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注目アイテム詳細

2011年の第1弾以来ひさびさの登場!ヴィヴァルテ・コレクション Vol.2[CD60枚組]

ヴィヴァルテBOX Vol.2

大好評をいただいた2011年発売の第1弾に続き、ヴィヴァルテ・レーベルの名盤を選りすぐった60枚組ボックスの第2弾「ヴィヴァルテ・コレクションVol.2」の登場です。このレーベルで高い評価を得たアルバムばかりが選ばれ、ピリオド楽器による中世からロマン派まで幅広い時代の芸術を、様々な角度から味わうことのできる盛りだくさんな内容となっています。今回はブルーノ・ヴァイルによるハイドンのパリ交響曲集、モーツァルトのさまざまなオーケストラ曲、シューベルトのミサ曲集、インマゼールによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集、ラルキブデッリの室内楽など古典派以降のアルバムが多く投入されています。もちろんレオンハルトによるオルガン、チェンバロ、そしてバッハのカンタータを指揮した名盤も含まれています。現在入手不可能な盤も数多く収録されているのもうれしいところです。1枚1枚にプロデューサー、ヴォルフ・エリクソンの強いこだわりが注ぎ込まれており、ボックスの仕様は、第1弾とほぼ同じ予定です。

【ヴィヴァルテ・レーベルについて】
1960年代から「テレフンケン」「セオン」「DHM」などのレーベルに関わってきた古楽の名プロデューサー、ヴォルフ・エリクソンは、1989年、ソニー・クラシカル内に古楽専門レーベル『ヴィヴァルテ』を設立し、それまで彼と友好的にレコーディングを行ってきたアーティストのみならず、新たなアーティストとも契約を結び、多くのピリオド楽器録音のすばらしい成果を残してくれました。その核となったのがベルギー、オランダでのピリオド楽器演奏活動の立役者のひとりであったアンナー・ビルスマ。彼を中心に結成された「ラルキブデッリ」は、柔軟な編成でさまざまなレパートリーをこのレーベルに残しました。他にも、ルッツ・キルヒホーフ(リュート)、フリーダー・ベルニウス(指揮)シュトゥットガルト室内合唱団、ブルーノ・ヴァイル(指揮)、パウル・ファン・ネーヴェル(指揮)ウエルガス・アンサンブル、ターフェルムジーク・バロック管弦楽団、グスタフ・レオンハルト、クイケン3兄弟など、質の高い古楽演奏をコンスタントに供給してきたのは、名プロデューサー、エリクソンの手腕なのでしょう。演奏だけでなく録音の面でも、当時最先端の20bitレコーディングやSBMなどの画期的な技術で、限りなく素晴らしいサウンドが再現されています。(ソニー・ミュージック)

【仕様】
■CD60枚組
■各ディスクは オリジナルジャケットデザインの紙ジャケットに封入、リフトオブ・ボックスに収容
■DDD STEREO(デジタル録音:セッション)
■240ページの別冊解説書付き(英語表記) 

【収録予定曲】

【CD1】《典礼聖歌で綴る「聖母マリアの生涯」》
1) イムヌス「めでたし、海の星」
2) 聖母マリアの無原罪のやどりの祝日(12月8日)
3) 聖母マリアの誕生の祝日(9月8日)
4) 聖母マリアのお告げの祝日(3月25日)
5) 聖母マリアの訪問の祝日(7月2日)
6) 主の降誕の祝日(12月25日)
7) 聖母マリアの潔めの祝日(2月2日)
8) 聖母マリアの七つの苦しみの祝日(受難週の金曜日と9月15日)
9) 聖母マリアの被昇天の祝日(8月15日)
10) マニフィカトのためのアンティフォナ「聖なるマリアよ」
11) マリアのためのアンティフォナ「めでたし女王」
コンラート・ルーラント(指揮) ニーダーアルタイヒ・スコラーレン
[録音]1989年

マリアの聖歌を教会暦に従ってではなく、マリアの生涯をたどる順序で歌われています。一部を除きユニゾンで歌われていますが、曲に応じて混声、男声、女声と歌い分けて歌われているのもこの演奏の特徴です。自然で清楚な歌唱が、新鮮に感じられるはずです。

【CD2】J.S.バッハ
1) カンタータ第27番「誰ぞ知らん、わが終わり如何に近づきたるかを」BWV.27
2) カンタータ第34番「おお永遠の炎、おお愛の泉よ」BWV.34
3) カンタータ第41番「イエスよ、いまこそ賛美を受けたまえ」BWV.41
グスタフ・レオンハルト(指揮)バロック・アンサンブル, テルツ少年合唱団,
テルツ少年合唱団員(ソプラノ&アルト), マルクス・シェーファー(テノール) ハリー・ファン・デル・カンプ(バス)
[録音]1995年

アーノンクールと「バッハ:カンタータ全集」を作り上げたレオンハルトによる、テノールとバスのためのカンタータ集。音楽の流れが実にスムーズである。小人数による編成演奏でで、レオンハルトらしい流麗な音楽による演奏です。ちなみにTeldecの全集では、ここに収録された演奏はアーノンクールが担当していました。

【CD3】《J.S.バッハ:モテット集(BWV.225~229)》
フリーダー・ベルニウス(指揮)シュトゥットガルト室内合唱団, シュトゥットガルト・バロックオーケストラ,
アンドレア・エゲラー(ソプラノ)、インガ・フィッシャー(ソプラノ), マルティン・ファン・デル・ジースト(カウンターテナー), マルクス・ブルッチャー(テノール)、トーマス・ヘルベリヒ(バス)
[録音]1989年

