こんにちは、ゲスト

ショッピングカート
  • Check

特集

...HOW LOW CAN YOU GO――(1)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2012年01月04日 18:00

更新: 2012年01月04日 18:00

ソース: bounce 339号(2011年12月25日発行号)

文/編集部 ディスクガイド/青木正之、入江亮平、佐藤大作、出嶌孝次



いま、そこにあるベース・ミュージック



もともと〈ベース・ミュージック〉と言えばエレクトロ(・ファンク)やマイアミ・ベースに端を発するゲットー・テックやバイリ・ファンキ、バウンス〜クランクなど一連の〈ベースもの〉を指す総称のようなものだったはずですが、ある時点からジャングル〜ドラムンベースやUKガラージ〜グライム、ある種のダンスホール・レゲエ、そしてダブステップといった〈ベース・オリエンテッドなブレイクビーツ〉全般を指すようになり、現在ではダブステップを通過した(=ポスト・ダブステップ)ファンキーやジュークなどの新しめな記号をセグメントする言葉として用いられることも多いようです。

逆にある種のメジャーなヒップホップ・ビートも構造はベース・ミュージックだったりするのですが……いずれにせよ、音を聴けばわかるようにそれらはすべて繋がっていますし、ダブステップ以降のベース・ミュージックが総じて盛り上がってきているのは間違いありません。今回はスペースの都合で、その拡張/拡散の様子については多くを紹介できていませんが、ヒップホップにもR&BにもJ-Popにもテクノにも日本語ラップにも、モダンな意味でのベース・ミュージックは普通に存在しているのです。そうした動きは来月号でまた触れていくことになるでしょう。




PINCH & SHACKLETON 『Pinch & Shackleton』 Honest Jon's(2011)

UKベースが変化/深化する際に必ずいるお二方の対決盤は、想像通りの仕上がり。いや、もちろんその想像ってのが、あらかじめ物凄いことになってるわけですけども……。畏怖と共に興奮を禁じ得ない、覚醒ベースの密林で行われる亡霊たちのダンス・パーティーにして、ベース音楽再考への大きな再号令。 *入江

 

ROSKA 『Rinse:15』 Rinse(2011)

好きモノたちを歓喜させたファースト・アルバムでのストイックかつディープな路線に加え、本ミックス盤ではケイティB、レッドライト、ジンク、ゼッド・バイアスらのキャッチーな曲を配し、ヘヴィーではあるがとてもノリが良く親しみやすい形でUKガラージ/ファンキーをプレゼンテーションしている。 *青木

 

VARIOUS ARTISTS 『Hessle Audio: 116 & Rising』 Hessle Audio(2011)

本作に未発表曲を提供したジェイムズ・ブレイクの名を出すとアレなんですが、ベース・ミュージックのこれからを担うであろうラマダンマンやアディソン・グルーヴ、ブラワンら同世代の類い稀な才能たちが一堂に会したコンピ。ダンス・ミュージックの本質と向き合う新たなグルーヴ群がどれも潔い。 *入江

 

VARIOUS ARTISTS 『Future Bass』 Soul Jazz(2010)

シーンの掘り下げも予見もお手の物なUKの老舗レーベル監修。〈ポスト○○〉なんて正直ピンとこないほど枝分かれの激しかった過渡期に、その最前線を中継したこのコンピの存在はデカかった。フォー・テットやラマダンマンらに加え、ほぼ無名だった新顔も交じるあくまでコンセプト重視の人選。ディスタルとか、マジ早い! *佐藤

 

DJ MADD 『Transmissions Vol.1』 Black Box(2011)

UKベースを取り巻く状況が激動したここ数年の間も、黎明期より変わらずトラディショナルなスタイルを貫いてきたブリストル勢。本質を蔑ろに変化だけを追いかけていては飽和するのはあたりまえで、核心を突く硬質なビートと太くて悪いベースラインが描くハーコーな銀塩風景にはDMZの姿が透けて見える。 *入江

 

ZED BIAS 『Biasonic Hotsauce』 Tru Thoughts(2011)

UKガラージの隆盛と共に台頭したゼッド・バイアスは、UKにおける近年のベース・ミュージック発展に大きな影響を与えたひとりで、昨今激しく細分化した各シーンの道標とも言える存在。そんなわけでマッド・サイエンティストよろしく、この最新作でもさまざまなエッセンスを融合させて腕を振るっている。 *青木

インタビュー