注目アイテム詳細

Naxos~2025年12月第1回発売新譜情報(9タイトル)

金管楽器のための協奏曲集

CD(9タイトル)




■作品詳細

今回はチック・コリアのトロンボーン協奏曲を初演者ジョゼフ・アレッシが録音した、金管楽器をフィーチャーした現代アメリカの協奏曲集に、チャイコフスキー・コンクール優勝者のアフナジャリャンが参加した、アレクセイ・ショール:作曲家のノート第6集、チェコの作曲家フェルステルの交響曲第2番、アルブレヒト・メンツェルが弾くメンデルスゾーンとシューマンのヴァイオリン協奏曲、シールドの弦楽三重奏曲集など、世界初録音を含むCD9タイトルがリリースされます。

一部世界初録音
金管楽器のための協奏曲集 - チック・コリア:トロンボーン協奏曲、ワーナー:コルネット協奏曲、ヒグドン:ロー・ブラス協奏曲
ジョゼフ・アレッシ(トロンボーン)、ホセ・シバハ(コルネット)、ジャンカルロ・ゲレーロ(指揮)ナッシュヴィル交響楽団、ほか

【ジョゼフ・アレッシが吹くチック・コリアの遺作トロンボーン協奏曲、管弦楽版初録音!】
金管楽器をフィーチャーした現代アメリカの協奏曲を収めたアルバム。注目はジャズの巨匠チック・コリア最後の作品の1つとなったトロンボーン協奏曲です。これは1985年からニューヨーク・フィルの首席奏者を務めているトロンボーン界のレジェンド、ジョゼフ・アレッシが、ピアニスト小曽根真を通じて委嘱したもの。コリアのアレンジャーを長年務めたジョン・ディクションによるオーケストレーションを経て、2021年9月にサンパウロで初演、2022年にはギルバート指揮の都響と日本初演を行い大喝采を浴びています。コリア自身初演への参加を望んでいましたが、2020年後半に曲が完成した直後から闘病生活が始まり、翌年2月、実演を聴くことなく世を去りました。曲はトロンボーン1本のインプロヴィゼーションで始められた後、最後までソロが活躍し続け妙技をたっぷりと味わえるもの。トロンボーンが持つ抒情性、パンデミック初期の世界の混沌、ラテン的な色彩感などが盛り込まれ、ところどころに顔を出すコリアらしいフレーズはもちろん、非常に新鮮な響きも聴かれる意欲作です。アレッシはこの作品を2023年に吹奏楽団と共に録音していますが、管弦楽団との共演では今回が待望の初録音。初演時も指揮を務めたゲレーロと共に、目の覚めるような素晴らしいパフォーマンスを聴かせます。ワーナーのコルネット協奏曲は19世紀に流行した音楽へのオマージュとして書かれたウィットに富んだ作品。ヒグドンの作品はオーケストラで中低音を受け持つ金管楽器群(3本のトロンボーンとチューバ)との協奏交響曲的作品で、メロディアスでパワフルなサウンドが印象的です。
(ナクソス・ジャパン)

アレクセイ・ショール(1970-):作曲家のノート 第6集 - チェロ協奏曲第2番、第3番、私の子供たちのための2つの歌 他
セルゲイ・スムバチャン(指揮)ダニエル・ライスキン(指揮)キーウ・ヴィルトゥオージ、ナレク・アフナジャリャン(チェロ)、ドミトリ・ヤブロンスキー(チェロ)

心安らぐメロディとハーモニー、安心感のある古典的な構成、現代的で爽快なスピード感などが絶妙にマッチして人気を高めつつあるショール作品。チェロ協奏曲ではチャイコフスキー・コンクールの優勝者、アフナジャリャンを独奏者に迎えているのが大きなポイントです。
「チェロ協奏曲第2番」は新型コロナ感染症のパンデミック期に生まれた作品で、どこか暗く不安な雰囲気を帯びています。第1楽章では独奏チェロとオーケストラが絶え間ない掛け合いを繰り広げ、第2楽章では悲しみを込めたチェロの旋律が印象的に響きます。終楽章では緊張感のあるテーマが再び現れ、華やかな技巧でクライマックスを迎えます。「チェロ協奏曲第3番」は、ショールらしい抒情性と技巧が光る作品です。第1楽章はリズミカルで明るく、第2楽章ではチェロがまるで歌うように心を込めて旋律を奏で、第3楽章ではエネルギッシュでスリリングな展開が楽しめます。
「ユモレスク」と「私の子供たちのための2つの歌」は、父親としての愛情が込められた温かい小品です。「ユーモレスク」は軽やかでどこか懐かしく、「マークの子守歌」は優しく包み込むような音楽、「ナタリーのワルツ」は娘の誕生を喜びに満ちたワルツで表現しています。
(ナクソス・ジャパン)

ヨゼフ・ボフスラフ・フェルステル(1859-1951):交響曲第2番、交響詩「シラノ・ド・ベルジュラック」
マレク・シュティレツ(指揮)フラデツ・クラーロヴェー・フィルハーモニー