バッハのモテットは、教会での伝統的な合唱唱法によった厳格で重厚な表現に傾きがちですが、ベルニウスは極めて明晰な演奏を展開していきます。軽快なリズム感と透明な合唱の響きによって目が覚める様な新鮮な印象を受けます。最近では各パート1人でも歌われ録音されるようになってきたこれらのモテットですが、ここではコンチェルト様式のように、各パート1人または合唱になったりすることにより、強力なパルスと潜在的なエネルギーの優越感により大きな表現を醸し出すことに成功し、至福の時を私たちに提供してくれます。なお、「BWV.230」は偽作との説があるため、録音はされておりません。

【CD4-6】《ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集》
1) ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
2) ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19
3) ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
4) ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
5) ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73「皇帝」
6) ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
ジョス・ファ・インマゼール(フォルテピアノ), ヴェラ・ベス(ヴァイオリン),
ブルーノ・ヴァイル(指揮)ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1995-1997年

インマゼールのフォルテピアノの演奏は、自由闊達さでは最右翼の存在。初期の第1番と第2番ではインマゼール自身の即興によるカデンツァも聴きもの。インマゼールは2008年には手兵アニマ・エテルナを指揮して交響曲全曲録音を成し遂げ、フォルテピアノ奏者としては長年にわたってピアノ・ソナタ集、チェロ・ソナタ全曲、ピアノ三重奏曲集などを録音し、古典派を完成に導きロマン派の扉を開いたベートーヴェンの伝統と革新性を強く表出する演奏解釈は高く評価されています。ヴェラ・ベスの小気味よいヴァイオリンが聴けるヴァイオリン協奏曲も収録。ブルーノ・ヴァイル率いるカナダのオリジナル楽器アンサンブル、ターフェルムジークがサポート。

【CD7】ブラームス
1) 弦楽六重奏曲第1番変ロ長調Op.18
2) 弦楽六重奏曲第2番ト長調Op.36
ラルキブデッリ
[録音]1995年

アンナー・ビルスマ率いるピリオド楽器のアンサンブル、ラルキブデッリが取り組むブラームスの弦楽六重奏曲。後期ロマン派の中でも新古典主義とも評されたブラームスをピリオド楽器で演奏するという大変意欲的な試み。ガット弦の響きが織り成すブラームスの室内楽の深遠な世界が、刺激に満ちた新たな音空間として聴くものの前に浮かび上がります。この鮮烈な演奏は一聴の価値があります。

【CD8】アントワーヌ・ブリュメル(ブルーメル)
1) ミサ「見よ、大地が大きく揺れ動き(地震ミサ)」
2)セクエンツァ「怒りの日」
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮) ウエルガス・アンサンブル
[録音]1990年

フランドル楽派の作曲家ブリュメル(1460頃-1520頃)の魅力的な二作を収めたもの。世界初録音だったものでその音楽は、おおらかで典雅な旋律と機微豊かなハーモニーが聴き物です。ウエルガス・アンサンブルの精妙な演奏とともに天衣無縫といった素晴しい演奏です。

【CD9】《バスのためのカンタータ集》
1) ローゼンミュラー:預言者エレミアの哀歌 聖木曜日用(第1朗読、第1章1~5節)
2) ヨハン・クリストフ・バッハ:おお神よ、汝はいかにして怒りに燃え立ち
3) ブクステフーデ:わが心は整えり
4) ブクステフーデ:われは復活であり
5) ヴェックマン:疲れし者、重荷を負いし者、みなわが許に来たらん
6) シュッツ:われは身を横たえて眠り
7) シュッツ:わが子、アブサロン
8) トゥンダー:めでたし、夫の父
9) ブルーンス:深き淵より
10) ローゼンミュラー:預言者エレミアの哀歌 聖金曜日用(第1朗読、第2章8~11節)
ハリー・ファン・デル・カンプ(バス),
ピリオド・インストゥルメント・アンサンブル
[録音]1995年

オランダのバロック歌手、ハリー・ファン・デル・カンプが、イタリアから伝えられた初期バロックがドイツで花開いた様子がうかがえるように組まれた曲を選曲。伸びやかで柔軟な声と、微妙な歌いまわしによって、この時代の作品の宗教観が感じられる演奏です。

【CD10】《ラス・ウエルガスの写本(13世紀スペインの音楽)》
1) 輝かしき血統より生まれし
2) 誰しも皆、十字架にかからむ
3) おお、マリア、海の星
4) 臨終の血より
5) あまねく知られたるベリアル
6) サンクトゥス
7) アニュス・デイ
8) ベネディカム・ドミノ
9) 南風は穏やかに吹く
10) いざ、信徒らの御母よ
11) 誰がわが頭に
12) けがれなきカトリック教徒よ
13) 哀れなる人よ
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮) ウエルガス・アンサンブル
[録音]1992年

ネーヴェルが20年の歳月を注ぎ、写本のファクシミリから読み解いた音楽。満を持して形にした音楽は、息を吹き返した中世が見事に蘇ったというべく、今までになかった独特な仕上がりです。

