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映画『トイレのピエタ』、松永大司監督インタビュー

タグ : 勝手に!?映画祭 

掲載: 2015年05月15日 11:15

更新: 2015年06月24日 14:36

映画『トイレのピエタ』公開記念!松永大司監督インタビュー

映画『トイレのピエタ』の監督、松永大司監督にインタビューをしてきました。主演の野田洋次郎さんや、原作本、主題歌などのお話が盛りだくさんです。プレゼント企画もあり!

トイレのピエタ

まず、主演の野田洋次郎さんの起用理由について教えてください。

この作品は主役が絵を描く人という事で、ミュージシャンの方がいいんじゃないかっていう話になり、役の設定である28才前後のミュージシャンの方々をリストアップしてもらい、その方達の音楽を聴いたりライブ映像を見たりする中で、洋次郎の曲の歌詞、死生感がすごく物語とリンクするものがあり、ライブ映像でもとにかく妖艶で、すごい魅力的だなと感じ、オファーをさせてもらいました。
僕が書いたシナリオの園田宏という役を、演じることのできる内面を持ってる人だなと。
撮影が始まってからはどうでしたか―洋次郎の方でこの映画のオファーを受けてくれてから、当初の撮影予定よりも1年延びたんです。その1年の間、少なくとも月に2、3回は洋次郎と2人でいっぱい色んな話をしました。映画の話とかではなく、僕の事、洋次郎の事を。その時間の中で園田宏という人物像も共有できていったので、撮影にはスムーズに入れたと思います。

話し合いの中で野田洋次郎さんからの提案はありましたか?

役での提案はないですね。ただ、直前までシナリオを書いていたので、シナリオ修正する度に読んでもらう中で、洋次郎の方から「それは宏は言わないんじゃないかな?」っていうような意見をもらったりしました。映画は監督のものであるっていう、立ち位置でいてくれたし、その上で自分がこれをやるんだったら、これは共感出来る、出来ないということもはっきり言ってくれたし…

相思相愛というか、パートナーですね!

そういう関係ですね(笑)
恋愛とは違うけど、僕にとっては初の長編劇映画で、洋次郎にとっては映画というか演技することが初めてだし。どちらも初めてなので、覚悟が必要で。野田洋次郎として、RADWIMPSとして、ミュージシャンとして、積み上げてきたものがある中で、全く別の世界に足を踏み入れるってそんな簡単な事じゃないだろうし、そんな簡単な事じゃないだろうなって僕が思う以上に絶対色んなものを抱えていて、そういう立場の人がこれをやるって言ってくれた事に対して、僕は責任がある。
だからお互い嘘つかないで、色んなことを言い合えるように心がけた。もちろん楽しいだけの時期ばかりではなかったけど、でもそれがあるから本当にいい関係になれたなと思います。

野田洋次郎さんと杉咲花さんをキャスティングされて、このシーンは撮りたかったというところはありますか?

ワンカットで撮ってるところはほとんど、最初から思い描いていました。
例えば病院の外に宏を呼び出して食事に誘うシーンや、夜のプールのシーンなどは、シナリオの段階からこのように撮りたいというものがありました。

プールに金魚を放って、真衣が泳ぐシーンがとても印象深かったんですが?

杉咲演じる真衣の唯一の気休めというか、心を休められる場所を作りたいと考えた時に、水の中にしたいな、と思い、それでプールにしました。金魚は…シナリオの途中で追加したんです。なんかめちゃくちゃじゃないですか?だから、いいなと思って。それと“きれいだろうなー”って。

トイレのピエタ

原作も発売されますが―

脚本、監督、原作も僕がやっているので、発信者は一緒だし、タイトルも一緒。だけど別のものだと考えています。それぞれの楽しみ方があるなと。

例えば違いは?

小説の方では映画でカットしたシーンが入っています。20シーンぐらいカットしたので、その部分は全部入っているし、映画にはない回想シーン等も入っています。さっきのプールと金魚のシーンも映画では多くは語っていないけど、小説では“こんな小さな水槽に入ってるよりも大きなプールで泳いだ方がいいんじゃないか”みたいな事を書いています。小説を読み返したら“どれだけ世の中に不満があるんだ俺は”ってくらい、主人公の園田宏に不平不満を言わせてる。“俺大丈夫かな”って、読んだ人に自分の人間性否定されてないかなって思う(笑)映画の方がまだオブラートに包まれてるから、小説は意外とねートゲトゲしてますよ。“神様なんてくそだ”とかとも書いてる。

窓拭きのバイトの上司のキャラクターは監督の想いとか?このビルぶっ壊してやるって言いますよね?

あのエピソードは僕の実体験なんですよ。あのまんまの人がいて、キルって書いてあった。ほんとにセリフのような事を言ってて、横で聞いてて“やべーなこいつ”って。“今日もぶっ壊してやる”って言ってました。
だから“テロリストじゃないんだから”っていうセリフは僕の言葉なんです。僕の思いを反映したわけじゃないです(笑)

主人公が人生をつまらなそうに生きていたのですが、監督ご自身がそういう時期があったからですか?

