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インタビュー掲載中!最終少女ひかさ、タワレコ限定シングル

タグ : J-インディーズ 

掲載: 2015年02月26日 18:54

最終少女ひかさ


最終少女ひかさ・但野正和インタビュー

インタビュー=小川智宏(ROCKIN’ON JAPAN)

最終少女ひかさは、ロックンロールバンドである。シンセがぴゅんぴゅん鳴ってたり、言葉遊びみたいな歌詞があったり、メンバーの見た目がバラバラだったりするが、文句なしのロックンロールバンドである。なぜなら、この世界をクソだと思っていて、でも人間が生きることを何よりも美しいと思っていて、このクソのような世界で何とか生きている人間(自分含む)のことを愛しまくっているからだ。全国のタワーレコード限定でリリースされるシングル『いぎありわっしょい』。「いぎあり」と「わっしょい」が一緒になった時点で、それはもう、ロックンロールだ。

 


――とりあえず、自己紹介をしてもらってもいいですか?

「但野正和と申します。最終少女ひかさでヴォーカルをやっています。28歳です。最年長です」

――このバンドをはじめて何年くらい?

「もうすぐ2年です。今年の7月で2年ですね、ちょうど。それまでは札幌で別のバンドをやっていて。あまり外に出ないバンドでしたけど。でも弾き語りが多かったかな」

――今のメンバーはどういうふうにして集まったんですか?

「弾き語りをやってたけど、ずっとバンドをやりたくて――やっていたんですけど、みんなの気持ちはひとつになっているバンドじゃなかったから、どうしても弾き語りが多くなっていたので、みんなで気持ちが揃ったバンドをやりたいなと思って、ひとりひとり僕のスカウト方式で。札幌で各々がバンド活動をしていて、ひとりひとり『やらない?』ってスカウトをしていった感じです」

――俺、ライヴを観ながら、あるいは音源を聴きながら、この但野という人はすごいナメた奴なんだろうなと思ってたんですよ。でも実際こうして会って話すと、そうでもないね。

「そう言われてみれば、そういう潜在的な意識も……何て言ったらいいんですかね。実際ものすごくナメた奴かもしれないですけど、熱くもなるし、結構人の目も気にするし。自分で気を遣うといってもあれだけど」

――もっと言えば、現状に対しては不信感や不満を持っているんだけど「別に何でも変えられるんじゃないの」みたいな、根拠のない自信ある感じがした。

「確かに。変えてやるぞっていうメラメラしたのと、楽勝っしょみたいな面が両方あるかもしれない」

――“いぎありわっしょい”なんてまさにそういう曲だなと俺は受け取ったわけですよ。歌詞、結構適当な感じじゃん、言ってしまえば。でもそれがすごくメッセージになっている。

「本当だ(笑)。僕、結構ふざけすぎて怒られることがたまにあって。なんか、ふざけちゃうんですよね。真面目にやりすぎて同情されるのってしゃくじゃないですか。だから、自分の困ったこととかもなるべくふざけちゃって。そうしたら結果的に不謹慎じゃないけど、悲しいのは俺なはずなのに逆に怒られちゃうみたいなことがたまにあって」

――うん。

「僕、最近携帯電話を解約したんですけど。ついでにTwitterとかも全部やめたんですけど。携帯電話を解約したときにTwitterで、連絡先が誰もわからなくなるから困るかなと思って『携帯電話を解約しました、ピース』みたいな感じで書いたら、めちゃくちゃ怒られちゃって、一番困るのは俺なのに。解約しちゃってすみませんでしたみたいに言ってもしょうもないなと思って、とびっきりふざけたらメンバーに怒られて。昔からなんで怒られるかといったらふざけて怒られる」

――“いぎありわっしょい”も半ばふざけてるところがあるよね。この曲は最初に作ったって言っていたけど、どういうときにどういうふうにできたかって覚えてる?

「頭の中で歌詞と曲を同時に作る時期だったんですよ、そのときは。時期によって作り方は結構変わるんですけど。そのときに、適当にイントロとかは頭の中でふんふんと歌っていて、Aメロこの感じではじまろう、みたいな本当に順番にできていった感じなんですよね。で、Aメロこの感じだってなったときに、ちょうど外を歩いていて。たしかバイトをズル休みでもしたのかな。だらだらした日常だったんで、じゃあ、今日の一日とかだらだら歌ってみようかなと組み立てていった感じですね」

――そのときの気分って、この曲の歌詞を見るとヤケクソのようにも思えるし、いろいろなものを諦めているようにも見えるし、逆に開き直ったポジティヴなようにも見えるんだけども、どういう気分だったと思いますか?