【CD11-12】《サン・ロッコの饗宴~ヴェネツィア1608年》
1) ガブリエリ:トッカータ
2) ガブリエリ:ラッパを吹き鳴らせ、新月に
3) ガブリエリ:カンツォーナ第17番
4) グランディ:ああ、なぜあなたは泣くのか
5) チーマ:ヴァイオリン、コルネットおよびヴィオローネのためのソナタ
6) ガブリエリ:甘美なイエス、父の御姿よ
7) グランディ:おお、あなたはなんと美しいことか
8) ガブリエリ:エコーのカンツォーナ
9) ガブリエリ:恐れとわななきが
10) チーマ:コルネットとトロンボーンのためのソナタ
11) ガブリエリ:3つのヴァイオリンのためのソナタ
12) グランディ:わたしたちは主に向かって歌う
13) ガブリエリ:ソナタ第19番
14) ガブリエリ:教会において
15) ガブリエリ:カンツォーナ第5番
16) ガブリエリ:神に向かって喜びの叫びをあげよ
17) グランディ:我を救いたまえ
18) ガブリエリ:ソナタ第18番
19) ガブリエリ:主に向かって歌え
20) チーマ:ヴァイオリンとヴィオローネのためのソナタ
21) ガブリエリ:第1旋法のカンツォーナ
22) ガブリエリ:あなたの慈しみは、主よ
23) ガブリエリ:カンツォーナ第10番
24) バルバリーノ:おお、聖なる宴よ
25) ガブリエリ:第1旋法のトッカータ
26) ガブリエリ:マニフィカト
27) ガブリエリ:あなたが誉められた主である
28) モンテヴェルディ:めでたし、元后
29) カスタルディ:「利口者」と名付けられたるカプリッチョ
ローランド・ウィルソン(指揮)ラ・カペラ・ドゥカーレ, ムジカ・フィアタ・ケルン
[録音]1994年

1608年の“サン・ロッコの祝典”の再現企画。当時のヴェネツィアの華やかな行事の再現はこれまでにも幾つか録音されていますが、こちらも様々な楽器構成によって、音楽の輝きを導き出した演奏です。

【CD13】《18世紀ドイツのフルート協奏曲》
1) カール・シュターミッツ:フルート協奏曲ト長調Op.29
2) フランツ・クサヴァー・リヒター:フルート協奏曲ホ短調
3) ヨハン・シュターミッツ:フルート協奏曲ト長調
4) ホフマン(ハイドン):フルート協奏曲ニ長調
5) グルック:精霊の踊り
バルトルド・クイケン(フラウト・トラヴェルソ:1-4),クレール・ジモン(フラウト・トラヴェルソ:5),
 ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1991年

トラヴェルソの名手バルトルド・クイケンがソロをつとめた演奏。技巧も当然ながら、見事な呼吸法によって、エスプリやら微妙なニュアンスやらが手に取るように感じられる演奏です。

【CD14】《フランス、クラヴサン作品集》
1) フォルクレ:クラヴサン組曲ニ長調(原曲:ヴィオールのための組曲第3番)より
2) フォルクレ:クラヴサン組曲ト短調(原曲:ヴィオールのための組曲第4番)より
3) クープラン:威厳またはフォルクレ
4) デュフリ:フォルクレ
グスタフ・レオンハルト(クラヴサン)
[録音]1991年

ルイ15世治下の爛熟した宮廷で生まれた舞曲の形式の作品を、フランス的な軽みを生かしつつ荘重にレオンハルトが弾いたもの。左右の手のずらしぐあいや微妙に伸縮など、レオンハルトのニュアンスに富んだ演奏が想像力をかきたててくれます。

【CD15】《ジェミニアーニ:合奏協奏曲集》
1) 合奏協奏曲ニ短調Op.2-3
2) 同ハ短調Op.2-1
3) 同イ長調Op.2-6
4) 同ハ短調Op.2-2
5) 同ニ長調Op.2-4
6) 同ニ短調Op.2-5
7) 同ハ長調 (コレッリのソナタOp.5-3による)
8) 同ト短調(コレッリのソナタOp.5-5による)
ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1990年

ターフェルムジークの演奏は、技術的水準の高さだけでなく、美しい音色とそのバランスのよさが絶品です。この演奏でも、イタリア・バロックの瑞々しい表現とメリハリのきいた表情作りが斬新に聞こえるはずです。

【CD16-17】《グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」(全曲)》(1762年ウィーン版)
マイケル・チャンス(カウンターテナー), ナンシー・アージェンタ(ソプラノ), シュテファン・ベッカーバウアー(ボーイ・ソプラノ),
フリーダー・ベルニウス(指揮)ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ, シュトゥットガルト室内合唱団
[録音]1991年

カウンターテナーのマイケル・チャンスが、オルフェオ役を歌っているのがこの録音の最大の聴きものです。また、弦の独特のボウイングから生まれる流麗なガットの響きが、この歌劇の素晴らしい美しさを描き出しています。
【CD18】《グルック:バレエ・パントマイム》
1) バレエ・パントマイム「ドン・ジュアン」
2) バレエ・パントマイム「セミラーミス」
ブルーノ・ヴァイル(指揮) ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1992年

グルック作品の新たな魅力引き出したターフェルムジーク。ブルーノ・ヴァイルの指揮も流れが自然で、音楽だけながらひとつの物語を描いた演奏です。

【CD19-21】《ハイドン:ミサ曲集》
1) ミサ曲第10番変ロ長調 Hob.XXII-10「オフィダの聖ベルナルドの讃美のミサ」
2) ネプチューンの祈りHob. XXIVa: 9(断章)
3) モテット「Insanae et vanae curae」 Hob.XXI:1 No.13c
4) 敬うべき秘跡のモテット Hob.XXIIIc:5 a-d
5) テ・デウム ハ長調 Hob.XXIIIc-2
6) ミサ曲第12番変ロ長調 Hob.XXII-12「テレジア・ミサ」
7) ミサ曲第11番ニ短調 Hob.XXII-11「ネルソン・ミサ」
8) ミサ曲第9番ハ長調 Hob.XXII-9「戦時のミサ(太鼓ミサ)」
9) サルヴェ・レジナ ト短調 Hob.XXIIIb-2
10) モテット「天より来たりし祝福された恋人たちよ」 HobXXIIIa:G9
ブルーノ・ヴァイル(指揮)テルツ少年合唱団, ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ,
アン・モノイオス(ソプラノ), イェルク・ヘリング(テノール), ハリー・ファン・デル・カンプ(バス), 他
[録音]1994-1998年

