ニール・ヤング(NEIL YOUNG)、映画『パラドックス』のサントラ盤&73年ライヴ音源を収めたCDをリリース


御年70歳を超えてなお、精力的に作品を発表し続けるロック・シーン孤高のレジェンド、NEIL YOUNG。過去のライヴ音源をまとめたライヴ・アーカイヴ・シリーズや、近年ではウィリー・ネルソンの息子たちによるバンド、プロミス・オブ・ザ・リアルとのスタジオ作&ライヴ・アルバム、ソロ名義での作品などを発表し、常に現代社会に存在する様々な問題に鋭くメスを入れ続ける彼だ、今回は女優のダリル・ハンナが監督を務め、ニール本人が出演する映画『パラドックス』のサウンドトラックを完成させた。ニール・ヤング+プロミス・オブ・ザ・リアル名義としては2017年12月に発表したアルバム『THE VISITOR』に続く作品となる。
女優ダリル・ハンナが脚本と監督を手掛け、ニール・ヤングとプロミス・オブ・ザ・リアルのメンバーをフィーチャーしたこの映画『パラドックス』。この映画は、過去と未来の狭間にある世界で"Man In The Black Hat”ことニール・ヤング、"Particle Kid"ことマイカ・ネルソン、そして"Jail Time"ことルーカス・ネルソン、そしてカウボーイと無法者の一行は山の奥深くに身を隠し、音楽と魂を羽ばたかせる魔法を引き起こす満月の夜を待ちながら、隠された宝を探していく、という、音楽と愛という気まぐれな物語を綴る騒々しいポエムとファンタジーとも言うべきこの作品だ。
ニール・ヤング本人とジョン・ハンロンとの共同プロデュースという形で発表されるこのサウンドトラックは、ニール・ヤングとプロミス・オブ・ザ・リアルの楽曲に加え、ニール・ヤングがMGM Soundstageでオーケストラと共にレコーディングした楽曲が収録されており、アルバム『PEACE TRAIL』でも共演したジム・ケルトナー(dr)とポール・ブッシュネル(b)という名プレイヤーと共に、オーヴァーダビング一切なしでレコーディングされた楽曲が収録されている。また、ナレーションとしてウィリー・ネルソンも客演を果たしており、盟友が一堂に会しそのスリリングなパフォーマンスを切り取った作品となっているのだ。
ニール・ヤング(Neil Young)、〈プロミス・オブ・ザ・リアル〉との最新作『The Visitor』 >>>
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ニール・ヤング(NEIL YOUNG)、当時の豪華メンバー演奏による73年ライヴ音源CD『ROXY - TONIGHT'S THE NIGHT LIVE』が公式リリース
1975年にリリースされた、彼のスタジオ・アルバム『今宵その夜』が、「ローリングストーン誌が選ぶ史上最高のアルバム500枚」に選出されていることは、ニール・ヤング・ファンの間では既知の事実である。彼の代表作のひとつと認識されているこの作品は、当時の彼のダークな精神の一面を曝け出した内容と、その生々しいサウンドとで、全世界で広く賞賛されているが、そのアルバムの貴重なライヴ・セッション音源、しかも当時の豪華メンバーでの演奏となれば、またこれは極上のものであることは間違いない。
彼のアーカイヴの中でも非常に人気が高いライヴ音源である「ROXY:Tonight’s The Night(邦題:今宵その夜) Live」が遂にこうして公式にリリースされる。1973年9月20~22日、カリフォルニア州ウェスト・ハリウッドにあるロキシー・シアターのオープニング記念として行われ、バックバンドのザ・サンタモニカ・フライヤーズ(The Santa Monica Flyers)と共に、ニール・ヤング・ウィズ・ザ・サンタモニカ・フライヤーズ名義で行った伝説のライヴ。
彼はこのライヴについて以下の様に語っている「1973年のことだ。俺は1947年製のビュイック・ロードマスターを駆って、(ニール・ヤングと40年以上に渡って演奏を重ねた盟友)ベン・キースと共にLAに向かっていた。ハリウッドに到着したとき、ビリー・タルボットとラルフ・モリーナに合流。その後、ニルス・ロフグレンと合流して、サンタ・モニカ・ブールバードにあった機材レンタルの店に向かった。プロデューサーのデヴィッド・ブリッグスと、イクイップメント・マネージャーのジョニー・タルボットがもうそこに居たな。俺はビーチ・ボーイズのペット・サウンズなど歴史的なセッションで使われていたという古い真空管ボードを購入したんだが、レコーディングの為に、奴らは隣のリハーサル・ルームとの壁に穴をブチ開けてセット・アップを完了した。で、16トラック・アナログテープ・マシーンをそのボードの横に置いたんだ。レコーディングは無事に終わって、作品が本当に良い出来だったから、サンセット・ストリップのライヴ・ハウスROXYのオープニング記念のタイミングでギグをやろうということになった。で、そこで数日間、俺たちのパフォーマンスを録音したんだ。出来たばかりの『今宵その夜』の頭から最後の曲までの全てを一日に2セット、数日間やり通した。実にあれは素晴らしい時間だったよ。」
ニール・ヤング自身と、デヴィッド・ブリッグスによるプロデュースで、ジョン・ダウランドがMixを、バーニー・グランドマン・マスタリングにてオリジナル・アナログ・マスターを使用し、クリス・ベルマンと共に、ジョン・ハンロンがマスタリングを担当。
掲載: 2018年03月29日 15:39
更新: 2018年04月05日 19:30