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デンマークの大作曲家カール・ニールセンの生誕150年記念特集

デンマークの大作曲家 カール・ニールセン 生誕150年記念特集
2015年6月9日は、デンマークの大作曲家、カール・ニールセン(1865年6月9日~1931年10月3日)の生誕150年の記念日です。

ニールセンが生きた時代は、日本流に言うと明治~昭和初期にあたります。15世紀にはノルウェー、スウェーデンを含む大王国であったデンマークは、17世紀半ばにはスカンジナヴィア半島の領土を喪失し、ニールセンが生まれる前年には南部の肥沃な土地、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン地方を失います。

ユラン半島北部と島嶼部だけの小国になったデンマークは、常にドイツの脅威にさらされながら独自の行き方を模索するようになります。ニールセンはこのように困難な時代のデンマークに生を受け、生涯デンマークに留まって音楽活動を続けた作曲家でした。彼の肖像が以前のデンマーク100クローネ紙幣に描かれたのは、彼の祖国に対する思いの強さが、デンマーク国民の心を打つからでしょう。

ここではニールセンの代表的な作品のCDをご紹介し、彼の作曲家としての歩みを辿ろうと思います。

12月18日発売!
ニールセン・イヤーの掉尾を飾る名演登場!
P.ヤルヴィ指揮hr交響楽団によるニールセン:交響曲全集


2009年から2013年にかけて4年がかりで成し遂げられたこのニールセンの交響曲全曲録音は、ブルックナー(5曲がRCAよりリリース済み)やマーラーの交響曲全集(映像による全曲がC Majorよりリリース済み)と合わせ、パーヴォがフランクフルト放送響首席指揮者時代(2006-2014)に打ち立てたマイルストーンの一つ。
パーヴォの解釈は、鋭いリズム捌き、クールなリリシズムの表現、そしてシンフォニックな構成感を生かした男性的なダイナミズムが聴きもの。ニールセンの個性的なオーケストレーションのディテールを緻密に再現する手腕もパーヴォならでは。パーヴォのこの新しい全集は、アニヴァーサリー・イヤーを超えて、その先を志向する名演の誕生といえるでしょう。

カール・ニールセン生誕150周年記念!
ダナコードが贈る貴重音源集は30枚組BOX

デンマークを代表するレーベルであるダナコード(Danacord)が、同郷の巨匠の生誕150周年を祝い、貴重な音源を集めた30枚組のボックスセットをリリース!

エーリク・トゥクセン、トゥール・マンが指揮した交響曲全集、ユーディ・メニューイン、エミール・テルマーニが奏でる「ヴァイオリン協奏曲」、ラウニ・グランデールが振る2つのオペラ「仮面舞踏会」、「サウルとダヴィデ」、さらにはフリッツ・ブッシュやニコライ・マルコ、アクセル・シュッツなど、往年の名演奏家たちによるニルセンの名演を集めた生誕150周年に相応しいボックス・セットの登場です!

復刻は、名エンジニア、クラウス・ビリト、アンドルー・ウォルターが担当。

(1)交響曲

「北欧のシンフォニスト」を謳われたニールセンは、「作曲家の魂」とも言われる「交響曲」を生涯に6曲完成しました。

交響曲全集のおすすめCDはこちら。

アラン・ギルバート指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
【録音】2011~15年、ニューヨーク,リンカーン・センター,エブリー・フィッシャー・ホール
デンマーク国家が資金援助しているナショナル・レーベル、ダ・カーポが今年の記念年を目指しニューヨークで録音したニールセンの交響曲&協奏曲全集です。「カール・ニールセンの音楽は古典的なドイツの交響曲の伝統から生まれています。しかし、それは明確にデンマーク語により語られます。その語り口は非常に魅力的で、ごつごつした外観と北欧での生活の特徴を持ち合わせています。私はニールセンの時代が来たと確信しています。そして私はこの素晴らしい音楽を聴衆とCDリスナーの方々と共有したいと思います」(アラン・ギルバート)

 

パーヴォ・ベルグルンド指揮
デンマーク王立管弦楽団
【録音】1987~89年、コペンハーゲン、オッド・フェロウ・ホール
フィンランドの巨匠ベルグルンド(1929~2012)とニールセンの母国デンマークのオケによる全集。鋭いリズム捌き、クールなリリシズムの表現、そしてシンフォニックな構成感を生かした男性的なダイナミズムが聴きものです。