ブルーノ・ヴァイル&ターフェルムジーク・バロック管、テルツ少年合唱団によるハイドンのミサ曲集。「天地創造」では、ピーター・ブラウンの校訂した楽譜を使用しており、従来の楽譜とはテンポやフレージング、楽器法などがかなり異なっています。その校訂版による演奏は、明瞭明快ながら理性的で豊かな内容をもった「天地創造」を聴かせてくれます。ソリストもオケだけでなく、テルツ少年合唱団も充実した合唱により、理知的な熱さに満ちた演奏を聞かしてくれます。ブルーノ・ヴァイルは、現代楽器と古楽器の差を超えて速めのテンポとくっきりとしたメリハリを強調することによって、そしてエネルギーに満ちた新鮮なハイドン像を作り上げています。

【CD22-23】《ハイドン:パリ交響曲集》
1) 交響曲第82番ハ長調「熊」
2) 交響曲第83番ト短調「めんどり」
3) 交響曲第84番変ホ長調
4) 交響曲第85番変ロ長調「王妃」
5) 交響曲第86番ニ長調
6) 交響曲第87番イ長調
ブルーノ・ヴァイル(指揮)ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1994年

ブルーノ・ヴァイル&ターフェルムジークによる、ハイドン交響曲集。複雑な対位法を鮮やかに処理するアンサンブルとニュアンスの多彩さ。速めのテンポ、冴えるリズム。弾けんばかりの弦の弓、吹き鳴らすホルンと高域技巧。スリリングで、痛快なハイドン演奏。この録音では、ハイドン研究家 ロビンズ・ランドンが監修しており、芸術的・音楽学的コンサルタントとして、新たに楽譜を用意し、録音に立会い、楽団員の解釈上の疑問に答える役を担っているとのことです。ランドンは以前聞いたターフェルムジークの演奏に、19世紀の重々しさからの開放を聞き、楽譜に忠実に再現されていることに衝撃を受けたとのこと。それをきっかけとしてこのランドン監修が実現しました。

【CD24】《オーストリアの歴史的オルガン》
1) ケルル:パッサカリア ニ短調
2) フローベルガー:リチェルカール ト短調
3) フィッシャー:シャコンヌ ヘ長調
4) シュペート:エコー・トッカータ第4番ニ短調
5) パッヘルベル:我ら皆唯一の神を信ず
6) パッヘルベル:アリアと変奏ヘ長調
7) ムファット:トッカータ第1番ニ短調
8) ハスラー:トッカータ第8番ト長調
9) エルバッハ:第4旋法のカンツォーナ
10) シュペート:トッカータ第1番ニ短調
11) ポリエッティ:第1旋法のリチェルカール第3番
12) ケルル:カンツォーナ第5番ハ長調
13) パッヘルベル:トッカータ ハ長調
14) パッヘルベル:アリア「ゼバルディーナ」と変奏 ヘ短調
15) ムファット:トッカータ第5番ハ長調
グスタフ・レオンハルト(オルガン)
[録音]1995年

古楽界の巨匠レオンハルトが自己の原点であるオルガンに回帰してのシリーズ。オーストリアで修復された2台の17世紀の大型オルガンを使用しての荘厳な演奏。オルガン音楽の本質的な魅力を伝えてくれます。

【CD25】《ラッスス:宗教的連作マドリガーレ「聖ペテロの涙」》
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮) ウエルガス・アンサンブル
[録音]1993年

ルネサンス音楽の中で、とりわけ纏綿たる情緒を聴かせるラッススの最後の3部21曲から成る大作です。情感がしたたるようなソノリティと涙が、感情移入を誘います。歴史的研究による器楽の使用法も、その特質を助長しています。

【CD26】《モーツァルト:ドイツ舞曲集》
1) 6つのドイツ舞曲K.509
2) 6つのドイツ舞曲K.536, K.567
3) 6つのドイツ舞曲K.571
4) 12のドイツ舞曲K.586
ブルーノ・ヴァイル(指揮)ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1991年

ここに聴くモーツァルトは、オリジナル楽器を用いた味わいのある響きと共に、生き生きとした躍動感を身上とし、舞曲らしい快い流れを保った演奏です。

【CD27】モーツァルト
1) 行進曲ニ長調K.445
2) 行進曲ヘ長調K.248
3) 行進曲ニ長調K.290
4) 2本の管楽器のための12の二重奏曲変ホ長調K.487 より第5番ラルゲット&第2番メヌエット(アレグレット)-トリオ 5) ホルン五重奏曲変ホ長調K.407
6) 2本の管楽器のための12の二重奏曲K.487より第10番アンダンテ&第8番アレグロ
7) 音楽の冗談K.522
8) ディヴェルティメント(断章)ヘ長調K.288よりアレグロ
9) ディヴェルティメントニ長調K.246b(K.320b)
ラルキブデッリ
[録音]1990年

名手ビルスマを中心とする古楽器のアンサンブル「ラルキブデッリ」の颯爽たる演奏。ナチュラル・ホルンを加えたモーツァルトの逸品ばかりを集め、冒頭から音楽する歓びに満ちた精緻な美しさで、古雅な響きに浸る楽しさを満喫出来る1枚です。

【CD28】《モーツァルト:序曲集》
1)「イドメネオ」K.366序曲
2)「後宮からの逃走」K.384序曲
3)「劇場支配人」K.486序曲
4)「フィガロの結婚」K.492序曲
5)「ドン・ジョヴァンニ」K.527序曲
6)「コシ・ファン・トゥッテ」K.588序曲
7)「皇帝ティートの慈悲」K.621序曲
8)「魔笛」K.620序曲
9)セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
ブルーノ・ヴァイル(指揮)ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1991年

