【追悼】ゲリー・カー コントラバス奏者 83歳
コントラバスをソロ楽器として確立させ、その可能性を追い求めた伝説的ソリスト。“ミスター・コントラバス”の異名をとったゲリー・カー氏(1941~2025)が7月16日、加ブリティッシュコロンビア州ビクトリアで脳動脈瘤のため亡くなりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
コントラバス奏者。ハリウッド生まれ。ジュリアード音楽院でコントラバスをスチュアート・サンキー、チェロをレナード・ローズに師事。バーンスタイン指揮のニューヨーク・フィルの演奏会でデビュー。クーセヴィツキー未亡人より1611年製のアマティを委譲される。ソロ活動だけで活動できる唯一のベーシストだろう。そのテクニックは驚異的で、ドヴォルザークのチェロ協奏曲をライヴ録音するほどである。
(CDジャーナル)
21歳のデビュー録音。バーンスタイン指揮の「動物の謝肉祭」で、「白鳥」をコントラバスで弾く。
「ヤング・ピープルズ・コンサート」シリーズなどで、若年層向けのクラシック音楽普及に熱心であったバーンスタインならではの1枚。子供向けに書かれた近現代管弦楽の名作を、指揮者バーンスタイン自身も語りを務めてナヴィゲートしてゆく。演奏は子供の感性に訴え得る優れた内容で、2人のナレーターの解説も愛情に溢れた語り口が好ましい。「動物の謝肉祭」のソロは当時気鋭の若手奏者がつとめ、「白鳥」のソロは21歳のゲーリー・カーがコントラバスで弾いている。
(ソニーミュージック)
ブロッホ作曲「祈り」ゲリー・カー(コントラバス) ※ 当時20歳
クーセヴィツキー作曲のコントラバス協奏曲を弾く
ゲリー・カーはクーセヴィツキー未亡人より1611年製のアマティを委譲されており、この珍しい作品の本家本元とも言える録音となっています。米CRI(Composers Recordings, Inc.)のLPレコードのためにアナログ・ステレオ録音したもので、このCDではオリジナル・アナログマスターよりデジタル・マスタリングされています。
我々にとってなじみ深いキングレコードへの録音
1980年の初来日からキングレコードに残されたアルバム19タイトル。盟友ハーモン・ルイスの鍵盤(ピアノ、オルガン)とともに、一聴するとコントラバスとは思えないそのサウンドは、チェロやヴァイオリンとはひと味もふた味も違う豊かな低音と歌うような叙情性に満ちた音楽的なもの。録音クオリティの高さからもオーディオ・ファンに称賛される作品群となっています。
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掲載: 2025年07月31日 12:00