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追悼イルジー・ビエロフラーヴェク (1946.2.24~2017.5.31)

カテゴリ : Classical 

掲載: 2017年06月02日 00:00

Jiří Bělohlávek on 121st season of the Czech Philharmonic
チェコ・フィルハーモニー公式YouTubeページより

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、音楽監督のイルジー・ビエロフラーヴェク氏が癌との長い闘病の末、2017年5月31日に亡くなりました。71歳でした。

21世紀に入り、一時期低迷を伝えられたチェコ・フィルハーモニー管弦楽団ですが、2013年、ビエロフラーヴェクが20年振りに楽団に返り咲くと、数々の偉大な成功を収め、英デッカ・レーベルへの新たなドヴォルザーク・シリーズが好評を得るなど、国内外で名誉ある地位を取り戻してきました。われわれ日本人にとっても1970年代から長く日本のオーケストラに客演して、なじみの深い指揮者です。現役の巨匠指揮者の突然の訃報に寂しさを禁じ得ません。

イルジー・ビエロフラーヴェクは1946年2月24日、プラハで生まれました。弁護士、裁判官だった父親は幼い頃から息子をクラシック音楽に親しませ、4歳で少年合唱団に入団し、すぐにピアノを始めました。ミロシュ・サードロにはチェロを学び、プラハ音楽院とプラハ芸術アカデミーで音楽の勉強を続けました。指揮を始めたのもこの時期です。

1968年、伝説的なルーマニアの指揮者セルジュ・チェリビダッケはビエロフラーヴェクを助手に招き、彼はこの巨匠から2年間教えを受けます。1970年にはチェコ指揮者コンクールに優勝、1971年にはカラヤン指揮者コンクールのファイナリストとなりました。1970年、ビエロフラーヴェクは初めてチェコ・フィルを指揮しています。これがチェコ・フィルとの長い関係の始まりでした。

1972年、ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団の指揮者に就任(1978年まで)。1977年にはプラハ交響楽団の首席指揮者に就任(1989年まで)。この間、チェコ・フィルの首席指揮者だったヴァーツラフ・ノイマンは1979年にベルリンのコミーシェ・オーパーにビエロフラーヴェクを紹介し、スメタナの歌劇《秘密》でデビューさせました。翌年には同劇場でストラヴィンスキーの歌劇《道楽者のなりゆき》を指揮しました。

The Dvořák Cycle - Vol. 1 Alte Oper Frankfurt 1993
Arthaus公式YouTubeページより

その10年後、ビエロフラーヴェクはノイマンの後継者としてチェコ・フィルの首席指揮者に就任し、ターリヒ、クーベリック、アンチェル、ノイマンと続く偉大なチェコ人指揮者の系譜に加わりました。ところが、ビロード革命後の深刻な財政危機のため1991年にチェコ・フィルは再編成され、ドイツ人のゲルト・アルブレヒトを新任の指揮者に指名。ビエロフラーヴェクはアルブレヒト就任まで首席指揮者を続けたものの、1992年には失意のうちに辞任します。

1994年、彼はプラハ・フィルハーモニーを設立し2005年まで率い、その後は桂冠指揮者に就任。同時に世界の主要オーケストラへの客演を続け(ベルリン・フィル、ボストン交響楽団、クリーヴランド交響楽団、、ニューヨーク・フィル、NHK交響楽団、フィラデフィア管弦楽団、シュターツカペレ・ドレスデン、サンフランシスコ交響楽団など)、エジンバラ、ルツェルン、モントルー、パース、プラハ、ザルツブルク、タングルウッドなどの国際音楽祭に出演しました。1995年にはイギリスのBBC交響楽団の首席客演指揮者となり、2000年まで務めた後、2006年に首席指揮者に就任しました(2012年まで)。

ビエロフラーヴェクの録音は、LP時代はチェコ・スプラフォンやチェコ・オーパスなどにあり、CD時代に入るとチェコ・スプラフォンと並行して英シャンドスや仏ハルモニア・ムンディへの録音が増え、近年では英デッカへドヴォルザークの作品をシリーズとして録音していました。現在、取扱い中のCDや映像作品を下記「関連商品」にまとめました(発売の新しい順)。

これらの仕事と並行して、1997年にプラハ芸術アカデミーの教授に任命され、2009年までは指揮科の部長を務めました。彼の門下には若いチェコの指揮者、トマーシュ・ハヌス、ヤクブ・フルシャ、トマーシュ・ネトピルが含まれています。

2012年5月、ビエロフラーヴェクはイギリスのエリザベス2世よりCBEを授与されました。チェコでは一級功労賞メダルを授与されました。70歳を超え、名実ともに巨匠となり、数々の栄誉や名声に包まれ、これからさらに素晴らしい名演奏を実演に、CDに聴かせてくれるに違いないと多くの方が期待していたと思います、寂しいだけでなく、大きな喪失感を感じているのは筆者ばかりではないことでしょう。改めて、ビエロフラーヴェクがわが国に残してくれた様々な功績を讃えつつ、この項を閉じさせていただきます。
(タワーレコード)

Jiří Bělohlávek and the Czech Philharmonic: Dvořák Symphony No.7 - IV. Finale (Allegro)
Decca公式YouTubeページより

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