プラハ生まれの作曲家ヨゼフ・ボフスラフ・フェルステルは、ドヴォルザークの後任として聖ヴォイテフ教会でオルガニストを務めた後、ハンブルクではマーラーと交流を深めました。「人間の魂の美の表現」を信条とし、5曲の交響曲をはじめ、歌曲、オペラなど200曲に及ぶ多彩なジャンルの作品を書いたチェコ音楽界の重要人物です。「交響曲第2番」は、妹の死を悼んで書かれた深い哀しみを湛えた作品です。瞑想的な第1楽章、葬送を思わせる緩徐楽章、軽妙なスケルツォを経て、終楽章では哀しみが力強い勝利の賛歌へと昇華されます。交響詩「シラノ・ド・ベルジュラック」は、エドモン・ロスタンの戯曲に基づく「5つの交響的イメージ」からなる組曲。第1曲はシラノの秘めた愛をチェロとオーボエが描き、第2曲はロクサーヌの心情に寄り添う内省的な間奏曲。第3曲はシラノとド・ギッシュの対話を生き生きと描くスケルツォ、第4曲はドラマの頂点を成し、情熱と憧憬が交錯する壮麗な音楽。第5曲はシラノの回想が描かれ、愛と諦めが静かに融け合い曲を閉じます。マレク・シュティレツは、チェコのロマン派および現代音楽のスペシャリスト。世界各地のオーケストラと共演し、30枚を超えるアルバムを発表するほか、古楽の分野でも活躍しています。
(ナクソス・ジャパン)

メンデルスゾーン、シューマン:ヴァイオリン協奏曲
アルブレヒト・メンツェル(ヴァイオリン)、ロベルト・ファン・スタイン(指揮)ライプツィヒ交響楽団

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調は、長期にわたる作曲期間と、献呈先であるフェルディナンド・ダヴィッドとの共同作業を経て生み出され、初演時から大成功を収めた人気作です。一方、シューマンのヴァイオリン協奏曲は、斬新な和声と劇的な雰囲気を持つ晩年の作品。シューマンの死後、初演されることもなく80年間も忘れられていましたが、近年は演奏機会も多くなっており、このアルバムのソリストのメンツェルも「この曲が作曲家の内面世界を、最も深い苦悩から最高の歓喜に至るまで明らかにしている」と捉えています。
アルブレヒト・メンツェルは、ポーランドのリピンスキ国際コンクールでグランプリ、パガニーニ国際コンクールやダヴィッド・オイストラフ・コンクールで上位入賞を果たし、13歳でドレスデン音楽祭にソリストとしてデビューしました。ロンドン・フィルやミュンヘン放送管など多数のオーケストラと共演し、クルト・マズア、ヴァシリー・ペトレンコらのもとで演奏。アンネ=ゾフィー・ムターとベルリン・フィルやカーネギーホールなど国際的会場で共演し、室内楽ではギドン・クレーメルやイゴール・レヴィットらと活動。マスタークラス参加や奨学金受賞歴も豊富で、OEHMS CLASSICSからはアルバム『thoughts』をリリース。自身が創設した音楽祭やコンサート・シリーズを主催するなど多彩な活動で知られます。
(ナクソス・ジャパン)

エンリケ・グラナドス(1867-1916):スペイン舞曲集、スペイン奇想曲
アスレホス・ギター・デュオ

グラナドスの初期ピアノ作品『スペイン舞曲集』と『スペイン奇想曲』は、スペインの民俗音楽と洗練された旋律を見事に融合させています。各曲には文化的・個人的なつながりを示唆する献辞が付され、それぞれが独自の色彩を放つもの。多くの舞曲は三部形式(A-B-A)という構成を基本としていますが、なかには例外的な形式を持つ曲もあり、第3番や第9番では変奏や新しいエピソードが取り入れられるなど、19世紀ヨーロッパで流行したピアノ音楽やサロン音楽の影響も感じられ、第4番「ビリャネスカ」ではルネサンス音楽への関心もうかがえます。またピアノで描かれたスペインの情景は、ギター・デュオの編曲でも自然に表現され、音楽的絵画としての魅力が際立っています。
演奏はアスレホス・ギター・デュオ。ペーザロ生まれのデラ・キアーラは、故郷の音楽院とシエナのキジアーナ音楽院で研鑽を積み、パレルモ・マッシモ劇場管やマルケ・フィル等と共演。2024年にナクソスから初のギター作品アルバムをリリース(8.579103)、好評を博しました。ロカットはステファノ・グロンドーナに師事し、いくつかの国際コンクールで入賞を果たしています。パルマやフェラーラのオーケストラと共演し、欧州やオーストラリア、メキシコのフェスティバルにも出演するなど注目の奏者です。
(ナクソス・ジャパン)

