「Anotherなら死んでた」のネットミームでお馴染み!ミステリブームを巻き起こした綾辻行人の魅力に迫る

全世界シリーズ累計750万部突破の大ベストセラー「時計館の殺人」が、ついに2026年2月に実写ドラマ化される。配信はHuluの独占となる予定だ。今回は実写ドラマの配信を機に、「時計館の殺人」の原作者・綾辻行人の作品が持つ魅力を紐解いていきたい。
●“たった1行”で読者を震わせた叙述トリック
綾辻行人は1987年に「十角館の殺人」でデビューしたミステリ作家。終盤の“たった1行”で読者に衝撃を抱かせた叙述トリックが大反響を呼び、新本格ミステリムーブメントを巻き起こした。
1行で読者を震わせた叙述トリックは「十角館の殺人」を含む館シリーズだけでなく、「緋色の囁き」などの囁きシリーズをはじめ多くの綾辻作品で採用されている。
今回Huluでドラマ化される「時計館の殺人」は、「十角館の殺人」に続く2本目の館シリーズ実写化作品だ。1作目の「十角館の殺人」は、終盤の1行で読者の度肝を抜く大胆な手法で書かれた作品ゆえ、長らく映像化不可能とされてきた。しかし、2024年にHuluで実写化に成功。2024年のHulu年間視聴ランキングで、オリジナル部門第1位を獲得するほどの人気作品となった。
「時計館の殺人」では、1作目の「十角館の殺人」で江南孝明役を演じた奥智哉と、島田潔役を演じた青木崇高の続投が決定している。
綾辻はミステリ作家だけでなく、ホラー作家としても活躍。スプラッターホラー作品の“殺人鬼シリーズ”や、ミステリと学園ホラーが融合したAnotherシリーズなども人気だ。なかでも、2009年に発売されたAnotherシリーズは2012年にアニメ化と映画化が実現。映像の中で不条理な死が何度も描かれたことから、「Anotherなら死んでた」というネットミームが誕生するほどの話題作となった。
ドラマ「時計館の殺人」の放送にあたり、綾辻のデビュー作「十角館の殺人」はぜひ読んでおきたい1冊だ。本作は、孤島を訪れていた大学生たちを襲う連続殺人事件がテーマとなっている。綾辻ミステリの代名詞とも言える“たった1行”の衝撃を、ぜひこの1冊で体感してほしい。
綾辻行人“館シリーズ”
タグ : レビュー・コラム
掲載: 2025年07月17日 12:51