「えっと、開き直っていてポジティヴ。自分がだめだっていうのをわかってる、どこがだめだかわかってるし、人が言う俺への批判のメッセージが全部わかっている状態で、それを全部言えないようにしてやれって思った。どうせ今の俺を見たら、あなたはこうやって批判をするよねっていう。だったら全部先にこっちから出してやる。わかってるから言ってくるなよ、言ったって無駄だよってね。」

――もっとぐっちゃぐちゃに書こうと思えば書けるような日常だと思うんだけど、そうじゃなくて、それを淡々と自分のことを客観視しながらわかってますよって書くっていうのは、つまりまわりの人に対して。

「勝ちたかった。俺、直接他人と言い合いしたことがなくて。だからもし、誰かに俺の悪いところを言われたら、わかってるけどそれを絶対言い返さないんですよね、その人に対して。多分、『そうだよね』って言っちゃう、もし批判されたら。音楽のことだとしてもそうかもしれない。『うん、そうだよね、ごめんね』みたいな。それってめちゃくちゃナメている態度なんだけど、それが日常では言い返せなかったから、それを歌にぶつけて。しかも、こんな奴を相手にしても無駄だぜっていうふうになるように、なるべくふざけた感じにもしたかった」

――じゃあ、そこには怒りもあったわけでしょ?

「多分そう。出してないけど。見えないですよね。でも、そういうところも持っていたはず。でも怒っているのを見せるのもかっこわるいじゃないですか。スマートにやり返したかったから、その人を相手にしているのもしゃくだったし。個人的に特定のものはないんだけど、漠然と広く……」

――むしゃくしゃしている感じがね。

「そう。それって共通して出ちゃうかもしれないですね、自分の作品になぜか」

――俺はむしゃくしゃしてるんだっていうのを爆発させてさ「俺はむしゃくしゃしてんだぞ」って歌うミュージシャンもいるじゃない。

「いるいる。でも違うんですよね。むしゃくしゃ感ないですもんね」

――それがすごくおもしろい。それが俺がさっき言った、ナメた奴だなあっていうことなんだよね。

「確かに。失礼な奴だ(笑)」

――失礼っていうか、それが戦い方なんだろうなっていう気がするのね。血を流して殴り合うような戦い方じゃないんだなっていう。

「そうですね。スマートですね。ニヒルですよね。悪い奴だ(笑)」

――自分はニヒルだと思う?

「ニヒルっていう言葉も感覚的な感じでしか知らないけど、ニヒルだと思います。ヒールだと思います」

――それは悪役ぶってるってこと?

「根っからのワルではないからな。でも、ヒールぶってる。ヒールぶりたいですね、僕は。あまり美しくて健康的すぎるだけのものには惹かれないというか。僕、幼少の頃の記憶ってそんなにたくさんあるわけじゃないんだけど、今でもはっきり覚えているトラウマ体験が、仮面ライダーショーか何かを観に行って、ショッカーが子どもたちのところまできて。めちゃくちゃ怖いじゃないですか、あれ。すごい怖いんですよ。それで僕、泣いちゃったんですよね。怖すぎて、それをずっと引きずっていて。いつだったか音楽をやるときに、もしかして俺が今までで一番記憶に残っているステージングってあれかもって思ったんですよ。仮面ライダーがどう勝ったとかじゃなくて、一番記憶にあるのって恐怖なんですよね。だから、今は違うかもしれないけど、はじめたころはもうちょっとバイオレンスだったかもしれない」

――なるほどね。

「一番強いものって恐怖だと思った。だからもしかしたら俺はショッカーになりたかったのかもって思っていたときがありました。とびっきりクールなショッカー。でもやってみるとヒーロー感も出てきましたけどね、不思議と」

――もしかしたらショッカーもヒーローも一緒なのかもしれない。

「うん。いい感じですね、それ。ショッカーもヒーローも一緒なんですよ。立場が違えば一緒ですもんね」

――そう。子どもを救うか襲うかだけの違い。

「もしかしたら襲われた後、めくるめく快感が待っていたかもしれないですもんね(笑)。ショッカーも別に子どもたちを困らせてやれってやったわけじゃなくて、ショッカーはショッカーなりの素晴らしい世界があるんだぞって、自分の信じた正義を俺たちに強要しようとしただけかもしれない」