 

コリン・デイヴィス指揮
ロンドン交響楽団
【録音】2009~11年、ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
「ニールセンの音楽は、LSOのために書かれたとおもっていいかもしれない。つまり、オーケストラの強靭なサウンドと自由な精神のテンペラメントは、このシンフォニーにおける名手の要求と本能的なダイナミズムとに適っている」と絶賛された演奏会のライヴ。この功績によりデイヴィスは、デンマークよりダネブロー・コマンダー勲章を叙勲されました。

 

ジョン・ストゥールゴールズ指揮
BBCフィルハーモニック
【録音】2012~2015年、メディアシティUK(サルフォード、イギリス)
ストゥールゴールズ(1963~ )はヘルシンキ・フィルの首席指揮者と務めた後、現在はBBCフィルハーモニックの首席客演指揮者を務めるフィンランドの指揮者。彼が振る北欧音楽はイギリスで非常に高く評価されています。最新録音で全集を楽しみたい方に好適です。

 

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
サンフランシスコ交響楽団
【録音】1987~90年、サンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホール
スウェーデンの巨匠ブロムシュテット(1927~ )はドイツ物のレパートリーで有名ですが、シベリウスやニールセンなどの北欧物にも精緻でいて共感に満ちた表現を行います。

 

オーレ・シュミット指揮
ロンドン交響楽団
【録音】1974年録音
シュミット(1928~2010)はコペンハーゲン出身のデンマークの名指揮者。デンマーク王立音楽院でピアノと作曲、指揮を学び、その後ヴォルフ、クーベリック、チェリビダッケなどの名指揮者に師事。ハンブルク交響楽団、デンマーク国立放送交響楽団などの首席指揮者を歴任しました。LP時代に録音したこの全集は、ニールセンの録音が少なかった時代の貴重な一組として多くの好楽家に愛されました。

 

ダグラス・ボストック指揮
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】1999~2001、2003年録音。
伝統的にイギリスの指揮者は北欧音楽を得意としています。このボストックも1955年、英国チェシア州ノースウィッチ生まれ。2000年からは東京佼成ウィンド・オーケストラの常任指揮者を務め、我が国にもお馴染みの存在です。この全集は、ニールセンの協奏曲やピアノ曲、歌曲まで収めた10枚組廉価ボックスに含まれており、手軽に幅広くニールセンの作品に接したい方に好適です。

各交響曲個別のおすすめCDはコチラ

交響曲第1番ト短調(1891~92年作曲)

20代のニールセンが完成した最初の交響曲。実は1888年に交響曲の作曲に着手したことがありましたが未完成に終わり、現在は交響的狂詩曲FS.7として知られています。この作品は伝統的な書法により書かれた4つの楽章から構成されています。非常に爽やかで、明快で、かつ美しい抒情にあふれた作品です。

 

交響曲第2番ロ短調“四つの気質”(1901~02年作曲)

人間の4つの気質、すなわち陽気で活発な性格の多血質、短気で怒りっぽい胆汁質、鋭く冷静で知的な粘液質、陰気でメランコリックな憂鬱質、を交響曲で表現した大胆で楽しい作品です。

 

交響曲第3番ニ短調“広がりの交響曲”(1910~11年作曲)

ベートーヴェンの“英雄”を思わせる激しいトゥッティで始まる、アレグロ・エスパンシヴォ(広がり)。第2楽章アンダンテ・パストラーレではソプラノバリトンのヴォカリーズが加わるのがユニーク。第3楽章はスケルツォ風の音楽。第4楽章はブラームスの交響曲第1番終楽章第1主題とよく曲想で始まります。

 

交響曲第4番“不滅”(1914~16年作曲)

6曲中最も有名な交響曲。第1次世界大戦中に書かれた作品で、音楽と生命の、そして祖国デンマークの不滅を高らかに歌い上げた交響曲です。

 

交響曲第5番(1921~22年作曲)

標題の無い交響曲ですが、戦争がテーマとなっている、という解釈があります。打楽器陣の活躍が目立つことも含めて、ショスタコーヴィチの先駆けのような内容をもっています。完成度の高さではニールセンの交響曲中随一と言われています。

 

交響曲第6番“素朴な交響曲”(1924~25年作曲)

