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サティ・ブームの火付け役! フランスの世界的ピアニスト、アルド・チッコリーニ氏が死去

アルド・チッコリーニ

チッコリーニ氏の録音歴はロン=ティボー国際コンクールに優勝した翌年、1950年に始まります。ドミニコ・スカルラッティ:ソナタ集(K.259、64、1、492、268)で1950年4月28日、パリ、ステュディオ・アルベールで録音されました。当時、EMIはまだ磁気テープ録音を開始する前で、SPレコードへの録音でした。以来、長くEMI専属のピアニストとして膨大なレコーディングを残します。
録音史に残る偉業は60年代と80年代に2度完成したサティのピアノ作品全集でしょう。1950年代にサティ選集を録音した彼が、ステレオで全集録音したサティは、世界的なサティ・ブームを巻き起こし、サティの作曲家としての評価の確立に大きく貢献しました。
ドビュッシー、シャブリエ、セヴラックといった近代フランスのピアノ作品でも素晴らしい録音を残し、とくにLP時代に録音が少なかったセヴラック作品集は多くのファンに愛されました。
2003年以降は幾度となく日本を訪れ、長いキャリアで熟成された巨匠的演奏を披露。録音も再び活発となり、EMIだけでなくカメラータトウキョウ、Accord、Cascavelle(現在は活動停止)、La Dolce Voltaなどへ新録音を行い、実演、CDの両面で日本の聴衆を喜ばせてくれました。
数多くの音楽家たちや聴衆から尊敬を受け、亡くなる直前まで演奏活動を続け、天寿を全うして89歳で永眠。芸術家として素晴らしい人生を送られたチッコリーニ氏に、心からの感謝を申し上げたいと思います。
(タワーレコード)
※ページ下部にチッコリーニ氏のおすすめCD、DVD一覧があります。併せてご確認くださいませ。

アルド・チッコリーニ ALDO CICCOLINI
1925年8月15日ナポリ生まれ。4歳からピアノを学び、著名な作曲家であったフランチェスコ・チレーアに認められてナポリ音楽院へ入学、フェルッチョ・ブゾーニ門下のパオロ・デンツァ、アキーレ・ロンゴに、それぞれ、ピアノ、作曲を師事する。1940年、ピアノ科第1位、1943年作曲科第1位を得て、同音楽院を修了、1947年、22歳の若さで同音楽院ピアノ科教授に就任した。この間、1941年にサンカルロ劇場で公式デビューを果たし、イタリア国内の演奏活動を開始、1948年、ローマの聖チェチーリア賞を受賞している。
1949年、ロン=ティボー国際コンクール優勝。翌1950年、カーネギーホールでニューヨーク・フィルハーモニックと共演してセンセーションを巻き起こし、以来、エルネスト・アンセルメ、ディミトリ・ミトロプーロス、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ピエール・モントゥー、シャルル・ミュンシュ、アンドレ・クリュイタンス、ジャン・マルティノン、ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ、セルジュ・チェリビダッケ、カルロス・クライバー、ロリン・マゼール、ジョルジュ・プレートル、アルド・チェッカート、ミシェル・プラッソンなど名指揮者の数々と共演、ピアノ界の重鎮として名を成す。
1949年よりパリ在住、1969年にはフランス国籍を取得し、1971年から88年まで、パリ国立高等音楽院のピアノ科教授を務めた。1999年、在フランス50周年を記念したリサイタルを開催し、各界から多数の入場者を迎えて話題を呼ぶ。2003年、東京のすみだトリフォニーホールで一日2回のコンサートを行い、巨匠健在と絶賛を博し、ライブ録音もCD化されて高い売り上げを記録、次いで、2005年、2008年、2010年、2011年、2012年、2014年と来日を重ね、世界最高のピアニストとしての名声をほしいままにした。
EMIレーベルを中心に膨大な録音歴を誇り、近年も、La Dolce VoltaからCDを発売、話題を集めていた。フランス政府より国家功労賞、芸術文化勲章、レジオン・ドヌール勲章叙勲、その他エジソン賞、シャルル・クロス賞、ディアパソン賞等、受賞歴は数知れない。パリ国立高等音楽院の門下生には、海老彰子、ジャン=イヴ・ティボーテ、ニコラ・アンゲリッシュ、アルトゥール・ピザロなどがいる。
2015年2月1日パリ郊外の自宅にて永眠。
(キングインターナショナル)

カテゴリ : ニュース

掲載: 2015年02月02日 13:30