大学卒業してから8年ぐらい僕もずっとビルの窓ふきをしていたんです。
その時、きっと、宏ほどはつまんない顔してないと思うんですけど(笑)でも色々な事を斜めにみたり、自分はここの人とは違うって思ったりしてました。
僕はまだ死なないし、病気でもないけど、自分が経験してきた事、感じた事を洋次郎が宏として演じてくれたと思う。洋次郎にも“宏って監督自身だよね”って言われます。

トイレのピエタ

手塚治虫の原案に出会ったのはいつ頃ですか?

10年以上前、リビングでテレビをぼー観ていた時に、“トイレのピエタのアイディアがある”というのを知り、がばっと起きてばーとメモしました。
何に惹かれたか、その時は言葉には出来なかったんですけど、今思うとトイレって誰もが毎日行くような排泄する場所に、死にゆく男が最後の時間をそこで費やす。しかも天井にピエタの像を書く。浄化と昇天みたいな言葉。すごい小さな世界に宇宙が広がっているなってすごいと思ったんです。
それをすごく強烈に覚えてます。

この作品で重要な絵はどのように依頼されたのですか?

林田裕至さんという普段は美術監督をしている方なんですが、今回は作画として入ってもらいました。
自分の中での絵のアイディアをたくさん伝え、そこから林田さんにラフを描いてもらう作業を何度もやりとりしました。
相反する事をたくさん言ったと思います。最初描き始めるところ、描いている途中、一番最後の3段階を芯としては作ってもらい、トイレも3個作りました。
林田さんから最終の絵をラフを描いて見せてもらう。でも“宏は最終形を目指して書いてる訳じゃないんですよ。だから最終形が出来上がってるのはつまらない”これって矛盾してる訳ですよ。宏は描いていく中で変化しながら最後に絵になる。でも林田さんから提案されるラフは最後の状態を決めた上で描いているのだから、その過程をどうしたらいいかなというのをいっぱいいっぱい話して、あるところまで話を詰めたところで、そこから先は林田さんが実際に描いてださい。とお願いしました。最終的なディテールは林田さんを信じました。

この映画を一番見てほしい人はいますか?

生きてるって楽しい事ばっかりじゃなくて、ほとんど辛いことじゃないですか。嫌な事っていうか、8割9割嫌な事ばっかりだと思うんですよね。でも、ちょっとした些細な事で見える景色が違ったりする、そういう事をこの映画で感じてくれたらいいなーって思うんです。
“いやー生きていくのめんどくせぇーなー”って、日々の“人生つまんねーな。”って思ってる人たちが見て、“あっ自分の人生の中にも、いいと思える瞬間があるな。”って思ってもらいたい。
10人見て、10人がおもしろいという映画ではないんで、ほんとに。もしかしたら、10人みて、9人おもしろくないって言うかもしれないし、でも、そのうちの1人とかがね。すごく深く届いて、何かをちょっと考えるきっかけになったらいいなと思いますね。

主題歌「ピクニック」がすごく好きなんですが―

映画の撮影が終わってから、洋次郎が園田宏として生きた時間として作ってくれているからエンドロールだけど、作品の大切な一部です。
この曲は、映画を観た後に聴く事での奥の深さがあるから、一番最初に映画を見てから、この曲を聴いてもらえるといいなあと。

依頼して作成されたのですか?

撮影に入る前、洋次郎の声で映画を終わらせたいなって話を本人にしました。
でも、オリジナルを作ってくれって言うのは…今回はミュージシャンではなく、演じる人として付き合っていたから、曲を作ってもらう事はお願いできないなあ…と。で、カバー曲とかどうなかな?って提案したら、“カバーを歌うんだったらオリジナルを作りたいよ”と言ってくれて、主題歌をお願いしました。

全部好きなんだけど、
「銀色のプールに 青い鼓動がふたつ 重ねた唇に そっと思い出したよ」
の歌詞は好きですね。最初にこの曲を聞いた時泣きましたよ。この映画の全部を歌ってくれたって。

短い時間でしたが、作品、主題歌について色々お伺いできて楽しい時間でした!松永大司監督、インタビューありがとうございました!

 

【担当こぼれ話】
インタビュー時に、重要な役どころであるリリーさんの話を聞きたかったと写真撮影時にお伺いすると、シナリオの段階からリリーさんに!と決めていたとのこと。ナチュラルにアドリブで演技されているように見えて、アドリブではないそうです。すごい。
担当もすこし、人生って…とすぐ凹むところがあるので、この作品の主人公に少し共感を覚えるところがあり、主題歌にすごく感動したので、お話を聞いていて、同じかもしれない…と心の中で思っていました!(笑)松永大司監督、インタビューありがとうございました!

Text:Naomi Jomori

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