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ナッシュヴィルが見出した24歳の才能オーブリー・セラーズ

Aubrie Sellers

 

現代アメリカン・ミュージックの都、ナッシュヴィルがまた新たな才能を見出した。24歳の若き女性シンガー・ソングライター、オーブリー・セラーズ。巷に溢れるルックス優先の可愛らしい女性シンガーやただTVに出ているだけで有名人扱いされているリアリティ・ショウの出演者とは一線を画す、強くしなやかなブルネット美女である。

両親ともカントリー・アーティストという環境で生まれたというオーブリーだが、スクリーミング・ジェイ・ホーキンズからCCR、パティ・グリフィン、ニール・ヤングやボブ・ディラン、さらにはレッド・ツェッペリンまで、実に幅広い音楽から影響を受けていると語っている。彼女によれば、ブルーグラスやバンジョーにもパンクと通じる生々しいエネルギーと緊張感があり、人を突き動かし、夢中にさせ、心に深く刻み込まれ、また揺さぶるような音楽に惹かれているのだという。

「誰もが好きだというようなものより、評価が分かれる音楽を作りたい」と語る彼女。「だって情熱ってすごく深いものでしょ。私はもっと深く掘り下げて、パーティすることや出かけることばかりが人生じゃないってことに正直にありたいだけ。みんな何も感じてないの?って言いたいわけよ」そんな風に世の中を見つめるオーブリーのデビュー・アルバム『NEW CITY BLUES』には、人生は冷たいビールと別ればかりでないことを知っている賢い女性たちがかみついたり、一発喰らわせたりしている14の曲が収録されている。「人にはハッピーな歌が沢山あるわけじゃないって言っているの。でも不幸せな歌ばかりじゃない――人生ってそんなものだし、それのどこが悪いわけ?」彼女は本作についてそう語るのだ。

実際アルバムの中には表面だけの美しさを鋭く斬った「Paper Doll」から、ローン・スター風の「Just To Be With You」、さらに荒涼としたメロディーの「Sit Here And Cry」からじわじわと盛り上がっていく「Loveless Rolling Stone」まで、彼女と同世代の若者の多くが抱えている、居場所のなさからくる将来への不安を、幾重にも重なるギターと時々痛々しいまでにエモーショナルな声で、オーブリーは歌う。鋭い切り口で聴くものを揺さぶる、強くしなやかなシンガー・ソングライターが自身を取り巻く今を綴ったアルバム『NEW CITY BLUES』で、彼女は、自分が聴いてきた音楽同様、人を突き動かし、揺さぶり、心にその存在を深く刻み込むのである。

掲載: 2016年09月28日 13:57