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インタビュー

LONG REVIEW――the GazettE 『TOXIC』



the GazettE_J

鳴らされている音が極端であればあるほど、ポピュラリティーを増す。牙が鋭いほど、多くの人たちに突き刺さる。わかりやすく甘口なテイストよりも、感電しそうなほどの激しさのほうが、〈ポップ〉と成り得る。J-Popのチャートだけを見ているとそんなことを言われても信じられないかもしれないけれど、少なくとも全米No.1まで上り詰めた2000年代のUSヘヴィー・ロックの雄=スリップノットのように、海外ならば普通にあり得る価値観。そしてthe GazettEは、日本においてそれを体現している稀有なバンドである。


2年3か月ぶりのフル・アルバム。レーベル移籍後のシングル曲“SHIVER”“Red”“PLEDGE”“VORTEX”が収録されているが(最新シングル“REMENBER THE URGE”は未収録)、本作の核になっているのは、そのなかでもっとも激しくアグレッシヴな“VORTEX”。サビ前の転調など曲展開もかなり変態的だ。アルバムにも“VENOMOUS SPIDER'S WEB”“THE SUICIDE CIRCUS”などデジタル処理を活かしたヘヴィーなナンバーが並び、シャッフル・ビートに強烈なシャウトが乗っかる“MY DEVIL ON THE BED”など新機軸を感じさせる曲も多い。ラスト“Omega”の1分37秒に詰め込んだカオスっぷりも強烈だ


昨年末の東京ドーム公演を経て、バンドにとっての〈王道〉が何かを改めて見出した彼ら。いまのthe GazettEにとって、ヘヴィー・ロックとしてのサウンド・クォリティーの高さ、そして異端であることに誇りを持つエクストリームな発想が何よりの武器になっていることを如実に示す一枚だ。


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掲載: 2011年10月05日 18:04

更新: 2011年10月05日 18:04

文/柴 那典