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インタビュー

浅川太平

カテゴリ : インタヴュー 

掲載: 2011年05月06日 21:03

更新: 2011年05月06日 21:08

ソース: intoxicate vol.91 (2011年4月20日発行)

interview & text : 佐藤英輔

「ジャズの〈美〉を突き詰めた作品にしようと思った」

知る人ぞ知る、先鋭現代派のジャズ・ピアニストである。77年札幌生まれ、3歳からクラシック・ピアノを習い始めた彼は、ジャズに興味を持つのも早かった。

「小学生の時、姉が持っていたビル・エヴァンスのレコードを聴いて興味を持ちました。しかし、それをジャズだとはあまり意識していなかった。エヴァンスの音楽だと思っていました。結局、自分のスタイルを持つことに憧れていたんだと思います」

彼のピアノは甘い旋律を弾いたとしても、凛とした風情をもつ。それは、札幌育ちという事と関係あるのだろうか。

「大いにリンクしていると思います。故郷の〈寒さ〉は私のサウンドによい緊張感を与えてくれました。だとしたら、メロディは〈暖炉〉でしょうか」

洗足学園短期大学でジャズを学んだあとNYで見聞を広げるなどもし、ミレニアム以降、大々的に活動している。07年にはデビュー作『浅川太平』をリリース、本人はそれを「よく練られた逸脱」と振り返る。そして、満を持して発表する第2作が『カタストロフィ・イン・ジャズ』だ。

「この3年強のあいだ、インターネットの影響により恐ろしいスピードで社会は多様化しすぎました。社会の変化に創造を多面的に加速させながらも、いつも求めていたことはひとつのメロディ、ひとつのヴォイス。いかにシンプルでいられるか。そして、体がピアノとなることで、どこまで向こう側の〈鳴り止まぬもの〉に到達できるか、でした」。さらに新作を、彼はこうも説明する。「ジャズの〈美〉を突き詰めた作品にしようと思った。それは、〈美〉そのものをただ表現することではなく、〈美〉が思いもかけずに傷ついたり復活するプロセスを見せることです」

新作に収められた詩的にして、生理的に挑戦的な曲はすべて浅川のオリジナル。そこには、加藤真一(ベース)と橋本学(ドラム)とのトリオ編成曲を中心に、ソロやドラムとのデュオ曲が無理なく共存する。

「加藤真一のメロディ、橋本学のハーモニーを踏まえた結果、それぞれの曲がその編成になりました。二人ともソロ・ライヴができるスタイリストで、百戦錬磨。共演者には、自分だけのヴォイスを持っている人を求めていると思います」

CDには、彼自身による曲解説が添付される。それを読むと、広範な興味、奥深い思慮が表現に跳ね返っているのがよく分る。「文でも想像を刺激したかったし、オリジナル集なので最低限の礼儀かなと思いました」。そんな彼は、 「日本語、思想、詩、宗教、絵、絵本に興味があります。実際、詩や小説も書いています。本の虫」だそう。

将来の展望としては交響曲を書きたいとも言うが、新作は彼が持つ世界の100%を顕した内容であるという。やはり、そこには〈現代生活者の敏感な心の揺れ〉と〈ジャズであることやアートであらんとすること〉の見事な拮抗の具現がある。

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