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往年のフランスの名ヴァイオリニスト、名教授~ミシェル・オークレール特集

カテゴリ : Classical  キャンペーン 

掲載: 2016年06月17日 12:00

ミシェル・オークレール

晩年の斎藤秀雄は弦楽器の運弓のさらなる追求のため、弟子の森悠子をフランスのミシェル・オークレールのもとへ送り込みます。オークレールにはジャック・ティボーに代表されるフランコ=ベルギー派の流れ、アウアー門下のボリス・カメンスキーに学んだロシア派の流れ、そして新しいヴァイオリン教育の手法で名高いパシュクス夫妻の教えが、全て受け継がれていたからです。

森悠子はその後フランスで研鑽を積み、パイヤールやマルゴワールの合奏団、フランス国立放送フィルでの長い演奏経験のあと帰国。1990年には第1回京都フランス音楽アカデミーを開講、1997年には長岡京アンサンブルを設立し、数多くの弦楽器奏者を輩出しているのはご存知の通りです。

つまり、オークレールの音楽的遺伝子は多くの日本の若い演奏家に受け継がれ、演奏を通じて私たちの音楽体験に結びついていることになります。

では、オークレール自身はどのようなヴァイオリニストだったのでしょうか。

彼女は1950年代に国際的な演奏活動を開始しましたが、左腕の故障のため1970年を最後に演奏活動から引退。ヴァイオリニストとしての活動期間はわずか20年ほどだったため、その名声に比べて録音は極めて少なく、しかも1950年代以前のモノラル録音はつい最近までCDとして聴くことができませんでした。

ようやくマイナーレーベルよりLPやSPからの盤起しの形で発売されるようになりましたが、一般に広く聴かれているとは言い難い状況が続いていました。

そこへドイツの廉価レーベル、メンブランよりオークレールの名演集8枚組リリースのニュースが入りました。CD8枚組で、レギュラー盤1枚ほどの価格です。長い間、古いLPレコードを探し求めていた筆者にとっては、まさに「今昔の感に堪えない」という言葉がふさわしく思えます。

ビギナーからマニアまで、全てのクラシック・ファンにおすすめしたい一組です。それぞれの録音に触れながら、オークレールの音楽人生を振り返ってみたいと思います。
(タワーレコード商品本部 板倉重雄)

おすすめ新譜
入手困難音源を含む8枚組廉価BOX
~ミシェル・オークレール(ヴァイオリン)名演集

ミシェル・オークレールは1924年11月16日、パリで生まれたヴァイオリニストです。4歳でヴァイオリンを始め、パリ音楽院でジネット・ヌヴーやローラ・ボベスコを育成した名教授ジュール・ブーシュリに師事しました。またレオポルド・アウアー、ヨーゼフ・ヨアヒムの流れを汲むロシア人ボリス・カメンスキーにも師事して、ロシア派の技巧や音楽性も身に付けました。1943年、ナチス・ドイツ占領下のパリで開催された第1回ロン=ティボー・コンクールでヴァイオリン部門の優勝を飾りました(ピアノ部門の優勝はサンソン・フランソワ)。

デビュー盤は、優勝後すぐ、1943年10月7日に録音されたハイドンのヴァイオリン協奏曲第1番(Disc3に収録)で、コンクールを主宰した巨匠ジャック・ティボーが自ら指揮を執って、その門出を祝いました。1945年2月4日には解放されたパリで、ミュンシュ指揮パリ音楽院管弦楽団とモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を弾きました。同年にはジュネーヴ国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で優勝しています。1948年にはアムステルダムでミュンシュ指揮コンセルトヘボウ管弦楽団とブラームスのヴァイオリン協奏曲を演奏。また1949年にはアメリカに渡って名教師テオドール&アリス・パシュクス夫妻に師事してヴァイオリン奏法の総仕上げを行いました。

1951年1月にはミュンシュ指揮ボストン交響楽団の演奏会に出演し、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏。大成功を収め、その後はジネット・ヌヴー以来の天才女性ヴァイオリニストとして華々しく国際舞台で活躍しました。

