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繊細とシュールギャグが見事に共存!映像化でさらに広がる和山やまワールド

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2025年7月24日から、和山やま原作のアニメ「カラオケ行こ!」「夢中さ、きみに。」の放送が開始される。アニメーションは「【推しの子】」などを制作してきた動画工房。話題のタッグということもあり、ファンの間で期待が高まっている。

●シリアスとコメディが共存する和山やま独自の世界観

「カラオケ行こ!」は、2024年に綾野剛主演で実写映画化。脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などを手掛けた野木亜紀子が担当した。メインとなるキャラクターは、ヤクザの成田狂児と声変わり前の中学生で、合唱部部長の岡聡実。とある理由で歌が上手くなりたいという成田にレッスンを頼まれたことから、ふたりの交流が始まっていく。歌唱指導をするにつれ、少しずつ変わっていくふたりの関係から目が離せなくなる作品だ。

実は「夢中さ、きみに。」も2021年に実写ドラマ化を果たしており、主演は当時まだジャニーズJr.だったなにわ男子大西流星。さらに、高橋文哉福本莉子河合優実といった若手人気俳優の出演も話題になった。同作は思春期を迎えた学生たちから見た日常を描く、オムニバス形式の青春群像劇。特に事件が起きるわけでもない淡々とした日々にもかかわらず、不思議と引きつける力がある世界観になっている。

和山やまを一躍有名にしたのが「女の園の星」の爆発的ヒット。女子校に勤める男性教師・星の些細な日常が中心の物語だが、随所に和山らしいギャグがちりばめられている。「このマンガがスゴイ!2021」で1位を獲得したほか、「第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門」のソーシャルインパクト賞など数多くの賞を受賞。すでにアニメ化もされており、キャストに星野源宮野真守を起用したオリジナルアニメが単行本3巻の特装版に収録されている。

基本的にローテンションな日常を描く作風が多い和山やま作品。和山本人も「常に人間のユーモアを描きたい」と語るように、思わずツボに入ってしまうようなシュールな会話や展開が魅力だ。シリアスな絵柄から繰り出されるコメディのバランスが秀逸で、一度読み始めたらあっという間に和山やまが生み出す世界の虜になっているかもしれない。

なお、「カラオケ行こ!」の続編「ファミレス行こ。」が現在連載中。大学生となった岡と成田の新たな関係が描かれているので、合わせてチェックしておきたい。

身近な日常を題材にしつつも、不思議な面白さや共感できる感情が詰まっている和山やま作品。中毒性の高いシュールギャグ満載の世界をぜひ味わってみてほしい。

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タグ : コミック レビュー・コラム

掲載: 2025年07月24日 10:05