現在においても意外と少ない、古楽器によるモーツァルトの序曲集。キレのよいフレージングとテンポの速さが、古楽器の響きの軽さを一段と引き立てています。この「アイネ・クライネ」も、ガット弦の独特な余韻によって、美しさと楽しさが両立された演奏です。

【CD29-30】《モーツァルト:セレナードによる交響曲集》
1) セレナード第1番による交響曲ニ長調K.100(62a)
2) セレナード第4番による交響曲ニ長調K.203(189d)
3) セレナード第7番「ハフナー」による交響曲ニ長調K.250(248b)
4) セレナード第3番による交響曲ニ長調 K.185(167a)
5) セレナード第5番による交響曲ニ長調 K.204(213a)
6) セレナード第9番「ポストホルン」による交響曲ニ長調 K.320
ブルーノ・ヴァイル(指揮)ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1991年

機会音楽として作曲された多楽章形式の『セレナード』は、当時抜粋されて演奏会用に転用されることがしばしばあり、その習慣に基づいて、ここではシンフォニー形式で演奏。軽快なテンポと鮮やかな響き、生き生きとした躍動感と快い流れを保った演奏です。

【CD31】《モーツァルト:ホルン協奏曲集》
1) ロンド変ホ長調K.371
2) ホルン協奏曲第2番変ホ長調K.417
3) ホルン協奏曲第3番変ホ長調K.447,
4) ホルン協奏曲第4番変ホ長調K.495
5) ホルン協奏曲第1番ニ長調K.412(386b)
アブ・コスター(ナチュラル・ホルン),
ブルーノ・ヴァイル(指揮)ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1992-1993年

オランダの名手コスターがナチュラル・ホルンを用いて録音したもの。柔和な音色で奏でるモーツァルトは素朴さというよりも洗練で典雅な情緒を醸し出しています。(1)と(5)は、音楽学者ロバート・レヴィンの協力のもと復元された版によっています。

【CD32】《モーツァルト:弦楽五重奏曲》
1) 弦楽五重奏曲第3番ハ長調K.515
2) 弦楽五重奏曲第4番ト短調K.516
ラルキブデッリ
[録音]1994年

名手ビルスマを中心とする古楽器のアンサンブル「ラルキブデッリ」による、速いテンポでの躍動感のある演奏。そしてゆっくりとした楽章では、ガット弦の余韻と長いフレージングによって、モーツァルトの嘆息が表現された演奏です。

【CD33-34】《ウィーン時代のモーツァルトのピアノ作品集》
1) ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457
2) 幻想曲ハ短調K.475
3) メヌエット ニ長調K.355(K.576B)
4) ロンド ニ長調K.485
5) ピアノ・ソナタ第18番ヘ長調K.533/494
6) 幻想曲ニ短調K.397
7) ロンド イ短調K.511
8) ピアノ・ソナタ第15番ハ長調K.545
9) アダージョ ロ短調K.540
10) ピアノ・ソナタ第16番変ロ長調K.570
11) ピアノ・ソナタ第17番ニ長調K.576
12) 幻想曲ハ短調K.396
ジョス・ファン・インマゼール(フォルテピアノ)
[録音]1996年

モーツァルトがウィーン時代に書き残したピアノ・ソナタ第14~16番や幻想曲・ロンド等を収録しており、インマゼールが得意としているモーツァルトの鍵盤作品への刺激的アプローチで演奏したもの。

【CD35】《メンデルスゾーン:弦楽五重奏曲》
1) 弦楽五重奏曲第1番イ長調Op.18
2) 弦楽五重奏曲第2番変ロ長調Op.87
ラルキブデッリ
[録音]1999年

「ラルキブデッリ」が演奏した、17歳と36歳のメンデルスゾーンの作品。古典的なオブラートに包まれたロマンの色彩感が、絶妙な弓使いによって軽妙洒脱な語り口で静謐に描きだされた演奏です。

【CD36】
1) メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調Op.20
2) ガーデ:弦楽八重奏曲 ヘ長調Op.17
ラルキブデッリ&スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズ
[録音]1992年

メンデルスゾーンと、北欧デンマークの作曲家で、メンデルスゾーンの跡を継いでライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者をつとめたガーデによる、弦楽八重奏曲をカップリングしたアルバムです。弦楽四重奏団をふたつ要する編成によるメンデルスゾーンのこの若書きの名曲は、彼の室内楽の中でももっとも人気の高い1曲です。どちらもガット弦による透明度の高い演奏で、曲の本質をついた名演となっています。

【CD37】シュッツ
1) クリスマス物語 SWV.435
2) イエス・キリストの復活の物語 SWV.50
フリーダー・ベルニウス(指揮)シュトゥットガルト室内合唱団, シュトゥットガルト・バロック管弦楽団
[録音]1990年

モンテヴェルディの「倫理的・宗教的な森」を、ヨーロッパの著名なソリストを起用して全曲演奏し、その完璧な解釈で絶賛を博したフリーダー・ベルニウス。シュトゥットガルト室内合唱団を組織して、欧米初め世界各地で演奏会を開き、多くの国際的な賞を獲得しています。シュッツの作品でも最も親しみやすい語法で書かれたこの作品は、精緻に巧みに構築された構造を持っています。ベルニウスの意図と各奏者との高い共同作業が、この本質をしっかりと捉え、我々に提示してくれます。

【CD38-39】シュッツ
1) シンフォニア・サクレ 第2集 Op.10 全曲 SWV.341~367
2) 父アブラハムよ、私を憐れんでください SWV.477
ローランド・ウィルソン(指揮)ラ・シャペル・デュカーレ、ムジカ・フィアタ・ケルン
[録音]1995年

