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マリの気高き至宝、ロキア・トラオレ新作が名門ノンサッチから登場

Rokia Traore

シンガー・ソングライターであり、マリでは珍しいマルチ・イントゥルメンタリストの女性アーティストである彼女は、プロデューサーにジョン・パリッシュ(PJ Harvey、Tracy Chapman、The Eels)を迎え、2008年の前作『TCHAMANTCHE』から約3年ぶりとなるニュー・アルバムを英国ブリストルにあるTOY BOX STUDIOでレコーディング。

生まれ故郷マリで使用されているバンバラ語、フランス語、そして時には英語のフレーズも交じる歌詞は、時としてパーソナルで、また時として政情・社会不安に揺れる故郷について描いている。

しかしそのサウンドは本人曰く、“ロック”である。「ロックにインスピレーションを受けているのは明らかだわ。でも、西洋的なロックは作りたくなかった。あくまでもマリらしい、そして私らしいロックンロールを作りたかったの」。このアルバムについて彼女はそう語っている。実際彼女は「ロックが本当に好き」だそうで、「ロックがあったからこそ、音楽をやりたいと思った」のだそう。ちなみに、兄が聴いていたダイアー・ストレイツやピンク・フロイドに耳を傾け、父を通してジャズやブルースを知り、またマリを始めとするアフリカ各国の音楽やフランスのシャンソンを聴いて育った彼女がギターを手にしたきっかけは、やはりロックだったという。

ロキアのヴォーカルとギターが前面に出ている今作だが、ンゴニ(アフリカのリュートとの言われる弦楽器)といった伝統的な楽器も取り入れ、アフリカらしさは健在。アコースティック調の“Damou”、そしてブルージーな“Donguili”、そしてロック調の“Donke”まで、『BEAUTIFUL AFRICA』にはマリ文化が持つ様々な面、そして彼女自身の様々な姿が表現されている。

そんな彼女のサウンドを支えるのは、以下のミュージシャンたち:John Parish (guitar)、Stefano Pilia (guitar)、Nicolai Munch-Hansen (bass)、Sebastian Rochford (Polar Bear)(percussion)、Jason Singh (human beatbox), Fatim Kouyaté & Bintou Soumounou (n'goni / backing vo)他。

Africa Expressでデーモン・アルバーン、ポール・マッカトニーやジョン・ポール・ジョーンズといった伝説的アーティストと共演、さらにトニ・モリソン&ピーター・セラーズのミュージカルの楽曲を手掛けたりと、年々活躍の幅を広げているロキア。古代マリ文化から現代のロックンロールの間を優雅に行き来できる唯一無比の稀有な尊大である彼女はまさに美しきアフリカの至宝である。

 

 

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2013年04月16日 11:24