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時空を超えた競作! ヤンソンス親子の「幻想」揃ってリリース

旧ソ連の名指揮者アルヴィド・ヤンソンス(1914~84)は度々来日し、日本のオケの演奏水準を引き上げ「オーケストラの錬金術師」の異名をとりました。東京交響楽団からは「永久名誉指揮者」の称号を受けています。その息子、マリス・ヤンソンス(1943~ )はご承知の通り現代最高の指揮者の一人。ヤンソンス親子は、ともにベルリオーズの幻想交響曲を得意としており、両者の個性的な解釈は数多くの同曲録音に中でも異彩を放っています。この度、父アルヴィドの新発見音源と、息子マリスの最新録音がCDで競合することとなりました。ともにドイツのオーケストラであることも興味深いところです。(タワーレコード)

父アルヴィド・ヤンソンス指揮ドレスデン・フィルによる「幻想」
日本とも並々ならぬ深い絆で結ばれた巨匠アルヴィド・ヤンソンス。最近の発掘によりドイツでの活動も明らかになりつつあります。今回のリリースは毎年のように客演した渋い音色で知られるドレスデン・フィルとの「幻想」です。レニングラード・フィルとのメロディア録音は良く知られるところですが、ドイツのオーケストラとも度々上演を繰り返した自信のレパートリー。複数存在する放送録音から最も新しい演奏が採用されました。一聴してフランス系指揮者の解釈とは真逆の視点で見つめていることがわかります。極端なことを言えばまるでドイツ音楽のようなベルリオーズ。じっくりとしたテンポで歌い上げられ、「田園の風景」は16分以上かけて丹念に、おどろおどろしい世界を描き尽します。「コリオラン」も重厚極まる名演です。(東武トレーディング)
※英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付
①ベルリオーズ:幻想交響曲
②ベートーヴェン:序曲「コリオラン」
演奏タイミング:
①[15:24][6:46][16:20][4:56][10:44]、②[9:00]
アルヴィド・ヤンソンス(指揮)ドレスデン・フィルハーモニー
録音:1980年2月28日ドレスデン・クルトゥア・パラスト、ステレオ・ライヴ
WEITBLICK SSS0150

息子マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送響による「幻想」
ベルリオーズの「幻想」は、大好評となったベートーヴェンの交響曲全集とはまた一線を画した解釈であり、この曲の持つ雑多な雰囲気と溢れ出る狂気を見事に捌きながら、全体をきっちりと纏め上げています。もちろんヤンソンスらしい「あくの強さ」も健在。第1楽章から、フレーズの歌わせ方やデュナーミク処理などの細かい点まで、恐ろしいまでに考え抜かれたヤンソンス節が炸裂します。かたやヴァレーズの「イオニザシオン」は13人の奏者によるパーカッション・アンサンブルのための音楽で、ロマン派から近現代への橋渡しとなる作品として知られています。複雑なリズムの交錯から得られる一種妖艶な雰囲気は、まさしくサバトを思わせるもの。2つの曲の演奏時期は全く違うのですが、こうして並べて聴いてみると、思った以上にしっくり来ることにも驚きです。音楽に対するヤンソンスの姿勢のぶれのなさにも感服するばかりです。(ナクソス・ジャパン)
①ベルリオーズ:幻想交響曲
②ヴァレーズ:イオニザシオン
マリス・ヤンソンス(指揮) バイエルン放送交響楽団
録音:2013年3月7&8日 ライブ録音①、2010年7月1&2日 ライブ録音②
BR Klassik 900212

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2014年02月13日 13:00