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インタビュー

Perfume(2)

自分たちは変わりようがない

 ニュー・シングルの『Baby cruising Love/マカロニ』も、もちろん中田のプロデュース。ポップでキュートな面は残しつつ、4つ打ちのリズムに懐かしさと切なさを感じさせるダンス・ナンバー“Baby cruising Love”と、ソウル・テイストも採り入れたミディアムの“マカロニ”という両A面で、新境地を開拓した印象だ。

「たくさんの人に聴いてもらえた“ポリリズム”の次だから、その流れでまた同じような曲調だって思ってたんですよ。そしたら全然違うタイプの曲だったのでビックリしました」(あ~ちゃん)。

「中田さんの音には感情を入れない声がいちばん合うって、4年間教え込まれてきたんです。でも今回はいままでのどの曲よりも人間味がある歌詞なので、思わず感情が入っちゃいました」(のっち)。

 そして、中田以外のクリエイターによるプロデュースの可能性が今後あるのかを問うと、口を揃えて「それはないです」と返ってきた。

「最初は声にエフェクトをかけられることに抵抗があったのは事実。けど、中田さんの作る音を知るにつれて違和感がなくなって、最近は逆にエフェクトがないと緊張します(笑)」(のっち)。

「これからもいろんなこと……例えばヴィジュアル系メイクして歌ったりとか、してみたいですけど、テクノという部分は絶対に外したくないです」(かしゆか)。

「たぶん、Perfumeからテクノを外すとすごく普通の人になると思うんですよね。ウチらはもう〈中田教〉の信者なのかもしれません(笑)。曲は中田さんが作ってくれて、振付けはアクターズ時代からの先生がしてくれて。Perfumeは言われたとおりに歌って、踊ってるだけ。だから、いくら周りの反応が変わろうとも自分たち自身は変わりようがないんです」(あ~ちゃん)。

 こうした一連の発言から、もしかしたらこの状況をいちばん冷静に捉えている(もしくは理解できていない!?)のは彼女たち自身なのかもしれないという気がしてきた。本誌の撮影中も衣装やポーズについて積極的に意見を出す場面も多かったことを考えれば、与えられた環境のなかで個を打ち出していくクリエイティヴィティーも高いと言える。受け入れる器の大きさに加え、求められる以上のものをアウトプットできる技量の持ち主。2008年もPerfumeから目が離せないのは間違いなさそうだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年02月07日 21:00

更新: 2008年02月07日 21:28

ソース: 『bounce』 295号(2008/1/25)

文/片貝 久美子

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