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ヴィルデ・フラング『バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番、エネスコ:弦楽八重奏曲』

フラングのバルトーク

ノルウェーの妖精から誰をも唸らせる中堅ヴァイオリニストへと変身を遂げたヴィルデ・フラングが、バルトークの死後に元恋人の遺品から発見された「ヴァイオリン協奏曲第1番」と、20世紀前半の3大ヴァイオリニストの一人でもあるエネスコが作曲した弦楽八重奏奏曲を録音。

バルトークの「ヴァイオリン協奏曲第1番」はもともと存在自体が知られていなかった作品です。ただし、第1楽章のみは若干の変更が加えられて「2つの肖像」Op.5の第1曲「理想的なもの」として発表されており、冷徹なロマンティシズムを湛えた曲は、若きバルトークの傑作の一つとして知られていますが、生前に発表されることのなかった第2楽章は、激しい感情表現と甘さが混在した不思議な音楽で、バルトークの愛情表現と捉えることもできるでしょう。フラングはこの作品を昨年末、ベルリン・フィル定期に登場した際にも演奏し、蕩けるような美音と共感溢れる解釈で喝采を浴びました。

同時収録のエネスコの八重奏曲は、ひたすらうねる旋律が厚みのある響きで奏でられていく迫力のある音楽。フラングを始め、日本でも注目のチェリスト、アルトシュテッドやグスタフソンなどの実力派が一堂に会した名演は、作品を知らない人でもついつい引き込まれること間違いなし。弦の響きの美しさをとことん楽しめる1枚です。

2019年4月、来日公演決定(読売交響楽団・広島交響楽団と共演予定他、リサイタルも予定)。
(ワーナーミュージック)

【収録曲】
1) バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番 BB 48a、
2) エネスコ:弦楽八重奏曲 ハ長調Op.7、

【演奏】
1) ヴィルデ・フラング(ヴァイオリン)、ミッコ・フランク(指揮)、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、
2) ヴィルデ・フラング、エリック・シューマン、ガブリエル・レ・マガドゥーレ、ロザンヌ・フィリペンズ(ヴァイオリン)、ローレンス・パワー、リリー・フランシス(ヴィオラ)、ニコラ・アルトシュテット、ジャン・エリック・グスタフソン(チェロ)

【録音】2017年9月21-22日、パリ、ラジオ・フランス・オーディトリウム

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2018年07月20日 12:00