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インタビュー

絢香 『The beginning』

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 ついに絢香が帰ってきた。この2年間、表立った活動を休止していたが、
しかしその一方で<創作の火>は消さずにいたようだ。
その証となるのが初のセルフ・プロデュ-ス作品『The beginning』。
彼女の第二章の幕開けを予感させるタイトルだが、そこにはどんな想いが込めらているのだろうか……。
さっそく彼女に会いに行った。

「“The beginning”という言葉の意味は、自分の<原点>に立ち返るということでもあるんです」

 デビュー曲“I believe”で、早くもトップ・ア-ティストの仲間入りを果たした絢香。
その後も快進撃が続くが、結婚を発表し、活動休止という大きな決断を下し
話題になった。
あれから2年。でもこの時間こそが、さらに羽ばたくための助走となったのだろう。



「休むと決めてからの2年間を振り返ると、今はそのすべてが
<必要な時間だったんだな>って思います。
もちろん考えに考えて決めたこととは言え、時にステージに立っていた
自分の姿を振り返ったりしてしまうこともあったし、焦りを感じることも
ありました。でもふとした時に、<あ、こういうところにも幸せってあるんだ>って分かったことのほうが多かった。
今日はご飯を上手く作れたなとか、好きなCDを一杯買って聴こうとかって
いう、もうなんてことない事ですけど、そのすべてが新鮮でした」



『The beginning』のなかの13曲は、そんな日々から生まれたものだった。
これまでの彼女はドラマのタイアップといったお題があることも
創作の大きな糧となったが、この作品集はそこが大きく違う。
すべての作品は、まっさらなところからスタ-トした。



「<いついつまでに>という、期限も何もない中でやってましたからね。
それこそご飯作ってたらパッと浮かんで、このメロディーは残したいって
ピアノの前に座ったりだとか、そうやって音楽と自然に向きあうことで
生まれたものばかりなんですよ。
曲を書かなきゃとかって意識して作ったものは一曲もないです」



だからこそ、今現在の彼女の心情が、鏡のようにそのまま素直に映し出されているのかもしれない。
タイトル曲“The beginning”などは、まさにそうだろう。



「この曲で伝えたかったのは<ありのままの自分でいることの大切さ>というか……。
いままでもそのつもりでいたけれど、なかなかそうもいかなかったので。
だから“The beginning”という言葉の意味は、<原点>に立ち返る、ということでもあるんです。
もちろん、ここから再び始まるという意味に受け取って頂いても構わないんですが、
むしろその想いは、1曲目の“はじまりのとき”の方が強いのかもしれない。
<誰にでも、何度でも、始まりの時があっていいんだ。自分も新たなスタ-トを切るんだ……>
そのことを思い描きながら書いた曲なので」




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他にもアルバムには、彼女の等身大の気持ちでありつつも、ア-ティストとして
新たな地平を響かせる作品が並んでいる。
まさにこの音楽は生活の中から生まれたんだということを垣間見せる“笑顔のキャンバス”。
理屈を越え、彼女というシンガ-のシャウトが文句無く心地よい“Hello”。
エスニックな要素も取り入れ、大胆に新生面を見せる“HIKARI”。
シンプルなピアノの音とともに切々と歌いあげる絢香バラ-ドの新定番になりそうな“空よお願い”。
森永ミルクココアのCMとしてお茶の間に流れ、歌詞の色彩表現のグラデ-ションが心に深く届く“やさしい蒼”。
初期には憧れや空想から綴った詞もあったが、この作品集にそれはない。すべて彼女の実感から生まれている。



そして注目すべきは“THIS IS THE TIME”という楽曲である。実はアレンジのクレジットを見ると
<Ayaka Band>とある。ファンは再び彼女とコンサ-トで会える日を夢見ている。



「実はお休みに入ってまっさらな状態になったら、ふとこれからのステ-ジに立つ自分の姿が
頭を過ったんです。寝ていて、そんな夢もみました。そして<そこに向かって行かなきゃ>とも思った。
その想いが形になった曲です。まだまだ新たなスタ-トといっても、何も見えない時期だったので、
だからこそ“THIS IS THE TIME”なんて強い言葉にしたのかなって、今になって思いますけどね」



彼女のTwitterには、「こういう時にこの曲を聴いて、自分も頑張ろうと思った」といったファンからのメッセ-ジが、
多数寄せられ続けていたという。
そしてそれは、<またステ-ジに立つんだ>という、そんな想いの背中を押した。



もしステ-ジに立ったらMCの第一声は?と、そう彼女に訊ねた。

「やっぱり<ただいま~>かな?」

彼女はそう答えた。
でも客席は、きっとそれより前に、彼女の代表曲のひとつ“おかえり”を大合唱していることだろう。






■New Album……『The beginning』 2/1 on sale!

■SONG LIST……
01.はじまりのとき (レコチョク TV-CFソング)
02.Hello(ヤマザキ「ランチパック」 CMソング)
03.アカイソラ
04.The beginning (ヨコハマタイヤ「ブルーアース」CMソング)
05. HIKARI
06.空よお願い
07.繋がる心
08.THIS IS THE TIME
09.そこまで歩いていくよ(クボタ 企業TV-CMイメージソング)
10.笑顔のキャンバス
11.Magic Mind
12.キミへ
13.やさしい蒼(森永ミルクココア CMソング)




■ LIVE……絢香LIVE TOUR2012 The beginning ~はじまりのとき~

4/27(金)、28(土) 日本武道館
5/9(水)神戸国際会館
5/12(土)ひめぎんホール
5/17(木)倉敷市民会館
5/19(土)広島文化交流会館
5/25(金)新潟県民会館
5/27(日)本多の森ホール
6/9(土)ニトリ文化ホール
6/22(金)青森市文化会館
6/23(土)仙台サンプラザホール
7/3(火)、4(水)名古屋センチュリーホール
7/13(金)福岡サンパレス
7/25(水)大阪城ホール

※詳しくはHPにて。

■ PROFILE…絢香(あやか)

2月18日生まれ大阪府出身。06年2月1日「I believe」でデビュー。
これまでに10枚のシングルと2枚のオリジナル・アルバム、ベスト・アルバム1枚をリリース。
ファーストアルバム『First Message』は出荷枚数140万枚を超え、
09年にリリースしたベスト・アルバム『ayaka's History 2006-2009』でもミリオンを記録した。
デビューからちょうど6年後の2012年2月1日、初のセルフ・プロデュースアルバム『The beginning』をリリースし、
春からは全国ツアーも予定されている。



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記事内容:TOWER 2012/1/20号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2012年01月20日 12:00

ソース: 2012/1/20

TEXT:小貫信昭