華々しすぎるプロデュース歴!映画『8番出口』の監督・川村元気のこれまでを作品で振り返る

無限ループを題材にしたゲームが原作の映画『8番出口』。原作ゲームはゲームクリエイター・KOTAKE CREATEによって制作され、全世界で累計180万ダウンロードを記録し社会現象となっている。実写映画化にあたり、監督・脚本を務めたのは川村元気。長編映画の監督としては本作が2作目だが、実は映画プロデューサーとして数々の大ヒット作を世に送り出してきた人物でもある。今回は、多方面への才能を見せる川村の活躍を紹介したい。
●プロデューサー、監督、小説家……さまざまな顔をもつ川村元気とは?
川村が初めて企画・プロデュースを手がけたのが、ネット掲示板“2ちゃんねる”への投稿を元にした映画『電車男』。当時映画界では注目されていなかった“ネット掲示板”という題材にいち早く着目して、川村が企画書を書いたのはまだ25歳のときだった。2005年に公開された映画は、37億円を稼ぐ大ヒット作に。
その後もヒット作を生み出し続け、企画・プロデュースを担当した2010年公開の松たか子主演作『告白』は興行収入38億円を記録。米アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品に選出されるなど高い評価を得た。
すでに目覚ましい活躍を見せていたプロデューサー・川村元気の名をさらに広めたのが、2016年公開のアニメ映画『君の名は。』。それまで大規模公開作を手がけたことがなかった新海誠の作品を、異例の300館規模で公開。観客動員1,900万人、興行収入250億円超の特大ヒットを叩き出した。川村はその後も『竜とそばかすの姫』『すずめの戸締まり』など、話題のアニメ映画を数多く手がけている。
さらに川村は小説家としての才能も持ち、「世界から猫が消えたなら」「億男」など人気作を生み出してきた。川村の監督デビュー作となった2022年公開の映画『百花』も、自身が執筆した小説を原作としている。映画は菅田将暉と原田美枝子が親子役で共演。同年にスペイン最大の映画祭であるサン・セバスティアン国際映画祭で、日本人初となる最優秀監督賞を受賞した。
そんな川村監督の最新作『8番出口』の公開前に、川村自らが書き下ろした小説版「8番出口」が刊行された。映画では表現しきれない主人公たちの頭の中や心の動きが描かれ、物語により深みを与えている。さらに、映画ではカットされたいくつかの“異変シーン”も収録。映画を観るか小説を読むか、どちらを先にするか迷ってしまうところだが、ぜひ両方楽しんで「8番出口」の世界に浸ってほしい。
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掲載: 2025年08月14日 13:09