新古典主義的なシンプルな親しみやすさの中に、凝った作曲技法と風刺や諧謔を込めた謎めいた作品です。

 (2)管弦楽曲

管弦楽作品集

ニールセンには魅力的な管弦楽作品が少なくありません。1903年の演奏会用序曲『ヘリオス』は、ギリシャ旅行した作曲者がエーゲ海の日の出に感激して書いた作品。1918~19年作曲の『アラジン』は有名なアラビアン・ナイトの劇付随音楽。音楽のエキゾチックな魅力により7曲の組曲が作られました。1904~6年作曲の歌劇『仮面舞踏会』からの管弦楽曲もしばしば演奏されます。

 

(3)協奏曲

少年時代からヴァイオリンと管楽器を自ら演奏したニールセンは、ヴァイオリン、フルート、クラリネットのために協奏曲を1曲ずつ作曲しました。一方、ピアノ協奏曲は残しませんでした。

協奏曲全集
アラン・ギルバート指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
【録音】2012&2015年、ニューヨーク,リンカーン・センター,エブリー・フィッシャー・ホール
ソリストはカナダのフルート奏者、ロベール・ランジュヴァン、メトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席クラリネット奏者、リアンソニー・マックギル、そしてデンマークのヴァイオリン奏者、ニコラス・ズナイダー。

 

ヴァイオリン協奏曲(1911年作曲)

デンマークのヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、ペデル・メデル(1877~1940)に触発されて作曲された技巧的で、美しい旋律に富んだヴァイオリン協奏曲。メデルとともに、ハンガリーの名ヴァイオリニストで娘婿でもあったエミール・テルマニー(1892~1988)が積極的に演奏し、世に広まりました。

 

フルート協奏曲(1926年作曲、1927年改訂)

ニールセンはコペンハーゲン管楽五重奏団のために管楽五重奏曲を作曲し、成功を収めました。その後、団員全員のために協奏曲を書こうと思い立ち、最初に完成したのがこのフルート協奏曲です。

 

クラリネット協奏曲(1928年作曲)

フルート協奏曲と同じく、コペンハーゲン管楽五重奏団のメンバーのために作曲された協奏曲。ニールセンの体調悪化のため最後の協奏曲となり、残った3つの楽器のための協奏曲の作曲計画は果たせずに終わってしまいました。

 

(4)室内楽曲&器楽曲

ニールセンは弦楽四重奏曲の作曲には交響曲同様に若い頃から継続して取組み、完成度の高い作品群を残しています。また円熟期に書かれた管楽五重奏曲はこのジャンルの名作の一つ。当初苦手としていたピアノ作品も円熟期以降は充実した作品を残しました。

弦楽四重奏曲集

番号付きの4曲を作曲したほか、若き日の習作も残されています。何れも明快な形式の中にニールセンらしい抒情性と透明なハーモニーをもった作品で、後年になるほど彼の個性が際立ちます。デンマーク期待の若手団体、デンマーク青年弦楽四重奏団の清新で閃きに満ちた演奏と、オスロ弦楽四重奏団による気品高く落ち着いた情緒をもった演奏をご紹介します。

 

管楽五重奏曲(1920~22年作曲)

コペンハーゲン管楽五重奏団のために書かれた作品。ニールセンの熟達の書法が光る親しみやすく、内容豊かな名作です。3楽章からなり、終楽章は美しく穏やかなコラールに基づく変奏曲となっています。

 

ピアノ作品集

少年時代に経済的に恵まれなかったニールセンはピアノに親しむ機会が無かったため、作曲家となった当初はピアノ作品を苦手としていたようです。しかし、彼の作風が年と共に進化を遂げるとともに、ピアノ作品にも名作を生み出すようになります。1916年作の“シャコンヌ”は大規模で充実した作品として知られています。また晩年の1928年に書かれた“3つの小品”はまったく独自の語法を獲得した音楽世界を示しています。

 

(5)オペラ

歌劇『仮面舞踏会』全曲

1904~6年作曲のニールセン2作目の、そして最後のオペラ。仮面舞踏会で出会った女性に一目惚れした主人公レアンダー、そして同じように浮かれる彼の母。それを知って怒り狂うレアンダーの父。何しろレアンダーはすでに父が決めた許婚がいるのです・・・華やかな舞踏会と人間模様を見事に映し出した素晴らしいオペラをお楽しみください。

 

カール・ニールセンのCD、DVD一覧はこちら>>>

カテゴリ : Classical キャンペーン

掲載: 2015年06月09日 14:30

更新: 2015年12月16日 15:30