シュッツが1647年に滞在先のデンマークのクリスティアン4世の宮廷からドレスデンに戻り、数年前に作曲した作品をまとめて出版したもの。声のパートのモノディ風な扱いと器楽のいっそう独立した書法で際立っており、モンテヴェルディの昻奮様式の影響が見受けられる作品です。複雑なポリフォニーと明快なホモフォニーの対比を、ローランド・ウィルソンの手腕によって見事に描き出されています。

【CD40】ボッケリーニ
1) スターバト・マーテルOp.61(G.532:ソプラノと弦楽五重奏のための、1781年初版)
2) 弦楽五重奏曲ヘ短調Op.42-1(G.348)
3) 弦楽五重奏曲ハ長調Op.42-2(G.349)
ロベルタ・インヴェルニッツィ(ソプラノ:1)
ラルキブデッリ
[録音]2002年

チェロ作品で知られるボッケリーニ作曲のスターバト・マーテルは、チェロが2本の弦楽五重奏とソプラノのための作品。落ち着いた響きのアンサンブルを歌唱と溶け合わせ、哀しすぎず激しすぎず、さらり透明な抒情を漂わせています。ビルスマの1番チェロが絶品の歌心によって演奏されているのが響きます。

【CD41-43】《シューベルト:ミサ曲集》
1) ミサ曲第6番変ホ長調D.950
2) ミサ曲第1番ヘ長調D.105
3) ミサ曲第2番ト長調D.167
4) ミサ曲第3番変ロ長調D.324
5) ミサ曲第4番ハ長調D.452
ブルーノ・ヴァイル(指揮)コルス・ヴィエネンシス, ウィーン少年合唱団, エイジ・オブ・エンライトゥメント管弦楽団,
イェルク・ヘリンク(テノール), ハリー・ファン・デル・カンプ(バス), ウィーン少年合唱団員(ボーイ・ソプラノ&アルト)
[録音]1993-1995年

ヴァイルとウィーン少年合唱団、エイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団が演奏するシューベルトの宗教曲集。これらはシューベルトの中でも、美しさが際立つ作品といわれています。ヴァイルはハイドンの宗教曲のシリーズでも高い評価を得てきていますが、ウィーン少年合唱団の澄んだ天使の歌声と、オリジナル楽器の繊細な響きを見事に融和させ、シューベルトの天上の音楽を鮮やかに演奏しています。

【CD44-45】シューベルト
1) 弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 D.87
2) 弦楽三重奏曲第1番変ロ長調 D.471(フラグメント)
3) 弦楽三重奏曲第2番変ロ長調 D.581(第2版)
4) ピアノ五重奏曲イ長調 D.667「ます」
5) アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D.821
6) ノットゥルノ 変ホ長調 D.897
ラルキブデッリ(1-4,6),
アンナー・ビルスマ(チェロ・ピッコロ:5), ジョス・ヴァン・インマゼール(フォルテピアノ:4-6)
[録音]1993年, 1996-1997年

チェロの名手アンナー・ビルスマと、彼率いるラルキブデッリによるシューベルトの録音集。ガットによる弦楽器を自由自在に表現した、緩徐楽章は筆舌に尽くし難いほど美しい演奏。鍵盤楽器に指揮にと八面六臂の活躍を見せる鬼才インマゼールとラルキブデッリと組んだ有名な「ます」の新鮮に響かせた演奏。「アルペジオーネ・ソナタ」では、ビルスマがチェロ・ピッコロを使用し、この曲の決定的演奏といえましょう。

【CD46】シューベルト
八重奏曲ヘ長調 D.803
モッツァフィアート&ラルキブデッリ
[録音]1995年

ビルスマ率いるラルキブデッリの弦楽器、ナイディック率いるモッツァフィアートの管楽器、オリジナル楽器の競演である。なんと言ってもその音色が魅力的で、モダン楽器では解け合わなかった各楽器の特徴的な音色が融合しあった、室内楽の楽しみを感じさせてくれる演奏です。

【CD47】《ハルモニームジーク集》
1) ロッシーニ:ハルモニームジーク(五重奏曲)ヘ長調
2) ロッシーニの歌劇「セビリャの理髪師」によるハルモニームジーク
3) モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」によるハルモニームジーク
モッツァフィアート
[録音]1992-1993年

管楽アンサンブルによる、柔らかく豊かなハーモニーと気楽で愉悦に満ちた演奏。ナイディック率いるピリオド楽器のモッツァフィアートの名人芸には脱帽です。

【CD48】《フリードリヒ大王の宮廷音楽》
1) ベンダ:ソナタ ホ短調
2) グラウン:ソナタ ハ長調
3) キルンベルガー:ソナタ ト長調
4) フリードリヒ大王:ソナタ ホ短調
5) グラウン:ソナタ ト長調
6) クヴァンツ:ソナタ 変ロ長調
7) ミューテル:ソナタ ニ長調
バルトルド・クイケン(フラウト・トラヴェルソ), ヴィーラント・クイケン(チェロ), ボブ・ファン・アスペレン(チェンバロ)
[録音]1995年

クイケン兄弟とアスペレンによる、知られざるフルートの佳品に光を当てた1枚。フルートの名手でもあったフリードリヒ大王のために書かれたもので、ブリリアントなものばかり。名手バルトルド・クイケンの色彩感豊かで華やかな仕上げられた演奏によって、宮廷の雅びが蘇えります。

