ソル・ガベッタ 『リーズ・クリスティアーニ』 2025年10月17日発売

ソル・ガベッタが蘇らせる、チェロ界のパガニーニに導かれた「最初の女性チェリスト」。
CD
■作品詳細
ソル・ガベッタはこの新しいアルバムで、公の場で初めて演奏した女性チェリスト、リーズ・クリスティアーニ(1825-1853)にスポットライトを当てています。ソル・ガベッタは2025年12月にリーズ・クリスティアーニ生誕200周年を迎えるにあたり、ソニー・クラシカルより10月10日に発売されるこの新作アルバムで、音楽史に残る偉大な先駆者クリスティアーニに敬意を表しました。聴衆の前で演奏する勇気と機会を得た最初の女性チェリストとして、クリスティアーニは当時の社会通念を打ち破り、その後何世代にもわたり女性音楽家の模範となりました。ソル・ガベッタは近年、音楽学者と協力のもとこのクリスティアーニの魅惑的でありながらも悲劇的なほど短い生涯を探求し、彼女の音楽レパートリーを再構築することに尽力してきました。
このアルバムでは、クリスティアーニと親交の深かったチェロの名手たちの作品を通して、聴き手をチェロの卓越した技巧とロマン派的で魅惑的な音の旅へと誘います。クリスティアーニは、同時代のチェロ奏者であり作曲家でもあるジャック・オッフェンバック(1819-1880)、アレクサンドル・バッタ(1816-1902)、アドリエン・フランソワ・セルヴェ(1807-1866)に触発され、チェロの豊かな表現力を幅広い聴衆に届けようとしていました。例えば、ジャック・オッフェンバックは、パリで行われたクリスティアーニのデビュー公演で「祈りとボレロ」Op.22や「ミュゼット」Op.24といった作品を彼女に捧げ、またアレクサンドル・バッタも自身の作品と編曲を提供し、その中でもクリスティアーニはロッシーニの「ウィリアム・テル」に基づくチェロ三重奏曲を気に入っていました。
そして、クリスティアーニは当時「チェロ界のパガニーニ」として知られていたベルギーのチェリスト、アドリエン・フランソワ・セルヴェに倣い、サンクトペテルブルクやモスクワ、キエフへと旅をしました。セルヴィは当時、伝説的な地位に位置しており、その地位を確固たるものにした彼の3つの作品「スパでの思い出」Op.2、「2つのロシアの曲による幻想曲」Op.13、「オリー伯爵の奇想曲」Op.3もこのアルバムに収録しています。またジョアキーノ・ロッシーニもセルヴィを敬愛しており、自身の作品である「一滴の涙:主題と変奏」を共に初演するほどでした。
この類まれな音楽家にインスピレーションを受けたソル・ガベッタは、ヴァイオリニストの兄であるアンドレス・ガベッタと共に結成した弦楽アンサンブル「カペラ・ガベッタ」と共に、チェロと弦楽アンサンブル、そしてチェロとピアノのためのロマンティックな名曲を録音しました。この新作アルバムには、世界初録音の5作品が収録されています
ソル・ガベッタは、1981年アルゼンチンのコルドバに生まれました。4歳でチェロを始め、10歳のときにブエノスアイレスのコンクールで優勝をおさめると、91年からマドリードのソフィア王妃高等音楽院、94年からはスイスのバーゼル市立音楽院のモニゲッティのもとで学びました。その後、数々の国際コンクールで上位入賞を果たし、2004年にはクレディ・スイス・ヤング・アーティスト賞を受賞。また、同年のルツェルン音楽祭ではゲルギエフ指揮ウィーン・フィルと共演し高い評価を得ています。2005年からはバーゼル音楽院で後進の指導に当たり、2006年からオルスベルクに居を移し、自身が創設したソルスベルク音楽祭の芸術監督を務めています。
(ソニーミュージック)
■収録曲
1. ラ・ロマネスカ
2. ドニゼッティ『愛の妙薬』より「人知れぬ涙」
3. シューベルト『6つの歌曲』よりⅡ.ラ・タンテ
4. シューベルト『6つの歌曲』よりⅠ.セレナーデ
5. シューベルト『6つの歌曲』よりⅢ.アヴェ・マリア
6. ミュゼット (ジャック・オッフェンバック Op.24)
7. スパでの思い出(アドリエン・フランソワ・セルヴェ Op.2)
8. 『祈りとボレロ』より「序奏、祈り」(ジャック・オッフェンバック Op.22)
9. 『祈りとボレロ』より「ボレロ」(ジャック・オッフェンバック Op.22)
10. ロッシーニ『老い過ち』第9集より「一滴の涙:主題と変奏」
11. 歌劇『ウィリアム・テル』の主題による幻想曲
12. 2つのロシアの曲による幻想曲(アドリエン・フランソワ・セルヴェOp.13)
【演奏】
ソル・ガベッタ(チェロ)
イリーナ・ザハレンコワ(ピアノ:2,3,4,5,6,10)
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール(チェロ:11)
ルカ・マガリエッロ(チェロ:11)
カペラ・ガベッタ(弦楽アンサンブル:1,7,8,9,12)
【録音】
2025年3月26-28日(1,7,8,9,12)スイス、チューリッヒ、オーバーシュトラス教会
2025年4月16-17日(2,3,4,5,6,10,11)スイス、バーゼル、ドン・ボスコ