モイセイヴィチ~戦後録音集(ベートーヴェン、シューマン、ムソルグスキー、ラフマニノフ、ショパン)

20世紀のピアニストの潮流を俯瞰しようとする時代に続き、昨今では、個々のピアニストを深く探求しようとする機運が高まっています。そんな中、モイセイヴィチは避けて通れない最重要なピアニストであることは間違いありません。非常に無口で物静かであったと伝えられていますが、ピアニストとしての活動は多忙を極め、特にツアー活動を精力的に行っています。しかしながら、現存するライヴ録音は非常に少なく、残されているものはどれも大変貴重です。
このリリースでも、50年代の録音のテープの一部は、ピアノ音楽の愛好家であった一般庶民(なんとバス運転士)が音楽学者に託し、保存されていたものがソースとして使われています。ウクライナ生まれのモイセイヴィチですが、戦時中は、英国での慰問演奏などにも大いに貢献し、チャーチル一族とも親交があり、イギリス国内での人気は大変なものだったそうです。テープの由来も、こうした人気を裏付けるものです。
そうした人気もあり、モイセイヴィチは度々ラジオやテレビのインタビュー番組に出演していますが、Disc3はそれらで現存するものを集めています。無口で真面目ながらも、愉快な質問を切り抜ける様に加え、ショパンのバラード3番のライヴ録音も含まれ、偉大なピアニストの人となりまでを今に伝える貴重な録音遺産です。世界初出!
(TESTAMENT)
【収録曲】
<CD1(80.34)>
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン1770-1827
1-3.ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 作品53“ワルトシュタイン”
4.アンダンテ・ファヴォリヘ長調WoO57
ロベルト・シューマン1810-1856
5-12.クライスレリアーナ作品16
モデスト・ムソルグスキー1839-1881
13-27.展覧会の絵
<CD2(59.21)>
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
1-3.ピアノ協奏曲第5番変 ホ長調 作品73“皇帝”
ニューヨーク・スタジアム交響楽団、指揮:ヨーゼフ・クリップス
セルゲイ・ラフマニノフ1873-1943
4.パガニーニの主題による狂詩曲作品43
BBC交響楽団、指揮:サー・エイドリアン・ボールト
<CD3(79.56)>
1-5.モイセイヴィチのインタビュー
フレデリック・ショパン1810-1849
6.バラード第3番変イ長調作品47
【演奏】
ベンノ・モイセイヴィチ(ピアノ)
【録音】
1958年8月18日(CD1 1-4)
1961年6月26日(CD1 5-27)
1961年7月19日(CD2 1-3)
1946年9月14日(CD2 4)
1958年9月11日(CD3 6)
카테고리 : 뉴 릴리스
掲載: 2015年09月07日 13:08