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漆黒の歌姫、ナタリー・ダンカンの衝撃デビュー・アルバム

エキゾチックでノスタルジック。心に刺さる魂の叫び…

Natalie Duncan

ナタリー・ダンカンの目指す音楽性は、エイミー・ワインハウス、アリシア・キーズ、ジェニファー・ハドソン、ノラ・ジョーンズ等の現代のソウル系歌姫の系譜に数えられるものだが、そのオリジナリティは群を抜いている。時には忍び込むように、時には切り込むように、聴く者の感性に激しく訴えかける彼女のクラシックでソウルフルでブルージーでゴージャスな歌声は、1960年代のジャニス・ジョップリンや1950年代のエタ・ジェームスまで遡らなければならないほど、強烈な存在感を放つ。

「Devil In Me」(私の中の悪魔)、「Sky Is Falling」(空が落ちてくる)、「Uncomfortable Silence」(居心地の悪い沈黙)等々、究極にシンプルであるが故に、歌声とピアノの旋律が強烈にリスナーの耳と心に刻まれるに違いない。5歳で歌、ピアノ、作曲を始め、父親のロック、レゲエ、ダブ、ブルース等のレコード・コレクションを聴きあさって育ったという彼女の音楽は、海外メディアで“ロックのレディオヘッドとジャズ・ヴォーカルのニーナ・シモンの間を自由自在に振幅する稀有な存在”と表現されている。

デビュー・アルバムとなる今作、ジミー・ホガースとの共作「Find Me A Home」以外は全曲自身の作詞/作曲。プロデューサーは、グラミー賞を3度受賞したことがある名匠ジョー・ヘンリー。また、伝説のドラムンベース・アーティスト、Goldie「Freedom」へのヴォーカル参加、ダブ・ステップ系プロデューサーのマグネティック・マンのアルバム参加等、クロスオーヴァ―なフィールドでもその注目度が格段に上がっているが、何よりもまず、その魅力を、見て、聴いて、感じて欲しい。

 

 

掲載: 2012年07月18日 18:10

更新: 2012年07月18日 18:23