――そうだよ。仮面ライダーは正義の味方だから正義を信じているわけだけど、ショッカーはショッカーなりの思想を信じて行動をしていたのが人にとっては恐怖の異物として映る。でも、ロックンロールもそういうものかもしれないよね。

「人によっては嫌がられたりしますからね。チンチン出して逮捕されちゃったりもするし」

――そうそう。でもそれを信じているからやっているわけで、別に脅かそうと思ってやっているわけでもなければ、気持ち悪がらせようと思ってやっているわけでもないじゃないですか。

「そうですね――見えましたね(笑)」

――それってロックンロールの本質かもね。殴り合いたくて殴り合っているわけじゃなくて、愛し合いたいんだけど、その表現の仕方がそうなっちゃう人がロックンローラーなんだと思うし。そういう意味では但野くんはロックンローラーなのかもしれないし。自分で不器用な人だと思う? それとも器用な人だと思う?

「僕は自分では器用だと思っています。こんな器用な人はいないんじゃないかと思うくらい。でも、不器用に見られるときもありますね。結構器用だと思うんですけどね……『こんな器用な人はいないんじゃないか』っていうのは言い過ぎました(笑)。でも、人並みに器用だとは思いますね。だけど例えばステージではこういうふうに見られているから、インタヴューでもそういうふうにしようかみたいな、そういうのはできないから、そういうところは不器用だなと思う。本当はもっと器用だったらキャラクターとかバッチリなのになと思うから」

――だから、例えば“こっち見んな”って曲とかは、すごく素朴で素直な気持ちみたいなものが綴られているように感じたわけだけれども。“いぎありわっしょい”とは全然違う但野の姿みたいなものだよな、これはと。急に空とか鳥とか歌い出すみたいなさ。

「そうですよね。でも、それも結構、実はあんまり感情的になってないかもしれない。一日で書いたわけじゃないから、たくさん日にちをかけて一行一行書いていった曲で。だから、その一瞬の瞬間とかも切り取ったりしているから、全然この一行とこの一行は同じ気持ちで書いているわけじゃないっていう曲ですね」

――この、「もしも君が格好よく踊れなくなって泣いていたら、きっと僕は君と優しくオハナシをするんだ/もしも俺に歌うことが無くなった日が来たら、どうか君の手で俺のことを殺してくれ」っていう二行は。

「男らしいですよね、ここ」

――どういう想いを込めたと思う? 自分で。

「美学。男の美学。かっこよすぎる。一瞬で生きていきたいみたいな感じですね、まさに」

――それは自分がそうありたいっていうこと?

「うん。例えば俺の大切な友達とかだったら、もしその友達がいきいきと生きれられなくなったとしても、生きてるだけでいいよって思うじゃないですか。それは嘘じゃないんですよ。きれいごととかでも何でもなくて本当に思う気持ちなんだけど、でも自分のことで考えたらやっぱり輝けないで生きているのってそれはすごくしんどいことで。そんなんだったら殺してくれよって思う。俺は本当に輝いて生きていたい。お前は死ぬことはないけど、俺は輝いたまま生きているよっていう感じです」

――これも最終的にはポジティヴなんだよね。

「ポジティヴですよね」

――何が何でも生きていくんだみたいなところにいくわけじゃん。基本、死ぬ美学じゃなくて生きていく美学。汚くてもめちゃくちゃでも生きていくほうが美しいじゃんっていうのはあるよね。

「それは絶対そうですね。すごくありますね。それはロックンロールに教わったことだと思いますけどね、僕は。やっぱり生きる派、生きてりゃいいじゃんっていう派だった。歌うときに、意識をそこまでしなくてもそういうふうにペンが向いているというか。友達自体がそんなに多くはないけれど、友達が死ぬか生きるかをすごく考えていて、自殺未遂くらいならしたことがあるっていう人がいて。そういうのが未だに身体中を駆け巡っている感じ。だから俺は、そいつに対しては生きてりゃいいよって思うし。その人に向けて書いたわけじゃないけど、そういうメッセージを無意識に一番出したいのかな。どう生きるかっていうのも重要だし、生きてりゃいいっていうのも重要だから」

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