この訪米に合わせるように発売されたのがDisc3に収録されたチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です(米Remington原盤)。彼女が所有していたヴァイオリンは、1732年製のグァルネリで、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を1881年に初演したロシア人ヴァイオリニスト、アドルフ・ブロツキーが使っていたものです。チャイコフスキー自身がその音色を気に入っていたと言われる楽器を使って、彼女はこの協奏曲を録音しました。米RemingtonはLP初期の廉価レーベルだったため、オークレールの名はこのLPによって世界的に有名となりました。1957年には訪ソしてコンドラシン指揮モスクワ・フィルとこの協奏曲を弾き、作曲者の地元モスクワの愛好家を熱狂させました。

ブロツキーのガルネリ

 ブロツキーのグァルネリ

1956年にはラザール・レヴィに学んだピアニスト、ジャクリーヌ・ボノーとデュオ・チームを組みます。ボノーはパリ音楽院でピアノ、ハーモニー、音楽史、フーガと伴奏の各科目で一等賞をとった才媛でした。この新しいデュオは、1957年5月、バッハのヴァイオリン・ソナタ、ブラームスのソナタ第3番、バルトークのソナタ第1番を演奏してパリ楽壇にデビュー。たちまち好評を得ました。同じ年に録音されたのがDisc7のドビュッシーとラヴェルのソナタです。オリジナルは仏LES DISCOPHILES FRANCAISの10インチLPで、冴えわたった技巧と感性による名演として知られているものです。

同時期に録音されたのが珍しくオルガンのアランと組んで録音したバッハのヴァイオリン・ソナタ全集です(Disc4とDisc5)。オークレールの自在な技巧を駆使した情熱的で気品高い演奏は、アランのオルガンと不思議な調和を見せ、個性的で魅力的なバッハを聴かせてくれます。

米Remington(Disc3、6、8)や仏LES DISCOPHILES FRANCAIS(Disc4、5、7)のオリジナルLPはモノラル録音だったため、その後すぐにステレオ時代に入ったことで長く廃盤の憂き目を見て、非常な稀覯盤となっていました。このように廉価BOXでいとも簡単に入手できるようになることは、今昔の感に堪えません。

1958年よりステレオLPの時代が始まると、彼女は蘭Philipsと契約して協奏曲を3枚ステレオ録音します。ここには、そのうちの2枚、モーツァルトとブラームスが収録されています(Disc1とDisc2)。この2枚は日本で幾度となく再発売されたので、既にお馴染みの方も多いことでしょう。1962年には、パリ音楽院の室内楽の教授だったジュヌヴィエーヴ・ジョワと新しいデュオを組んで活動を開始しますが、左手の故障のため1970年6月27日、ストラスブールでの演奏会を最後に、第一線の演奏活動から退くこととなります。

その後は教育活動に専心し多くのヴァイオリニストを育成しました。1967年にピエール・ドゥーカンとともに母校パリ音楽院の教授となり、1990年まで務めました。1977年には桐朋学園の招きで初来日し、講習会を開いています。1990年にパリ音楽院を辞して名誉教授となり、その後はボストンのニュー・イングランド音楽院で教鞭をとりました。1995年には音楽への長年の貢献のため、フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章を授与されました。彼女の門下からはローラン・コルシア、フィリップ・アイシュ(パリ管コンサートマスター)、アンヌ・メルシエ、丁讃宇、清水高師、森悠子、伊藤奏子らを輩出しています。そして2005年6月10日、パリで80歳で亡くなりました。

彼女の演奏活動は短い期間でしたが、その激しく情熱的でいて洗練された表現と、多彩な音色の魅力は、その名声に比べて少ない数ではあるものの録音に残され、今なお多くのヴァイオリン・ファンを魅了しています。この8枚組にはDisc7や8など入手困難な音源を含む彼女の主要録音が収められていて、なおかつ価格がCD1枚程度の超廉価盤となっています。彼女の演奏に初めて接する方にも、ヴェテランの愛好家の方にも、心からおすすめしたいと思います。
(タワーレコード)