【CD49】《ヴェックマン&フローベルガー:チェンバロ作品集》
ヴェックマン
1) 組曲ロ短調
2) トッカータ ホ短調
3) トッカータ イ短調
4) 組曲ニ短調
5) 組曲ハ短調
6) カンツォン ハ長調
7) トッカータ ニ短調

フローベルガー
8) ブランシュロシュ氏の死に寄せる追悼曲
9) 組曲ホ短調
10) カプリッチョ ハ長調
11) リチェルカーレ ニ短調
12) 組曲イ長調 
グスタフ・レオンハルト(チェンバロ)
[録音]1996年

ヴェックマンはハンブルクの教会オルガニスト、フローベルガーはヨーロッパ各地で演奏していました。2人の知られざる作品に光を当てた、レオンハルト名盤の一枚。選曲も演奏も、この楽器を知り尽くしたレオンハルトならではのもので、17世紀ドイツ鍵盤音楽の発展に尽くした二人の作品を、表層的な興味ではなく、音楽的な見地から紡いだヒューマンかつ求心性あふれる演奏です。時代特有の様式美と舞曲の響きを堪能させてくれます。

【CD50】
1) ウェーバー:クラリネット五重奏曲変ロ長調Op.34
2) ウェーバー:クラリネット四重奏曲変ホ長調
3) ライヒャ:クラリネット五重奏曲変ロ長調
チャールズ・ナイディック(クラリネット),
ラルキブデッリ
[録音]1993年

19世紀初期のクラリネットを含む3つのクラリネットのための室内楽曲集。クラシカル・クラリネットの名手チャールズ・ナイディック&ラルキブデッリの各人の技、自由な表現は絶品です。

【CD51】《ニコシアの宮廷音楽》
1) 永遠に聖なるかな/聖なるかな、生来の(4声イソリズム・モテトゥス)
2) 私の心がとても甘美にため息をつくのを私は感じる(3声バラード)
3) 私はすっかり愛に満たされている(3声ヴィルレ)
4) 私は愛の糧を受ける(3声ヴィルレ、器楽)
5) グローリア(4声イソリズム・ミサ楽章)
6) 確かにそれは/私たちは力を込めて愛し(4声イソリズム・モテトゥス)
7) 私はある貴婦人に喜びを見出す(3声バラード)
8) クレド(4声イソリズム・ミサ楽章)
9) 心地よき音楽が響かんことを(3声イソリズム・モテトゥス、器楽)
10) 愛はこんなにも甘美に私を苦しませるのだから/本当の恋人なら(4声2重バラード)
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮) ウエルガス・アンサンブル
[録音]1993年

中世末期、ギリシアのキプロス島で栄えたキプロス王国。その宮廷内で演奏された音楽を復活させたもの。宗教曲、世俗曲両方合わせて200曲を越えるというポリフォニー音楽の中から、厳選した10曲を収録。固有の旋律や刺激的なリズムなども含み、古い音楽ながら新鮮な魅力が感じられるはずです。

【CD52】マットイス・ピペラーレ
1) バラード「愛の女神さま」
2) シャンソン「陽気にしていて、女神のようで」
3) ミサ曲「今はもう、ただ死を心待ちに」
4) アンティフォン「サルヴェ・レジナ」
5) モテット「忘れないでください、キリストの母なるかたよ」
6) ミサ曲「武装した人」
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮) ウエルガス・アンサンブル
録音]1995年 

マットイス・ピペラーレ(1450頃-1515)は、初期はオランダのアントワープで過ごし、イタリアやスペインなどで音楽を取り入れました。彼の作品は、各地方の言語の世俗曲やモテット形式であり、器楽曲は発見されていません。シャンソンの定旋律を使用したシーケンシャルな形式とシンコペーションのリズムが彼の音楽の特徴といわれています。その音楽を、パウル・ファン・ネーヴェルが復活させ重要な録音です。

【CD53】《スペイン大航海時代の音楽》フレーチャ
1) エル・フエゴ
2) ラ・ネグリーナ
3) ワ・フスタ
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮) ウエルガス・アンサンブル
[録音]1990年 

フレーチャ(1481-1553)は、ルネサンス期にカタルーニャ地方で生まれた作曲家。当時のスペインの世俗曲においては、スペイン民謡にルーツを持つ独特のポリフォニックな「ビリャンシーコ」。または、西仏伊羅の歌曲のエッセンスを自由に組み合わせる奔放なスタイルの「エンサラーダ」が流行していたようです。彼の音楽もそういった形式のもので、ウィットに富んだ音楽を生き生きと再現しています。

【CD54】コスタンツォ・フェスタ
1) バビロンの川のほとりで
2) 5声のミサ曲「ス・コンジ・プリ」
3) コンスタンツィアという名前が
4) 希望は死に
5) 僕は牧場で
6) ああ、愛しい人よ
7) いかに多くの美を
8) 我らの目に涙を流させる者は
9) 3つの奇跡によって
10) 第7施法のマニフィカト
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮) ウエルガス・アンサンブル[録音]1993年

コスタンツォ・フェスタ(1495-1545)は、まだ北方からの音楽家達が支配的だった時代、教皇庁に活躍し、やがてイタリアの世俗音楽として成長していくマドリガーレを開懇し、そして国際的名声を得た最初のイタリア人といわれています。ネーヴェルはその多面性を南国的な明澄な響きの内に描いています。

