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インタビュー

Tomato n' Pine 『PS4U』



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〈会えないときもそばにいる〉──ライヴの現場ではなく、部屋にいながらにして楽しめる素材、つまりハイセンス/ハイクォリティーな楽曲をコンスタントに提供しながら独特のフレグランスを放ってきたガールズ・ユニットがTomato n' Pineだ。現在のトリオ編成になって“キャプテンは君だ!”で2010年にデビューを飾って以来、通算4枚のシングル(+数曲のデジタル・シングル)をリリースし、それぞれが女優やグラビアなど個々の活動も展開する傍らでマイペースに人気を集めてきた。そんな3人がこのたび完成させたファースト・アルバム『PS4U』では、デビュー以来ずっと彼女たちをサポートしてきたクリエイター・チーム、agehaspringsの面々が引き続きプロデュースを担当している。

「ホント、いろんな曲を歌わせてもらえてるよね」(YUI)。

「アルバム用の新曲はチャレンジばっかりで。セリフにしろラップにしろメロディーやサウンドにしろ、すべてが新しいなって思います」(WADA)。

評価の高いこれまでのシングル曲に加えて、アルバムには新曲も多数。これがまた、耳にする前から抱いていた期待をも軽〜くクリアしてみせる出来映えになっている。オープニングの“Train Scatting”は、スキャットマン・ジョン“Scatman(Ski Ba Bop Ba Dop Bop)”のオマージュ的なハイエナジー・チューンだ。

「最初の(駅員風)アナウンスは私なんですけど、アルバムが始まった瞬間に〈何コレ!?〉って感じですよね(笑)」(WADA)。

「とにかくテンポが速いし、ノッていくのが難しかったよね」(YUI)。

「歌詞にカタカナが多くて、たまに自分がどこを歌ってるのかわからなくなるんですよ。カタカナが多いと大変だなあって(笑)」(WADA)。

ダンス・トラックとしてさらに強力なのは、ラテン・フレイヴァーの情熱的な“踊れカルナヴァル”だろう。

「私たち3人、オトナっぽいとかセクシーっていう感じには見られてないっていうことで、そうなってねっていう願いが込められた曲なんです(笑)」(HINA)。

「いままでにはないタイプの曲で、ラップがね、すごく難しかったです」(YUI)。

一方で“ためいきはピンク”は、切ない曲を聴いて切ない気分に浸るのが好きだというYUIが待ち望んだバラード・ナンバー。

「バラードは難しいって言われてたんですけど、感情も込めやすかったですし、テンポの速い曲よりは得意です(笑)」(YUI)。

「菊池桃子さんみたいに歌ってって言われました。事細かく指示されたことをメモして……〈ソーダ水〉の〈水〉は〈スィ〉に近い発音でとか」(HINA)。

他にも「〈フゥーッ〉て元気な掛け声が入ってたり、Tomapaiにありそうでなかった曲」(HINA)という夏らしいドライヴィンナンバー“大事なラブレター”では歌詞に渋谷系的なキーワードを盛り込む遊びゴコロも垣間見せているが、特に異色の“そして寝る間もなくソリチュード”は、ハード・ロックやメタルが大好きだというHINAのテンションも上がるナンバーだそう。

「前半は可愛らしい感じの曲で、振り付けもお人形さんみたいな感じだったりするんですけど、後半に向けてギターやドラムの音が激しくなっていって……」(HINA)。

「フリーな部分が多いので、ライヴでああしようこうしようっていうアイデアがいっぱい浮かぶんですよ」(YUI)。

今年2月からはクラブでのレジデント・パーティー〈POP SONG 2 U〉をスタートさせ、パフォーマンスにも磨きをかけている3人だけに、今後はライヴで〈会える〉存在としての活躍にも期待しよう。



PROFILE/Tomato n' Pine


各人がグラビアアイドルや女優として活躍する、HINA(草野日菜子)、YUI(小池唯)、WADA(和田えりか)から成るガールズ・ユニット。2009年に小池と奏木純によって結成され、4月にミニ・アルバム『Life is beautiful』を発表する。2010年より現在のトリオになり、5月のファースト・シングル“キャプテンは君だ!”にて新生デビュー。2011年3月の“旅立ちトランスファー”にてメジャー・デビューし、8月に“なないろ☆ナミダ”、12月に“ジングルガール上位時代”とコンスタントにシングルを発表していく。今年に入って、レジデントを務めるクラブ・イヴェント〈POP SONG 2 U〉を開始。配信シングルなどを経て、8月1日にファースト・アルバム『PS4U』(ソニー)をリリース!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年10月01日 19:00

更新: 2012年10月01日 19:00

ソース: bounce 346号(2012年7月25日発行)

インタヴュー・文/久保田泰平