収録内容

Disc. 1
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番K.218
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番K.219
マルセル・クーロー指揮、
シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団
1961年録音
(蘭Philips原盤)

Disc. 2
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲Op.77
ウィレム・ヴァン・オッテルロー指揮、ウィーン交響楽団
1958年録音
(蘭Philips原盤)

Disc. 3
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲Op.35
クルト・ヴェス指揮、オーストリア交響楽団
1950年録音
(米Remington原盤)

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番
ジャック・ティボー指揮、パリ音楽院管弦楽団
1943年10月7日録音
(仏DISQUE"GRAMOPHONE" W-1579/80[SPレコード]の復刻)

Disc. 4、Disc. 5
J.S.バッハ:ヴァイオリンソナタBWV.1014~BWV.1019
マリー=クレール・アラン(Org)
1956年録音
(仏LES DISCOPHILES FRANCAIS原盤)

Disc. 6
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、コル・ニドライOp.47
ヴィルヘルム・ロイブナー指揮、オーストリア交響楽団
1952年録音
(米Remington原盤)

Disc. 7
ドビュッシー:ヴァイオリンソナタ ト短調
ラヴェル:ヴァイオリンソナタ第2番
ジャクリーヌ・ボノー(pf)
1957年10月24日録音
(仏LES DISCOPHILES FRANCAIS原盤)

Disc. 8
クライスラー:愛の喜び、愛の悲しみ、美しきロスマリン、ウィーン奇想曲、中国の太鼓
ブランドル(クライスラー編):オールド・リフレイン
プニャーニ(クライスラー編):前奏曲とアレグロ
グルック(クライスラー編):メロディ
クライスラー:ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
ドヴォルザーク(クライスラー編):わが母の教えたまいし歌
シャミナード(クライスラー編):スペインのセレナード
ファリャ(クライスラー編):はかなき人生より「スペイン舞曲」
オットー・シュルホフ(pf)
1953年録音
(米Remington原盤)

関連新譜
フランス国立視聴覚研究所提供!ミシェル・オークレール・ライヴ録音集(2枚組)

驚きのリリースを続けている、スペクトラム・サウンド・レーベルの好企画、フランス国立視聴覚研究所提供による音源を使用したコンサート・ライヴ・シリーズ“ベルアーム”の最新盤は、ミシェル・オークレールの1958年から1967年かけて録音された名演集で、プロコフィエフ、バルトークのソナタ、バッハの協奏曲第2番、モーツァルトの協奏交響曲、そしてテレマン、ストラヴィンスキー、シューベルトの作品が収録されております。オークレールの全盛期の演奏がスペクトラムサウンドの丁寧な復刻で見事によみがえりました。
「今回ディスク化された録音はいずれもモノラルながら音質は非常に鮮明であり、オークレールのファンにはまたとない贈り物である。目の覚めるような技巧の冴えと、独特の妖艶さと粋な表情が交錯し、全く独自の世界を切り開いている。(平林直哉)」
(キングインターナショナル)

【収録曲目】
※上記8枚組との曲目かぶりはありません
Disc1
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調Op.94a
ジャクリーヌ・ボノー(ピアノ)録音:1958年11月25日

バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番Sz.75
ジャクリーヌ・ボノー(ピアノ)録音:1958年10月11日

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
ピエール・カプドヴィーユ(指揮)RTF室内管弦楽団
ライヴ録音:1959年1月8日/パリ

Disc2
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364
フェルナン・ウーブラドゥ(指揮)ロジェ・ルパウ(ヴィオラ)
パリ室内管弦楽団
ライヴ録音:1961年3月5日/パリ

テレマン:組曲ト長調
ストラヴィンスキー:協奏的二重奏曲
シューベルト:幻想曲ハ長調D.934
ジュヌヴィエーヴ・ジョワ(ピアノ)
ライヴ録音:1967年4月10日/ボルドー

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