの太陽
9. 運命論 (日本テレビ系「スッキリ!!」1月エンディングテーマ&うたパス×au Exclusive Live 企画テーマソング)
10. SMILE

ALBUM……『GUILTY』 1/23 on sale!

SONG LIST

01.~My Private “Jealousy”
02. everKrack(album ver.)
03. FACTORY
04. 冬の遊歩道
05. 華よ嵐よ
06. キリノナカ(album ver.)
07. 初恋を唄え
08. Bible
09. Ruby's Blanket
10. 君にあえたら

■LIVE……「GLAY ARENA TOUR 2013 "JUSTICE & GUILTY" 」

2/23(土)、24(日)大阪府 大阪城ホール
3/3(日)石川県 石川県産業展示館4号館
3/7(木)、9(土)、10(日)神奈川県 横浜アリーナ
3/16(土) 群馬県 グリーンドーム前橋
3/20(祝・水) 広島県 広島グリーンアリーナ 
3/23(土) 三重県 三重県営サンアリーナ
3/30(土)、31(日) 宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
4/6(土)、7(日) 北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
4/13(土)、14(日) 大阪府 大阪城ホール
4/20(土)、21(日) 愛知県 本ガイシホール
4/27(土) 、28日(日)福岡県 マリンメッセ福岡 
5/3(祝・金)、5(日)6(祝・月) 埼玉県 さいたまスーパーアリーナ

※詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。

 



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記事内容:TOWER+ 2013/1/10号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2013年01月10日 00:00

ソース: 2013/1/10

TEXT:佐伯 明