『アフター・ザ・クエイク』10月公開決定!今こそ振り返りたい実写映画化された村上春樹作品

日本最大の現役作家とも呼ばれ、海外でも多数の文学賞を受賞するなど国内外で高い評価を得ている村上春樹。そんな村上の短編を映画化した『アフター・ザ・クエイク』が、2025年10月に公開されることが発表された。本作は2000年に刊行された短編集「神の子どもたちはみな踊る」に収録された4編をベースに描かれた作品だ。そこで今回は、人々を惹きつけてやまない村上春樹の実写化作品を今一度振り返ってみよう。
●震災後の喪失と回復を描いた村上作品の映画化に期待高まる
『アフター・ザ・クエイク』は、今年4月に放送されたNHKドラマ『地震のあとで』を土台とした映画。ドラマは各4話で構成され1話完結だったが、映画には4話それぞれの主人公を結ぶ新たなシーンが加えられ、劇場公開される。
1995年の阪神・淡路大震災以降、違う時代、別の場所で孤独を抱えながら生きてきた主人公たち。バラバラなはずの4人の人生が交錯し、やがて現代へと繋がる、喪失と回復が描かれた物語だ。
それぞれの編の主人公を岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市が務めるなど実力派俳優たちが集結。さらに脚本には、同じく村上春樹の短編集を原作とし、アカデミー賞など国内外で多数の賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』の大江崇允が参加しており、期待せずにはいられない。
これまでにも多数の村上作品が実写化されてきたが、村上春樹の代表作である「ノルウェイの森」もその1つ。ラブストーリーを描いた作品で、累計1000万部を超えたベストセラーだ。松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子らの主演で注目を集めた。
ほかにも吉田羊主演で、美しいハワイを舞台にした「ハナレイ・ベイ」や、妻を亡くした男の悲しみが切ない短編作品「トニー滝谷」、70年代の青春を描いた「風の歌を聴け」などが実写映画化されている。
また、短編小説「納屋を焼く」は、国内ではなく韓国の名匠イ・チャンドン監督によって実写映画化され、カンヌ映画祭で歴代最高評価を獲得するなど話題となった。実は今回の映画の原作である「神の子どもたちはみな踊る」も、2007年にアメリカ人監督ロバート・ログバルによってすでに映画化されている。
村上春樹の描く独特の世界観に魅了される作品「神の子どもたちはみな踊る」。映画『アフター・ザ・クエイク』の公開を楽しみに待ちつつ、原作もぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
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掲載: 2025年05月29日 15:16

