シリーズ完結編~『ジョセフ・リン/バッハとイザイ~新しい旅のはじまり』

「魂のシャコンヌ~和声を介した連続の旅」(NF63001)、「バッハとイザイ~円を描く音楽の旅」(NF53002)に続く第3作「バッハとイザイ~新しい旅のはじまりは」がリリース。バッハとイザイの無伴奏を組み合わせた全曲録音シリーズは、世界初の試みと思われますが、「バッハとイザイ~新しい旅のはじまりは」はその完結編にあたるもので、今回は所沢ミューズアークホール(2000人収容)で収録されました。前作の「バッハとイザイ~円を描く音楽の旅」(すみだトリフォニーホールで収録)と同様に一部を公開した上で収録されました。
ジョセフ・リンは今回もこの録音のためにだけに来日し、万全の体制で3日間のセッションに臨みました。
「3枚目にして最後のディスクを録音するにあたり、私は最終地点に達したというより、
長い探求の旅の出発点にいるように感じた。」──ジョセフ・リン
『バッハとイザイ~新しい旅のはじまり』
【曲目】
1. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
2. イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調(J.シゲティに)
3. イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ト長調(M.クリックボームに)
4. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1003
エクストラ・トラック
5. ジョセフ・リン:シェーズ<陰影> -ヴァイオリンとコントラバスのための
【演奏】
ジョゼフ・リン(ヴァイオリン)
黒木岩寿(コントラバス)(5)
【録音】
2009年6月1-3日 所沢市民文化センター ミューズアークホール(埼玉)
【ジョセフ・リン Joseph Lin(ヴァイオリン)】
台湾系アメリカ人。78年米国メンフィスに生まれる。
4歳からヴァイオリンをはじめ、ジュリアード音楽院プレカレッジを経てハーバード大学比較宗教学部(00年優等賞を以って卒業)に学んだ、特異なキャリアを持つ音楽家。
96年、アメリカ合衆国大統領芸術奨学生となる。99年プロ・ムジシス・インターナショナル・アワードを最年少の21歳で受賞。04年にはフルブライト奨学生として中国に渡り、中国音楽学院で古琴をはじめとする中国音楽を研究した。
これまで、ボストン響、新日フィル、キエフ国立フィル、フィルハーモニア台湾などと共演。コンセルトヘボウ(アムステルダム)、シンフォニーホール(ボストン)、ウィグモア・ホール(ロンドン)、サル・コルトー(パリ)、ケネディ・センター(ワシントンDC)、ヴァイル・リサイタルホール(ニューヨーク)、サントリーホール(東京)などに出演し、マルボロ、シアトル等の音楽祭にも定期的に参加している。室内楽では、フォルモサ・クァルテットの創立メンバーとして06年ロンドン国際弦楽四重奏コンクールに優勝。11年からはジュリアード弦楽四重奏団の第一ヴァイオリン奏者として、世界各地で活躍している。
近年は教育活動にも力を注いでいる。07年から11年にかけてコーネル大学で准教授を務め、11年からはジュリアード音楽院で後進の指導にあたる。