「名作コンシェルジュ」掲載!Terry Riley (テリー・ライリー)『インC/ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー』

2025年8月10日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました。
「ミニマル音楽が作り出す 自由でハッピーな世界」(鈴木淳史氏評)
日本版CD
鈴木氏は1980年代のNHK-FM「現代の音楽」のテーマ音楽にテリー・ライリーの「ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー」が使われ、それが「アナログ・シンセサイザーによるイケイケな音楽」で、「プログレやアンビエント、フュージョンともいえる、ジャンルを完全に超えた音楽」だったと紹介。ここに取り上げたのは「ミニマル音楽の教祖というべき存在であり、そのなかでもっとも自由な音楽を目指した」テリー・ライリーの代表作「インC」と組み合わせた1枚。
「インC」は「奏者は八分音符のパルスの上で、53個の短いフレーズを順番に弾く。そのフレーズを何回繰り返すかは奏者の自由だ」「それぞれの奏者の繰り返す回数の違いで、ズレやリズムの重なりが偶然に生まれる。そして、その変わり目が分からないように音楽はゆったりと、確実に変化していく」と解説。「ライヒやグラスの作品のように、厳密に計算し尽くされた音楽」ではなく、「ライリーは、偶然が生み出す即興性に音楽の可能性を見出した。まさしく、自由でハッピーな世界がそこにあると信じて」と結んでいます。
(タワーレコード)
関連LPレコード
LPレコード(ゴールド・ヴァイナル、シリアルナンバー入り限定盤)
■工作細節
1968年に発表されたテリー・ライリーの『In C』は、ミニマル・ミュージックの金字塔とされる画期的な作品です。
この楽曲は53の短い音楽的断片で構成されており、演奏者はそれぞれの断片を任意の回数繰り返し、任意のタイミングで次のパターンへと進んでいきます。「パルス」と呼ばれるピアノが刻むC音の連続音を軸に、各楽器の演奏が加わることで、偶然性が生み出す複雑で美しい音のタペストリーが織りなされます。
決まった楽譜通りに演奏されるのではなく、演奏のたびに全く異なる表情を見せるのが最大の特徴です。その有機的で万華鏡のようなサウンドは、聴く者を幻惑的な音響空間へと誘います。後の現代音楽はもちろん、アンビエントや電子音楽、ポストロックに至るまで多大な影響を与えた、音楽の概念を拡張した名盤です。
(タワーレコード)

LPレコード(イエロー・ヴァイナル、シリアルナンバー入り限定盤)
■工作細節
ミニマル・ミュージックと電子音楽の先駆者テリー・ライリーのマイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」に影響を与えた伝説的アルバム。
ヒンズー教の古典音楽やジャズのテクニックからインスピレーションを得た革新的な楽曲で、彼のエレクトロニック・ミュージックのランドマークにして多くのアーティストに影響を与え続ける傑作が180g重量盤、シリアルナンバー入りの限定数での発売となる。
テリー・ライリー
1935年生まれのアメリカの作曲家・鍵盤楽器奏者。1964年作曲の「インC」はミニマル・ミュージックの元祖とされる。現在は日本在住。2025年には90歳を祝うイベントも予定されている。
(ソニーミュージック)
■収録曲
【曲目】
<LP1>
A1. ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー
B1. ポッピー・ノーグッド・アンド・ザ・ファントム・バンド
類別:新品發布
掲載: 2025年08月12日 12:00