【CD55-56】《グレゴリアン・チャントの神髄》
1) 天よ、露をしたたらせよ
2) 見よ、処女が身ごもりり
3) 来たり給え、人々の贖い主よ
4) 来たり給え、おお、英知よ
5) 主における喜びで
6) いと高き方の御子が今日生まれ給えり/幼な子がわれらに生まれたり
7) 生まれ給いし主なる御子に向かいて歌わん
8) 今日キリストが生まれ給えり(マニフィカト)
9) シュタードルマイヤー:ベツレヘムに生まれし幼な子
10) 栄光と讃歌と誉れとが
11) されど賞賛はわれらのつとめなり
12) 真の愛がありしところに
13) さて安息日が終わり
14) われ、よみがえりて、なお御身と共にあり
15) 主よ、あわれみ給え
16) 過越のいけにえに賞賛を
17) アレルヤ(詩篇第117(116)番)
18) バーミンガー:キリストは今日よみがえりたり
19) アレルヤ、主の霊は(詩篇第95(94)番)
20) 主の聖霊は
21) 聖霊よ、来たり給え
22) にわかに天より音が聞こえたり(詩篇第68(67)番)
23) 創り主なる聖霊よ、来たり給え
24) 慰め主たる聖霊よ
25) 今日5旬節の日が(マニフィカト)
26) ロート:聖霊の恩寵が
27) 主の天使は告げ給えり(アヴェ・マリア)
28) われら御身の保護のもとに
29) 主はこの処女に遣わし給いぬ
30) 軍勢は天に住み給いぬみな、主のうちに喜ばん
31) 一致した喜びで
32) めでたし、海の星
33) いと賢き処女(マニフィカト)
34) 御恵みの母なるマリア
35) ロレトの連祷(聖母マリアの連祷)
コンラート・ルーラント(指揮)ニーダーアルタイヒ・スコラーレン
[録音]1995年

 グレゴリオ聖歌ものの中でも、ユニークな企画。教会暦の4つの主要な祝祭の時に歌われるものをそれぞれセレクトして配置。またそれぞれの祝祭の終わりには多声曲で閉じられという内容。様々な古い教会でグレゴリオ聖歌の歌唱法を研究したルーラントが、最もこの聖歌にあった発声法と合唱によって、「人の声」らしさを残した独特なものです。

【CD57-58】《ブクステフーデ:オラトリオ「最後の審判」》
ローランド・ウィルソン(指揮)ラ・カペラ・ドゥカーレ, ムジカ・フィアタ・ケルン
[録音]2005年 

「最後の審判」(BuxWV Anh.3)は、1939年にWilly Maxtonがデューベン・コレクションに収録された作者不詳の作品を再構成し、ブクステフーデの作品として出版したものであるが、その真作性に対しては長い間疑義が投げかけられてきました。ローランド・ウィルソンは、ウプサラ大学の図書館にある原稿から再構築し録音された画期的なものです。聖書の引用やコラールと合唱による静かな「神の声」など、コントラストがはっきりした劇的なものとなっています。

【CD59】《ヴィヴァルディ:協奏曲集》
1) チェロ協奏曲イ短調 RV 418
2) 弦楽のための協奏曲ハ長調 RV.117
3) 弦楽のための協奏曲ヘ短調 RV.143
4) ヴァイオリンとチェロのための協奏曲変ロ長調 RV.547
5) 2つのヴァイオリンと2つのチェロのための協奏曲ト長調 RV.575
6) 4つのヴァイオリンのための協奏曲ニ長調 RV.549
7) チェロ協奏曲ト長調 RV 413
8) 弦楽のための協奏曲ホ短調 RV.134
9) 弦楽のための協奏曲イ長調 RV.159
ジーン・ラモン(ヴァイオリン&リーダー), アンナー・ビルスマ(チェロ),
ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
[録音]1990年 

ターフェルムジークと、バロック・チェロの巨匠アンナー・ビルスマによる、ヴィヴァルディの協奏曲とチェロ・ソナタ集。[Disc1]では、古楽器ピッチ(a=415)が多数派ですが、最近の研究によるとヴィヴァルディの演奏は18世紀ヴェネツィアで使われていた音高は、現在のものとほぼ変わらないものであったらしい。それまでの415ピッチと比べはるかに輝きが増し、鮮やかな表現が大きくなった画期的な「四季」の録音。[Disc2&3]では、チェロを中心とした様々な楽器のための協奏曲を収録。ヴィヴァルディはあらゆる楽器のために数多くの協奏曲を作曲しましたが、名手たちの素晴しい演奏で新たなヴィヴァルディの魅力が満喫することが出来るでしょう。

【CD60】《ドイツ・バロック・カンタータ集》
1) ブクステフーデ:カンタータ「イエス、わが喜び」BuxWV.60
2) J.S.バッハ:モテット第3番「イエス、わが喜び」BWV.227
3) J.S.バッハ:カンタータ第81番「イエス眠り給いて、われ何をか望むべき」BWV.81
4) J.S.バッハ:カンタータ第180番「装いせよ、おお愛する魂よ」BWV.180
5) テレマン:カンタータ「装いせよ、おお愛する魂よ」TWV 31: No. 9
ステファン・マクラウド(指揮)リ・アンジェリ・ジュネーヴ
[録音]1990年

ステファン・マクラウドは、ジュネーヴ音楽院で声楽を学び、ケルン音楽院でさらに研鑽を積む。その後、ミシェル・コルボのローザンヌ声楽器楽アンサンブルのソリストとして長年参加。現在ではヘレヴェッヘ、ガーディーナー、ブリュッヘン、レオンハルト、オランダ・バッハ協会によるソリストに参加し、ルネサンスから近現代までの幅広いレパートリーを持っています。また50以上のCDの演奏にも参加し、鈴木雅明&BCJとの共演や、「熱狂の日」でも来日し高い評価を得ています。リ・アンジェリ・ジュネーヴは、バロック専門ソリストや室内楽奏者を起用してマクラウドが2003年に設立した小編成の声楽器楽アンサンブルで、彼らの情熱と研究の誠実さは、音楽の鮮度を保証しています。

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2016年08月08日 16:00