「R-1グランプリ」勝者・お見送り芸人しんいちが実践!誹謗中傷されてもへこたれないメンタルキープのコツ&“隙間”を狙う処世術

さまざまな人と関わるうえで、周囲の評価をつい気にしてしまうことは決してめずらしくない。なかには、他人から嫌われないように行動するのが癖になっている人も多いのではないだろうか。「社会で役立つ“処世術”を身につけたい」という人にこそ一度手に取ってほしいのが、お見送り芸人しんいちの著書「嫌われ者って金になる!」だ。
●自分のほうが幸せなら誹謗中傷は怖くない!
著者のお見送り芸人しんいちは、大阪府出身のお笑いタレント。ピン芸人No.1を決める大会「R-1グランプリ2022」で優勝を果たし、レギュラー番組をはじめとした多くのテレビ番組で活躍している。
しんいちといえば、“炎上”または“嫌われ芸人”といったイメージが強いかもしれない。SNSが広く普及している昨今では、実際に彼に向けた誹謗中傷の言葉が多くの一般人から寄せられている。
ところがそうした誹謗中傷の数々に対して、しんいちは「怖い」と感じたことがほとんどないと語る。なぜなら彼は、「誹謗中傷してくる人たちよりも自分自身のほうが幸せ」だと本気で信じているからだ。
給料日がやってきて明細を見ると、余裕で親孝行できる金額をもらえている。「吉村カー」という、(平成ノブシコブシの)吉村崇さんからいただいた2000万円するスーパーカーも所有しているし、先日は森香澄さんと一緒に仕事をした。尊敬する明石家さんま師匠に「しんいち、お前な~!」と頭を叩かれた。
どれもミーハーで俗っぽい幸せですが、僕にとってのいい思い出、幸せな時間が、脳みその一番上の引き出しにたくさん入っているんです。なので、つらいことがあっても幸せな出来事をパッ! と思い出せるから、つらさや悲しさをあんまり引きずらない。 (※注)
どれだけ厳しい言葉を向けられてもへこたれないしんいちの強さは、“幸せ”に重きを置く独自のメンタルキープ術があってこそだといえるだろう。
●イヤなヤツは“幸せの天下一武道会”でこらしめる!?
もちろんしんいちも人間なので、いつも平常心を保てるわけではないそう。今にも怒りが爆発してしまいそうになる瞬間に彼が実践しているのが、“幸せの天下一武道会”だ。
天下一武道会とは、マンガ『ドラゴンボール』に登場するバトルイベントのひとつ。作中では武術を極めたキャラクターたちが世界中から集い、最強のひとりを決めるために熾烈な戦いを繰り広げる。
『ドラゴンボール』における天下一武道会がフィジカルの強さを競うのに対し、しんいちがおこなう“幸せの天下一武道会”で重視されるのはそれぞれの“幸福度”。誹謗中傷してきた相手に向かい、脳内でありったけの幸せエピソードをぶつけていくのが特徴だ。
頭や心の中で思っているだけなら、どれだけ他人と比べても大丈夫。「今の自分のほうが断然幸せだぞ!」って脳内で勝ち続けていくうちに、心が軽くなっていくと思います。
ムカつくことがあったら、自分が孫悟空になったつもりで“幸せの天下一武道会”を開催して、イヤなヤツを脳内でぶっ飛ばしてください。 (※注)
●隙間産業で自分だけのポジションを確立
一部から批判や誹謗中傷を受けつつも、その状況を逆手にとり“嫌われ芸人”として活躍しているしんいち。彼の処世術の極意は、“自分の席を自ら用意しにいく姿勢”にある。
かつてインターハイ常連校の名門サッカー部に所属するも、プレーで活躍できなかったしんいちは、“場の盛り上げ役”を担うため行動。ほかの誰もやっていなかった方法で、彼自身がもっとも輝けるポジションを確立した。そしてこの隙間産業的なノウハウは、猛者たちばかりが集う芸能界に身を置く現在でも活かされているという。
ある時はひたすらガヤで悪口を言い、ツッコミを入れられたりして「なんやねん!」とリアクションする。ある時はドッキリを仕掛けられて、ありえない失態をさらす。
強烈なボケにもツッコミにもなれないけれど、その場にいたらちょっとは助かるだろうという隙間の立ち位置で“しんいちっぽさ”という、勝手に作ったポジションをやらせてもらっています。
もちろん正攻法で挑むことは大事だし賞賛されるべきこと。ただ、この世界には正攻法以外の道もたくさん存在しているんですよね。 (※注)
お見送り芸人しんいちらしい、“したたかさ”が垣間見える本書。ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。
(※注)お見送り芸人しんいち「嫌われ者って金になる!」より引用
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掲載: 2025年11月25日 21:00

