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インタビュー

折々のMEGが刻んだ現在地

 

1. 『mgrmx』 ワーナー(2003)

当時の表記はmeg。ここまでのシングルで発表された4曲を9ヴァージョン収めたリミックス集だ。セオ・パリッシュやDJアサルトといった大物と並んで、ヒロシ・ワタナベやnote native、valouの抜擢も印象的。

 

2. 『room girl』 ワーナー(2003)

レゲエからボッサまで多彩な意匠を着こなした初のアルバム。ミルトン・ナシメントや岡村靖幸、フリッパーズ・ギターのカヴァーもいいが、“ルームガール”“かなわないこと。”の切実なピュアネスに打たれる。

 

3. 『Dithyrambos』 Shampoo Nine(2006)

表記をMEGに改めて自主リリースした転機の一作で、凝った装丁も美意識を窺わせる。sugiurumnやGira Mundo、永積タカシらを招き、蔦屋好位置×中田ヤスタカの“rockstar”は次章への助走に。kagamiと共作した“lovelive”がとりわけ美しい!

 

4. 『aquaberry』 AZtribe(2007)

ナカムラヒロシ(i-dep)を全面プロデュースに起用し、前作から半年のスパンで発表されたサード・アルバム。世間的な乙女ハウスのブームともゆるやかにシンクロしつつ、サウンドは前作よりも慎ましやかでソフトな印象か。

 

5. 『BEAM』 ユニバーサル(2007)

インディーでの“甘い贅沢”と移籍シングル“OK”を前フリに中田ヤスタカが全面プロデュースした快作。capsuleのカヴァーや重めのエレクトロもある一方、“LOVE LETTER”に顕著なふわりとした柔和さは『Dithyrambos』から地続きな彼女だけの持ち味だ。

 

6. 『STEP』 ユニバーサル(2008)

世間的に中田サウンドが浸透するなか、“MAGIC”“HEART”という人気シングルを挿み、前作から半年で登場したヒット作。どこか郷愁を誘う“NATALIE”やスケール感のある“PRISM BOY”など、両者のキャッチーな部分が均等に融和した高値安定作と言えそう。

 

7. 『BEAUTIFUL』 ユニバーサル(2009)

硬質になった中田サウンドと生々しさを帯びた歌唱がギリギリのバランスで向き合った、彼女の最初の9年におけるひとつの到達点では。“JOKER”など甘さを抑えたアップが揃うなか、童謡のように響く“STAR”の和心といったら! 心地良い統一感と引き換えにハドーケン!とコラボした直前のシングル“FREAK”は未収録に。

 

8. 『JOURNEY』 ユニバーサル(2009)

前作から3か月で届いたミニ・アルバム。シャンハイ・レストレーション・プロジェクトことデイヴ・リアンのアンビエントロニカ世界をゆらゆらと旅した上品な小品集の趣。デイヴとは『LA JAPONAISE』で再会している。

 

9. 『MAVERICK』 ユニバーサル(2010)

先行曲“SECRET ADVENTURE”の流れで中田がビートの強度を抑制し、主役のヴォーカリゼーションの多彩さを意識したような〈声〉のアルバム。初期のMEG感も薫る“YOU”や生活感を滲ませた“もしも”、オーガニックな“花火”が新鮮でいい。

 

10. 『BEST FLIGHT』 ユニバーサル(2010)

置き土産のシングル『PASSPORT/PARIS』に続き、音楽活動の休止を受けてリリースされたベスト盤。“FREAK”や“MIRACLE”などアルバムに未収録だった曲も含むチョイスが興味深い。

 

11. 『LA JAPONAISE』 スターチャイルド(2012)

活動再開を告げたアニソン・カヴァー集。フランスで配信された6曲に“もってけ!セーラーふく”などを加え、より自由度を上げていくその後を予見させた。小室哲哉本人による“Still Love Her(失われた風景)”が息を呑む素晴らしさ!

 

12. “TRAP” スターチャイルド(2012)

『WEAR I AM』の先行カットとなる2年ぶりのシングルは、岡村ちゃんと再会したブラコン調のディスコ・ポップ! 通常盤には小西ビーツで疾走する森高千里“私がオバさんになっても”もアリ!

 

▼MEGの客演作を紹介。

左上から、Sound Aroundの2008年作『Sweet Music』(Riverside)、スネオヘアーの2008年作『バースデー』(エピック)、UKAWANIMATION!の2008年作『ZOUNDTRACK』(rhythm zone)、2008年のコンピ『HOUSE☆DISNEY』(WALT DISNEY)、テイトウワの2009年作『BIG FUN』(hug columbia)、RYUKYUDISKOの2009年作『pleasure』(キューン)、RAM RIDERの2012年作『AUDIO GALAXY』(クラウン)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年10月03日 18:00

更新: 2012年10月03日 18:00

ソース: bounce 348号(2012年9月25日発行)

ディスクガイド/出嶌孝次

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