一部世界初録音
デューシャン・ボグダノヴィチ(1955-):ギター作品集 - ギター・ソナタ第1番、光と影 他
ダニエラ・ロッシ(ギター)

ユーゴスラビア出身のギタリスト・作曲家デューシャン・ボグダノヴィチ。ジュネーヴ国際コンクール第1位を獲得後、カーネギーホールでのデビューリサイタルを経験。多彩な録音活動にはスティングとの共著『Prisms』も含まれます。彼はルネサンス、クラシック、世界の民族音楽(特に東欧・アフリカ)、ジャズなどを融合させた、現代の多様性を体現する音楽を生み出しています。このアルバムにはボグダノヴィチのキャリア全体を象徴する作品を収録、後期の作品の多くはここで演奏するギタリストのダニエラ・ロッシに献呈されています。初期のソナタ第1番は、バルトークやストラヴィンスキーとバルカン民俗音楽の影響が顕著です。カリフォルニア時代の「ビッグ・バンド組曲」「ラテン風変奏曲」は、クラシックとジャズの融合を示し、密度の高い対位法と多彩なリズムが特徴で、聴き手を惹きつけます。後期作品では、ロッシの名前を織り込んだ「ロシニョール」や2つの変奏曲、「ソナチネ」他が収められており、即興性や民俗的要素、古典的形式の採用、複雑な対位法の駆使など、多面的な創作世界を反映しています。ダニエラ・ロッシはアルゼンチン出身。レオ・ブローウェルに「エネルギーと、表現、完璧な技術を持ち合わせた演奏家」と評価された名手です。
(ナクソス・ジャパン)

ガエターノ・ドニゼッティ(1797-1848):歌曲集
マルガリータ・グリツコヴァ(メゾ・ソプラノ)、マリア・プリンツ(ピアノ)

オペラ作曲家として名高いドニゼッティは200曲余りの歌曲も書きました。美麗な旋律と劇的な感情表現に富んだ歌曲の数々は、近年研究と再評価が進み、演奏・録音の機会が増えています。当アルバムの収録曲でも「私があなたを愛しているかどうか、私に聞く」や「子守歌」が、洗練された詩情と親密な抒情が響き合い、最上級のものと評価されています。
サンクトペテルブルク出身のメゾ・ソプラノ、マルガリータ・グリツコヴァは、ウィーン国立歌劇場などで活躍し、モーツァルトやロッシーニ作品で高い評価を得ています。豊かな表現力と劇的な感性が魅力です。ピアニストのマリア・プリンツは、ムーティやマリナー、小澤征爾らと共演し、世界各地の主要ホールで演奏する演奏家。精緻で洗練された音楽性を誇ります。2人はこれまでにナクソスからショスタコーヴィチ、チャイコフスキー、プロコフィエフの3枚のアルバムで共演、どれも高く評価されています。
(ナクソス・ジャパン)

一部世界初録音
ティモシー・コーリス(1972-):合唱作品集 - 不滅、平和のミサ 他
エジソン・シンガーズ、ノエル・エジソン(指揮)、ほか

ジュノー賞にもノミネートされたカナダの作曲家ティモシー・コーリスの合唱作品は、深い精神性と社会意識を融合した独自の世界を築いています。アルバムに収録されているノエル・エジソンの委嘱作「不滅」は、ニューヨークの活気を映すエネルギッシュで、聴衆を圧倒するパワーを持つ作品。キリスト降誕における聖なる女性性を讃えた「おお、大いなる神秘」、彼の代表作「平和のミサ」は、典礼と社会運動という異なる世界を融合させ、平和への祈りを音楽化したものです。他には自然への賛歌で、2010年に亡くなった彼の友人への深い追悼も込められた「この世で一番いとおしい花」、地上の生命を楽園として見つめる静謐な瞑想曲「楽園にて」を収録。豊かな学識に裏打ちされた彼の音楽は、知的でありながら感情に訴え、世界各地で高く評価されています。
(ナクソス・ジャパン)

世界初録音
ウィリアム・シールド(1748-1829):室内楽全集第2集 - 弦楽三重奏曲第1番 - 第9番(1791)
ドーリット・アンサンブル

イギリス出身のウィリアム・シールドは、造船所の徒弟から転身し、コヴェント・ガーデンの作曲家としてオペラ《ロジーナ》などで成功を収めました。ハイドンと交流し、1817年には「国王の音楽師範」に任命されています。1791年、シールドはハイドンへの訪問や広範な旅行を経て、引退を計画しつつも弦楽三重奏曲9曲をローマで作曲しました。作品は大陸の聴衆を意識したもので、ヴァイオリン主導のメロディとヴィオラ、チェロの印象的な高音を用いたソロを含み、多様なアイデアと技巧を駆使しています。各三重奏曲は、民謡風のリズムや時には五拍子が用いられるなど工夫が凝らされており、やはりハイドンの影響も感じられる華麗な作品となっています。
(ナクソス・ジャパン)

2025年11月第2回発売タイトル



カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2025年10月23日 15:30