こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

セール&キャンペーン

インタビューの続きはこちら、特典映像、旧作について

―ユーロスペースでの凱旋上映で拝見した際に、今回は撮影の方に力を入れていたとおっしゃっていたのですが、主演も監督もされることが多いですが、今回だけ撮影に力をいれていたのでしょうか?

今回は本当は僕、出ないつもりだったんです。いつもの僕の映画は、僕がでるのがいいと思ってやっているんですけど、今回のは僕のいつもの自主映画とは違うものにしたかったので、もっと著名な尊敬できるみんなの知っている俳優さんに出てもらいたかったんですけど、ただそんな贅沢言ってらんない状況になったので、お金が一番かからない、一番究極な方法は自分で自撮り映画で作ろうと始めたので。
ほんとは今回は監督とカメラをやりたかった。いつも映画は出演もしたいけど、カメラもいつもこってます。映像が好きなので、どっちがどうっていうのはないですね。

―今回パッケージの特典映像「レイテ島訪問時の秘蔵映像や戦争体験者への取材を含む塚本監督が大岡昇平さんの小説との出会いから『野火』の劇場公開までを克明にとらえたドキュメンタリー」も監修されていますが、どういった内容なのでしょうか?

そうなんです。ロングヒストリーなんですよ。
僕にとってはこの特典映像は大作なんですよ。
海獣シアターの大作特典で、この『野火』っていうのはほんとに長年の夢なんですけど、10年ぐらい前に戦争体験者の方々にインタビューをしたところからビデオ回して、その方々と一緒にフィリピンのレイテ島に行って、兵隊さんの遺骨の取集に行っているところも入っているんですよね。ほんとにロングヒストリーです。

―10年前から『野火』を撮るつもりで記録されていたのですか?

ちょうど10年前に『野火』をほんとに映画にしたかった。その時にお話をうかがって、ほんとはもっと早く作りたかった。
それがすぐには作れなくて、どんどん時間がたってしまって今になってしまっただけなんですけど、あの時で戦争体験者が80代だったので、あの時でさえも今聞いとかなきゃと思った。今はもうほとんどいらっしゃらなくなってしまった。遂に。
ラストチャンスと思って聞いて、そのインタビューも入っています。

―ユーロスペースでお話を聞いた時も体験された方は「こんなもんじゃない、もっとすごい」とおっしゃいたのも、気になっていたので、体験された方の貴重なお話を見れるのはありがたいですね。

映画館に行って、僕が口で話してましたけど、それらがみんなほんとなんだってのがわかりますね。映像で出てくるのでくっきり。

―撮影しているところも収録されているのでしょうか?

ポイント、ポイントですが、爆発シーンなども入っています。公開後に宣伝配給自分たちでやって色んな劇場に行ったところとか。
最後はこういう時代にこういう映画を作った意味みたいなとか、割と総集編的な感じで、60分にギュッと。

―特典映像で60分は豪華ですよ。

それでも最初は3時間あったので、かなり省略してやっと1時間という感じですね。だから内容はかなり濃い感じです。

―今回『野火』の発売に合わせて代表作7作がブルーレイ化がありますが、その中でも『バレット・バレエ』が重要なのかなと思ったのですが、
監督のツイッターでも『野火』は『バレット・バレエ 2』だというコメントも拝見して。

『バレット・バレエ』の時に、初めてちょっと僕の映画の中に、戦争のニュアンスがぷっと出てくるんですね。
戦争に行った痛みを知っていらっしゃる方が目の黒いうちは戦争への動きはなかったのですが、あの時いらっしゃらなくなり始めた時期なので、戦争への動きが出始めたように感じました。その感じが入っていると思います。
今はほんとに戦争に行った痛みを知っている方がいらっしゃらなくなったんで、もう今しかないって思って『野火』を撮ったので。
実際に戦争に行かれた方がいらっしゃるかいらっしゃらないかは自分の中で大きい。世の中が色々動いてんだってのは理屈としてわかるんですけど、なんかそうじゃない気がして仕方ないんですね。痛みをほんとに知っている、熱いとか痛いとかいう思いをした人がいるかいないかが、重要な分かれ道な気がしてしょうがないですね。

―リマスターするにあたって、こだわった部分はありますか?

とにかく今までの中で一番きれいなものを作りました。いつも映画からビデオにしたりとか、DVDにしたりとか、自分で色をもう一回頭からワンカット、ワンカット調整するんですけど、今度もまた新しいデジタルリマスターするにあたって、全部色を頭から確認して、音もやり直して、全部きっちりやりました。かなり時間と労力がかかってますね。やっと出せる、ほんとにありがたい。
『野火』とか興味持ってもらった方はぜひ、初期の代表作をぜひ見てもらいたいです。

野火

―これから『野火』をブルーレイ、DVDで見られる方に一言お願いします!

ほんとは劇場で観てもらいたいぐらいなので、音をですね。グッと大きくして、ながら見しないで、グッと集中して観てもらいたいですね。
森林の中にいるつもりで観てもらえると思います。音を大きくして、映画を浴びてほしい。

以上、塚本監督のインタビューでした。短い時間でしたが、ありがとうございました!

インタビュー時にいただいたサイン入りコメントカードを抽選で5名様にプレゼント!
※TOWER RECORDS ONLINEで2016年5月26日23:59までにご予約/ご購入のお客様は自動的に抽選の対象となります。
※当選者の発表は特典の発送をもってかえさせていただきます。
野火

 

【担当こぼれ話】
高校生の時から見ている作品の監督にお話しを聞けるというだけで大緊張でした。監督にとっても大事な作品である『野火』のお話を聞ける貴重な時間はありがたい時間でもあり、『野火』で感じたことを、戦争を“疑似体験”した事は忘れてはならない事だということ。体験した方々から話を聞ける機会がなくなっていく中、『野火』などの作品から何を残せるのか、私は何を語るのかが重要になってくるかなと思いました。
インタビューを通して、口伝えであっても、『野火』が伝えたかった事を少しでも、色んな方に伝わっていけばいいなと思いました。貴重な時間をありがとうございました。
特典映像はぜひ3時間版を見てみたいと思いました!特典映像の劇場上映などもやっていただきたいです!

Text:Naomi Jomori

 

「野火」発売記念 塚本晋也監督トークイベント
開催日時:2016年05月15日(日)   11:00
場所:渋谷店  4Fイベントスペース
出演:登壇者 塚本晋也監督 ゲスト:石川忠(「鉄男」「鉄男 II」「野火」ほか、音楽を担当)
参加方法などの詳しい詳細はこちら
http://tower.jp/store/event/2016/05/003021

タグ : 映画 勝手に!?映画祭

掲載: 2016年04月26日 10:50

記事ナビ