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インタビュー

INTERVIEW(4)――隙間が美しいアルバム

 

隙間が美しいアルバム

 

Plastic Tree_subA

 

――そんな12曲……通常盤のボーナス・トラック“spooky”も含めると13曲ですが、最初にお話したように、流れもすごくいいと思うんです。この曲順は、スムーズに決まりました?

長谷川「流れはメンバーで意見を出し合って決めたんですけど、構成の仕方はみんな、わりと似たような部分もあって。だからまあ、そこはある意味、デザインしやすいアルバムだったかもしれない」

――オープニングと……。

長谷川「エンディングが」

有村「エンディングは……悩みましたねぇ」

――本編のエンディングは、ケンケン(ドラムス)さん作曲の12曲目“ブルーバック”。エモーショナルなラストには“Thirteenth Friday”とはまた違った浮遊感があって、余韻が残る作りになっている……んですけども、通常盤のほうでは13曲目の“spooky”でふたたびかき回されるという。

長谷川「うん。このへんの不条理感がね(笑)」

――ゴリゴリにドライヴする、グランジ~オルタナ感が全開な楽曲で。

有村「ふふ(笑)」

長谷川「そうですね。他に表現のしようがないですよね(笑)。こういう曲が上手い具合に本編のほうにはなかったんで、おもしろいかな、って」

有村「うん、出来てよかった」

――この曲は、本編が全曲揃ったうえで作ったんですか?

有村「そうですね。アルバムの曲が大体出来たときに……もともとは12曲だったんだよね?」

長谷川「うん」

有村「だけどもう1曲、こういうキャラの曲ほしいよね、って言ってたら、正くんが〈あ、俺、ネタある〉って持ってきて。で、メンバー4人でスタジオ入って、エンジニア的なところも含めて4人だけで録ろうって。この曲だったらそのほうがおもしろいんじゃないか、って話をしてたんですけど、俺が病気になっちゃって……ちょうど、入院して2日目ぐらいかな? 俺は結局参加できなかったんですけど、メンバー3人で録ってきて」

――聴いたとき、いかがでした?

有村「嬉しかったですね。他の曲は全曲うちでプリプロをやったんですけど、この曲だけは急に出来ちゃったやつだから、その日に初めて聴いたんです。あと、スタジオで一気にガーン!って録ろうって言ってた曲というのもあって、聴くのを楽しみにしてて。それで出来たの聴いたら格好良かったから、すげえ!って」

―― 一発録りなんですか?

長谷川「楽器はほぼ、そうですね。細かいことは抜きにして、いつもライヴでやってるガツーンとした感じが残せればいいかなと思って」

――最後にそういう曲を持ってきたかった?

長谷川「そうですね。『アンモナイト』っていうアルバムの世界観は“ブルーバック”で一応は終わりなんですけど……なんて例えたらいいのかな? まあ『アンモナイト』っていう建物は12階建てで終わるんですけど、実は、ポコッと屋上があった、みたいな(笑)。そこでまた、ちょっと違う景色が見える。なんかね、全曲揃って、全体の構成を考えたときに、〈このアルバムは隙間がすごく美しい作品だな〉と思ったんですよね。音の持っている隙間が、すごく綺麗なアルバムだな、って。でもPlastic Treeってそういう部分だけにとどまらず、ちょっとガチャガチャしたカオスな部分もあったりするんで、一旦12曲目で完結させたうえで、そういうところを〈ガン!〉と露骨に出した曲が1曲ポコッとあってもいいのかなーって。なんかね、寝てて、ガバッて起きて、〈うおーっ! 夢だったのか!!〉みたいな(笑)。いきなり現実に帰ってきちゃう、みたいな(笑)」

――(笑)美しい余韻を漂わせて終わるはずが、夢オチのパターンもあると。

長谷川「うっとりして終わりか……と思いきや、そうはいかない、っていう。そういうところもPlastic Treeらしかったりするのかな、って思いますね(笑)」

 

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2011年03月30日 21:00

更新: 2011年04月01日 14:58

インタヴュー・文/土田真弓

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